映画『アダプテーション』あらすじネタバレ結末と感想

アダプテーションの概要:「マルコヴィッチの穴」で注目された脚本家のチャーリー・カウフマン本人が次の映画の脚本を仕上げていく苦悩を脚本にした異色のコメディ映画。チャーリーと双子のドナルドをニコラス・ケイジが一人二役で演じている。2002年公開のアメリカ映画。

アダプテーション あらすじネタバレ

アダプテーション
映画『アダプテーション』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

アダプテーション あらすじ【起・承】

脚本家のチャーリー・カフスマン(ニコラス・ケイジ)は「マルコヴィッチの穴」で脚本家として成功を収め、次回作を依頼される。それはニューヨーカー誌の記者であるスーザン・オーリアン(メリル・ストリープ)が書いた「蘭に魅せられた男」という本を脚色するという仕事だった。

この本はジョン・ラロシュ(クリス・クーパー)という男が主人公で、彼は様々なコレクター経験を経て、現在は幽霊蘭と呼ばれる“ポリリザ・リンデニイ”の収集に情熱を注いでいた。チャーリーはこの作品をハリウッド的な映画ではなく、純粋な花の映画にしたいと考え脚本を書こうとするが、全くうまくいかない。

チャーリーにはドナルド(ニコラス・ケイジ)という双子の兄弟がいた。ドナルドは人見知りで悲観的なチャーリーと正反対の社交的で前向きな性格をしており、自分も脚本家になると言い出す。カリスマ講師・マッキーの脚本講座で3日間だけ講義を受け、ドナルドは適当に脚本を書き始める。

チャーリーはストーリーらしきものがないスーザンの本を脚色することに限界を感じる。チャーリーはまじめに脚本と向き合いすぎて恋人のアメリアにも振られ、悶々と苦しんでいたが、ドナルドは映画関係者ともすぐに親しくなり、脚本を書き上げてしまう。

散々悩み抜いた末、チャーリーはスーザンを中心にした脚本の構想を思いつく。しかし彼女自身に会う勇気はなく、結局は自分のことしか書けないという結論に至り、自分の実体験を脚本にしていく。一方、チャーリーがバカにしていたドナルドの脚本はエージェントに気に入られ、思いがけない高値がつく。

アダプテーション あらすじ【転・結】

スランプに陥っていたチャーリーは、ドナルドの成功に刺激を受け、毛嫌いしていたマッキーの脚本講座に参加してみる。そこでマッキーから、自らが変わり客をうならせるラストを作ればうまくいくと助言をもらい、チャーリーは深く感銘を受ける。

チャーリーはドナルドにニューヨークへ来てもらい、脚本を読んでもらう。ドナルドはスーザン本人を知るべきだと考え、チャーリーになりすまして本人と会う。そこで彼女は嘘つきだと感じたドナルドは、チャーリーと一緒に彼女を尾行し始める。

フロリダへ飛んだスーザンはジョンと会っていた。実は幽霊蘭から抽出した粉末にはドラッグ効果があり、スーザンはこのドラッグとジョンの虜になっていた。2人の様子を覗き見していたチャーリーが捕まってしまい、スーザンたちに拉致される。

車に身を隠していたドナルドとともに、チャーリーは沼地へ連れて行かれ殺されそうになるが、何とか2人で逃げ出す。もう大丈夫と思った矢先、ドナルドはジョンに撃たれ、さらに走り出した車が事故に遭い、ドナルドは死んでしまう。悲しみに暮れる間もなくチャーリーは再び追われるが、沼地でジョンがワニに食われてしまい、なんとか生き延びる。

チャーリーは最後に自分へ愛することの大切さを教えてくれたドナルドに感謝し、アメリアに愛の告白をする。アメリアも彼の想いに応えてくれ、チャーリーの脚本は完成する。

アダプテーション 評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:2002年
  • 上映時間:115分
  • ジャンル:コメディ
  • 監督:スパイク・ジョーンズ
  • キャスト:ニコラス・ケイジ、メリル・ストリープ、クリス・クーパー、ティルダ・スウィントン etc

