映画『アバウト・シュミット』あらすじネタバレ結末と感想

アバウト・シュミットの概要:名優ジャック・ニコルソンが定年を迎えた平凡な男の悲哀を演じ、その高い演技力を改めて絶賛された2002年製作のアメリカ映画。アカデミー賞脚色賞最多受賞者でもあるアレクサンダー・ペイン監督の脚本が光る。

アバウト・シュミット あらすじネタバレ

アバウト・シュミット
映画『アバウト・シュミット』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

アバウト・シュミット あらすじ【起・承】

ネブラスカ州オマハに暮らすウォーレン・シュミット(ジャック・ニコルソン)は、一流保険会社に勤め、無事に定年退職の日を迎えた。

結婚を控えた一人娘のジーニーはデンバーで暮らしており、これからは妻のヘレンと二人で、悠々自適な老後生活を送っていくはずだった。
ヘレンは今後の楽しみにと、大きなキャンピングカーまで購入していた。

ところが、役職を失ったシュミットはあらゆることに不満を感じ、ストレスの塊となる。

退屈な日々の中、偶然テレビで目にした、アフリカの貧しい子どもを救うプロジェクトにわずかな寄付をし、6歳のンドゥグの養父となる。
シュミットにとって、思うままンドゥグへ手紙を書くことだけが楽しみになっていく。

そんなある日、ヘレンが急死してしまう。

ヘレンの葬儀のため、ジーニーは婚約者のランドールと帰ってくる。
シュミットは、ネズミ講を本気で信じているようなランドールとの結婚には反対で、ジーニーに結婚式の延期を提案するが、ジーニーは怒ってさっさと帰ってしまう。

一人になったシュミットの生活は荒れ放題になる。
さらに自分の親友とヘレンが過去に浮気をしていたことまで知ってしまい、親友とも決裂する。

自分には娘しかいないと感じたシュミットは、真夜中にキャンピングカーでデンバーを目指すが、ジーニーに“結婚式まで来ないで”と拒否される。

シュミットは仕方なく、そのまま人生を振り返る旅に出る。

アバウト・シュミット あらすじ【転・結】

生まれた場所、母校の大学、観光地などを気ままに巡り、ある晩シュミットは同じ駐車場に停泊していた夫婦のキャンピングカーに招待される。
久しぶりの楽しい夕食の後、自分を理解してくれる優しい奥さんについキスをしてしまい激怒されるという大失態を演じ、シュミットは逃げ出すようにして再び車を走らせる。

孤独なシュミットは夜空を見上げながら、亡き妻ヘレンへ、傲慢だった過去の自分を懺悔し十字架を切る。
自分は生まれ変わったと感じたシュミットは、ジーニーの結婚を阻止する決意をする。

ようやく予定の日が来て、シュミットはランドールの実家を訪ねる。
そこには、常識はずれの母ロバータ(キャシー・ベイツ)が率いる風変わりなランドールの家族たちがいた。

シュミットは結婚をやめるよう必死でジーニーを説得するが、全く聞き入れてもらえない。

何もできないまま結婚式当日となり、披露宴で花嫁の父としてスピーチをする時がきた。
予想に反して、シュミットのスピーチはこの結婚を祝福する感動的なものだった。

目的を果たせず、自分の人生に絶望したシュミットはまっすぐオマハの自宅へ帰る。

帰宅後、留守中に届いた郵便物の中に見慣れないエアメールを見つける。
封筒の中には、シスターからの手紙とンドゥグがシュミットへの感謝の気持ちを込めて描いたという一枚の絵が入っていた。
大きな太陽の下で、手をつないで笑っているシュミットとンドゥグの絵。
それを見たシュミットは泣き出し、やがて喜びに満ちた笑顔で前を見る。

アバウト・シュミット 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2002年
  • 上映時間:125分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、コメディ
  • 監督:アレクサンダー・ペイン
  • キャスト:ジャック・ニコルソン、キャシー・ベイツ、ホープ・デイヴィス、ダーモット・マローニー etc

アバウト・シュミット 批評・レビュー

映画『アバウト・シュミット』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

胸を打つラストシーン

冒頭の定年を祝うパーティで、シュミットは“真の豊かさに満ちた男”として紹介される。

ところが、妻の死をきっかけに、シュミットは自分の人生の真実の姿をひたすら突きつけられていく。

シュミットは決して悪い人間ではない。
身勝手でケチなところもあるが、それぐらいは誰にだってある小さな欠点だ。
シュミットは本当にどこにでもいそうなおじさんで、だからこそとても悲しい。

しかし、最後の最後、シュミットの“取るに足らない人生”に小さな灯がともる。
その瞬間、私たちもシュミットと共に救われる。

監督のアレクサンダー・ペインは黒澤明監督の「生きる」をヒントにして本作の脚本を書き上げたという。
胸を打つラストシーンという点で、確かにこの映画は「生きる」に匹敵する傑作になっていると言えるだろう。

ジャック・ニコルソンとキャシー・ベイツというキャスティング

本作の主人公シュミットは、平凡で地味なおじさんだ。
個性的な演技と顔で知られるジャック・ニコルソンからは程遠いイメージのこの主人公を、
ジャック・ニコルソンは何の違和感もなく演じている。
彼は“どこにでもいそうなおじさん”を円熟した演技でリアルに再現し、それが観客の共感を呼ぶ。
このキャスティングがあってこその“アバウト・シュミット”になっている。

そして、本作に強烈な色付けをするもう一人のベテラン、キャシー・ベイツ。
シュミットとは対照的に、強烈な個性を持つランドールの母ロバータを豪快に演じ、映画後半を大いに盛り上げている。
女優魂を嫌でも感じさせるキャシー・ベイツの体当たりの演技は、本作の見どころだ。

この2人をキャスティングした監督の狙いはまさに的中。見事にハマっている。

アバウト・シュミット 感想まとめ

この映画はある意味人生の悲惨さを描いている。
人生なんて不条理の連続で、生きることにはカッコ悪さがつきまとう。

それでも本作は決して暗くない。ベースはコメディだ。それも上質のコメディだ。
誰もふざけていない、むしろ大まじめなのにそこが笑えてちょっと悲しい。
そして小さな希望の光に涙する。
それは私たちの人生そのものではないだろうか。

人生の真実の姿を知る人でなければ、本作の良さはわかりにくいかもしれない。
でも、それが何となくでもわかる人には、最高に共感できる一本だ。

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