映画『愛の風景』あらすじネタバレ結末と感想

愛の風景の概要:1992年公開のヨーロッパ9カ国による合作大作。言語はスウェーデン語で贈る、裕福に育った少女と幼少期に苦労をしながら牧師を目指す青年との分不相応な恋愛模様から結婚生活の人生観を宗教的、叙情的に綴っている。

愛の風景 あらすじネタバレ

愛の風景
映画『愛の風景』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

愛の風景 あらすじ【起・承】

スウェーデンのウブサラ。
ここでアンナは、エルンストを始めとする3人の兄達と裕福な家庭で育っていた。
ある日、アンナの家でパーティーが行われるということで、エルンストは友人のヘンリクを招待する。
ヘンリクは神学校に通う、牧師を目指している青年だった。
初めて会った時から二人は惹かれ始める。
それをアンナの母は良く思わなかった。

ヘンリクにはフリーダという、レストランのウェイトレスをしている彼女がいた。
フリーダとは婚約中で、一緒にも暮らしている。
しかし彼への思いを諦めることが出来ないアンナは、兄のエルンストの力をかりて逢瀬を重ねるようになっていった。

ヘンリクはアンナの実家を尋ねることもあった。
あるアンナ不在の日、アンナの母は彼に話をする。
それは「私があなたを調査したところ、彼女がいることを知っている」という内容であった。
彼女が帰宅する前に別れの手紙を書いて出て行けと言うのだ。
言われるがまま手紙を残し去ったヘンリク。

帰宅したアンナはそれを読み、事実を受け入れる。
そして「もう会わない」と泣くのだった。
ヘンリクは中々アンナへの思いを捨てることが出来なかった。
思わず自宅の庭に出かけてしまうこともあったが、アンナに拒絶されてしまう。

ある寒い雪の日、フリーダからアンナに連絡が入った。
そして待ち合わせのカフェまで出かけたアンナは、フリーダと初めて会った。
フリーダは彼を助けてあげて欲しいと頼む。
もう自分の力では彼の沈んだ気持ちを元に戻すことが出来ないのだと。
アンナはこの話を聞いて、ヘンリクへの思いを再燃させてしまう。

アンナは先日から風邪をひいたようで、咳が中々治らなかった。
そんな彼女を心配した両親は検査を受けさせると肺結核だった。
アンナの兄はヘンリクの自宅に向かい、「アンナが肺結核であり、スイスの病院で療養するからもう会うことも無い」と親からの言付けを伝えにくる。

愛の風景 あらすじ【転・結】

スイスの病院で緑に囲まれ療養しているアンナは、やはりそこで自分の彼への思いを再確認する。
そしてエルンスト宛てに手紙を書き、その中にヘンリク宛ての手紙を同封。
兄にこっそり届けてもらおうと考えた。
しかし手紙が届いた時、不運にも兄は長期で外出していた。
アンナの父が手紙を受け取り、開封すると中にヘンリク宛ての手紙が同封されていると妻に伝える。

アンナの父は娘を可愛がっていた。
アンナの気持ちが大事だと考え、妻にヘンリク宛ての手紙は読むべきでは無いと言う。
しかし気の強い母は開封し、彼女の彼への気持ちを知ってしまう。
母は回復を待ってイタリアを1ヶ月周遊させてくると言った。

イタリア周遊中、父急死の電報が入る。
そのことで母は本当のことをアンナに打ち明けた。
手紙を燃やして捨てたということである。

父の葬儀後、アンナはヘンリケを尋ねた。
そこで本当の気持ちをぶつけたアンナは、ヘンリクと心を通わることが出来た。
そして結婚の約束をしたのである。

時を同じくして田舎町のフォルスボーダで牧師として赴任が決まったヘンリクは、アンナと共に引っ越しをする。
そこには改修が必要な住まいと小さな教会があった。
自分の部屋さえ持てない小さな家にアンナは少し難色を示す。
手直しした教会でひっそりと式を挙げようと言うヘンリクに、アンナは一生のことだから盛大にやるのが当たり前だと譲らない。
アンナの希望を渋々のみ、二人はウプサラ大聖堂で華々しい門出を迎えた。