アダプテーション 批評・レビュー

映画『アダプテーション』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

非常に複雑な脚本

あらすじでは基本的に現在のチャーリーの動きだけを追っているが、実際は前半部分からまだ本を執筆中のスーザンとジョンの物語が過去の話として組み込まれている。さらにこの時点でチャーリーとスーザンには当然面識がないので、基本的に全く別の物語が同時進行していくような複雑な構成になっている。

後半では、チャーリーと現在のスーザンたちが接触し、別々だった物語がひとつになる。実際は全てが同じ脚本内の話なのだが、チャーリーとスーザンが接触することで、脚本家が自分の脚本の中へ入り込んでしまったような錯覚を覚える。つまりふたつの世界がここで混ざり合い、ひとつの現実となっていくような感覚だ。

一見、原作を脚色する脚本家の苦悩をそのまま書いたような脚本に思えるが、これは最初にしっかりとしたプロットがあり、脚本を書き始める段階から全てを計算していないとまず書けない、とても高度な脚本であることは言うまでもない。

実在する人物たち

主人公のチャーリー・カウフマンは当然実在するとして、その他の人物はどうなのか気になるところだ。ちなみにチャーリーの双子の兄弟ドナルドは脚本家としてクレジットまでされ、最後に“ドナルド・カウフマンを偲んで”というテロップまで出るが、さすがに架空の人物。ただ、どちらもカウフマン本人だと考えることもでき、そこが面白いところでもある。

驚くのは、本作でチャーリーが苦心して脚色する「蘭に魅せられた男 驚くべき蘭コレクターの世界」という本や著者のスーザン・オーリアンという人物が実在していることだ。このスーザンの本はノン・フィクションなのでジョン・ラロシュという蘭愛好家ももちろん実在の人物であり、作品内での2人の設定も全てがフィクションなわけではない。

その上でこの脚色を許可し、映画の出来にかなり満足したそうなので、器がでかい。話の内容はフィクションだが、本から引用されている部分は現実なので、ジョンの前歯がないことだけは確かだろう。蘭には全く興味はないが、この2人には興味津々だ。

クリス・クーパーの新境地

この作品、実はキャスティングが豪華だ。主演のニコラス・ケイジは一人二役で本来の芝居を堪能させてくれるし、さらにスーザン役が超実力派のメリル・ストリープなので、普通に安心。脇役にも力のある役者たちがキャスティングされており、満足度は高い。

そんな中、いつも薄汚い格好をした前歯のない曲者、ジョン・ラロシュを演じているクリス・クーパーがかなりの輝きを放っている。最初はクリス・クーパーだと全く気づかなかった。“この役者さん、ものすごくいいけど誰だ?”って思っていたら、彼だった。びっくりした。

案の定、アカデミー賞とゴールデングローブ賞で助演男優賞を受賞していたようで、これは納得。こんなに汚れで癖の強い役もいけるとは、クリス・クーパーの新境地を見た。

アダプテーション 感想まとめ

星の数ほど映画がある中で、今まで誰も思いついたことがないような脚本を書くというのは、なかなかできることではない。「マルコヴィッチの穴」を見た時も思ったが、チャーリー・カウフマンの奇抜な発想と、それを作品としてまとめあげてしまう力はすごい。

ただ、創作に興味のない人には、チャーリーの鬱々とした苦悩と妄想が理解しにくいかもしれない。さらに本作のように構成が複雑な物語は、つまらないと感じる人にはものすごくつまらないだろうなとも思う。

個人的にはこのねじくれまがった脚本がとても刺激的で、何度も繰り返し見て、細かく分析してみたいような欲望にかられた。こういう映画は各自が1人でマニアックに楽しむのが最善だと思うのだが、いかがだろうか。

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