『スター誕生(1976)』あらすじとネタバレ映画批評・評価

スター誕生(1976)の概要:「スター誕生」(原題: A Star Is Born)は、1976年のアメリカ映画。監督は「狼たちの午後」の脚本家で知られるフランク・ピアソン。製作総指揮と主演は「ファニー・ガール」でオスカー女優に輝いた、バーブラ・ストライサンド。共演者に「ビリー・ザ・キッド/21才の生涯」のクリス・クリストファーソン。1937年に最初の制作、1954年にリメイクされた作品の三度目のリメイク。1・2作は映画業界の話だったものを、本作では音楽業界の話に転換している。1976年第49回アカデミー賞で4部門にノミネートされ歌曲賞を受賞。ゴールデングローブ賞では5つの受賞に輝く。

スター誕生

スター誕生 あらすじ

映画『スター誕生(1976)』のあらすじを紹介します。

ロック界のスーパースターであるジョン(クリス・クリストファーソン)は、ミュージシャンとして低迷期を迎えていた。ある日、彼は場末のクラブで唄うエスター(バーブラ・ストライサンド)の素晴らしいステージに遭遇し、彼女と意気投合する。その翌日ジョンは自らのコンサートで酩酊し大切なステージを棒に振ってしまう。怪我を負ってエスターともすれ違いになり、経済状態も破綻寸前になる始末。

興行主からの公演キャンセルは続出し、損害賠償を迫る関係者はジョンの家に押しかける。放送局がヘリコプターよりインタビューを求めるが、怒ったジョンは発砲騒ぎを起こしてしまった。後日、謝罪のため局を訪れたジョンは偶然にもエスターと再会する。もぬけの殻になったジョンの家で秘かに愛を確認し合う二人。

ジョンは彼女のためにいくつかの曲を作った。そしてある日、ジョンは自分のコンサートで観客に彼女を紹介しコンサートは大成功。マスコミは連日のように彼女を採り上げ、レコードは飛ぶように売れ全国ツアーも決定した。

やがてスターとして絶頂を迎えた二人は結婚する。グラミー賞発表の日が訪れ見事受賞するエスター。すでに二人の人気は逆転していた。

ジョンは式典のステージで酔ったままスピーチを行い、彼女の才能を褒め讃え自分を卑下する。世間は大スターのエスターにとってジョンは邪魔な存在だと揶揄する。その事にジョンは気づいていたが彼を愛しているエスターには理解出来ない。複雑な心境に陥ったジョンはやがてフェラーリの運転中に事故死する。その死はあたかも自殺のようにさえ思われたが、誰もジョンの心を知る由もなかった。そして数日後に彼の追悼コンサートが行われ、偉大なシンガー、ジョンの死へ彼に縁のあるミュージシャンたちはみな哀悼の意を捧げた。ステージにイントロが静かに流れ、悲しみに暮れるエスターの歌が流れてくる。愛しいジョンの想い出のメロディーが、満員の聴衆の中に大きく広がってゆく。

スター誕生 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:1976年
  • 上映時間:140分
  • ジャンル:ミュージカル、ヒューマンドラマ
  • 監督:フランク・ピアソン
  • キャスト:バーブラ・ストライサンド、クリス・クリストファーソン、オリヴァー・クラーク、ポール・マザースキー etc…

スター誕生 批評 ※ネタバレ

映画『スター誕生(1976)』について、2つ批評します。※ネタバレあり

ミュージシャンとしてのリアリティが功を奏した

「スタア誕生」は三度目というリメイクでありながら過去の作品に劣らないのは、バーブラの歌唱力と演技によるものである。ピアソン監督の手腕というより、制作総指揮にあたった彼女の才覚が大きな要因であろう。そして主演の二人が両者ともに実力派の歌手であるというパフォーマンスに優れていた点にもある。 才能に限界を感じ始めたミュージシャンが、ドラッグとアルコールの力を借りると言ったシナリオは陳腐にも思えるが、若くて勢いのあるエスターの才能に出会い、互いに触発されながら相手の夢を叶えさせるというシナリオも、サクセスストーリーの王道である。しかしながらこの映画は全くミュージカルの要素を含んではおらず、時代と共に絶頂期を迎えていたアメリカンロックの背景を華やかに捉え、今までにあまり採り上げられなかったロックミュージシャンの物語をシナリオとして導入し、自らの専門分野で一般の役者では演じきれない生の音楽を演じられたところが功を奏したところだろう。クリス・クリストファーソンの本業であるミュージシャンとしてのステージ姿と退廃的なイメージは、演じろと言って演じきれるものではないシンガーとしてのオーラさえ感じさせる。

ミュージシャンとしてのプレッシャー

巨大なスタジアムで聴衆を巻き込んだダイナミックなライブシーンの数々は大きな見どころだろう。徐々にスターの階段を上ってゆくエスターを愛しながらも、自分の過去の栄光と比較されプレッシャーを感じながら、彼女の重荷になることを拒み、自らこの世を去るジョンがあまりにも哀しく映る。音楽という浮世離れした世界の中、一人で栄光を掴んできた男の不器用すぎる生き様は、最後に自らの生きる場所を見失ってしまったのだろう。過去に多くのミュージシャンがそうなってきたようにジョンも同じ運命を辿ってしまった。

まとめ

バーブラ・ストライサンドという女性の持つエネルギーに満ち溢れた作品であるが、物語的にはクリス・クリストファーソンの悲哀がよく描かれて、その中で流れる時代を反映させた音楽が当時の文化的な背景を如実に表している。ミュージカルというより音楽業界物語であるが、実在の人物を採り上げた映画とはひと味違った演出で、アメリカンドリームを夢見る多くのミュージシャンが群雄割拠していた、1970年代のアメリカを象徴するニューシネマ的な作品である。

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