二人の間には子供も授かり、ダグと名付けられた。
この頃宮廷付きの教会牧師に大抜擢されたヘンリクは、アンナと共に女王陛下に面会に行く。
しかしそこでの質問に気を悪くしたヘンリクは、せっかくの推薦を断ってしまう。
この噂が村に広がり、元々最近仲違いをしていた地元有力者との溝が深まっていく。
二人目を妊娠していたアンナは、教会に村人が来なくなってきたのも手伝い孤独に苛まれていく。

二人の間には養父母から逃げ出して来て、一時預かりをしていた少年が暮らしていた。
アンナが自分を良く思っていないことを知り不安になった彼は、ダグを凍った池まで連れていこうとした。
それを見た夫婦はダグを助け、少年を殴る。

アンナは全てのことに耐えられなくなり、実家の母を頼りに、家を出ることにした。
その決断に激怒したヘンリクだったが、アンナの意思は固くやむなく了承する。
実家では孫を喜んでいる母がいた。
何となく穏やかな暮らしが戻って来た。

しかしヘンリケは家族を忘れることが出来ない。
彼はアンナを迎えに彼女の実家を訪れた。
そこであんなに「病院付きの教会に赴任することが出来た。やり直せないか?」と尋ねる。
アンナは「やり直したい。待っていたのよ」と受け入れるのだった。

愛の風景 評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:1992年
  • 上映時間:180分
  • ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
  • 監督:ビレ・アウグスト
  • キャスト:サミュエル・フレイレル、ペルニラ・アウグスト、マックス・フォン・シドー、ギタ・ナービュ etc

愛の風景 批評・レビュー

映画『愛の風景』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

難しい文学的作品

とにかく長い作品、全編3時間という今時珍しい文学的作品である。
そして何より名前の難しさ、顔の判別の難しさ、時代設定、文化的違い、宗教思想的な違いが伴い非常に理解するのに時間が必要な出だしとなっている。
私たちアジア人には特に難しいかもしれない。
最初の30分が肝で、登場人物像を認識出来ればそこからは引き込まれていく。

何故ヘンリクがアンナの家にずっといるのか、何故アンナとヘンリクが急に接近したのか、どこからヘンリクが彼女に恋愛スイッチが入ったのかなどがよく見ていてもわからなく、結局ヨーロッパのプラトニックな恋愛観がおもいっきり出ているように感じる。
高慢と偏見もそうであったが、大胆な気持ちの描写がないまま、あくまで美しい風景と心の変化を叙情的に綴り、芸術的な映像を美しいとしている感じがする。

この世界観にはまってしまえば、自分の感情をも高貴なものに思えてくるし、人の心の中の難しさも何となく理解できるようになる。
つまりこの作品を楽しむためには、見ている側のスイッチをヨーロッパ映画モードにしないと「つまらない日常を描いた映画」という残念な感想になってしまう人も少なくないだろう。

何より凄いのが男女のただの恋愛から結婚へのありがちな問題を、さも美しい物語に描いていることが凄い。
これを日本でやったらただの痴話げんかである。
だがしかし、見終わった後は凄く上質な映画を見た気分になれるし、描写の詩的な感じも決して嫌いでは無い。
美しいという言葉がマッチしている大作である。

愛の風景 感想まとめ

ロシア映画だと思っていたら、実はヨーロッパ各国の合作であった作品。
内容はいかにも昔の文学的作品で、人間の心の移り変わりを叙情的にかつ、宗教的に説いている。
人の罪であったり、愛情や憎しみであったりを敢えて正直に口に出すことで、脚本の室をあげている。

また薄暗いのに美しい田舎の風景も嫌いでは無い。
強いて言えばもっと明るいシーンを増やして欲しかったが、そこは文化的な違いも要因であろう。
退屈な最初を凌げば、かなり引き込まれる仕上がりなのでオススメである。

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