映画『アルフィー(1966)』あらすじとネタバレ感想

アルフィー(1966)の概要:「アルフィー」(原題:Alfie)は、1966年のイギリス映画。監督は「ビスマルク号を撃沈せよ!」、「第七の暁」や後に007シリーズを三作手がけたルイス・ギルバート。主演は「ズール戦争」、「国際諜報局」などのオスカー俳優、マイケル・ケイン。「アンネの日記」、「いつか見た青い空」などのオスカー女優、シェリー・ウィンタース。他にミリセント・マーティン、ジュリア・フォスター、シャーリー・アン・フィールド、ジェーン・アッシャーなど。音楽はジャズ・サックス奏者のソニー・ロリンズが作曲を担当し、本作のスコアを元にしたアルバム「アルフィー」を発表した。主題歌「アルフィー」はバート・バカラック作曲で、女性シンガーのシェールが歌った。

アルフィー あらすじ

アルフィー
映画『アルフィー(1966)』のあらすじを紹介します。

アルフィー(マイケル・ケイン)は、ロンドンのイーストエンドで狭いアパート暮らしをしていたが、ファッションには気を抜くことないプレイボーイだった。彼は無類の女好きであり、女性の好みに合わせて服装を替えながらも、深い関係に陥らないクールな対応に長けていた。最初に征服したのは人妻のシディー(ミリセント・マーティン)だった。次がキープとして都合のいいギルダだったが、彼女はアルフィーの子を宿しながらも彼を束縛することはなかった。そして彼女の出産後もアルフィーはクリーニング店の女性や、フットケアの治療医、偶然に公園で出会った女性などと無作為とも言える関係を続けた。ギルダはアルフィーとの間に出来た息子のマルコムを金持ちの養子に出すとか、シッターに預けて自分は働きに出るとか言いながら、アルフィーとの関係が切れないように何とかつなぎ止めようとする。やがて彼もマルコムがすっかり気に入った様子で、週末には息子の許を訪れ一緒に過ごすようになった。しかしギルダはずっと彼女に想いを寄せていた、優しく実直な昔なじみのハンフリーと結婚してしまう。そんな中、アルフィーは病院の検査で肺結核が発覚し療養生活を余儀なくされる。しかし担当の女医や看護師たちに囲まれている生活も彼は悪く思わなかった。半年間の療養を終え退院したアルフィーは、隣のベッドにいたハリーを見舞った。そこには欲求不満顔の彼の妻リリーが来ていた。そしてアルフィーは早速モーションをかけ一時のアバンチュールを過ごした。彼が転々と職を替える間に ヒッチハイクでロンドンに向かうアニーという娘や、金持の未亡人ルビー(シェリー・ウィンタース)との二重生活を過ごしながら、アルフィーはプレイボーイの生活を謳歌していた。しかしいつの間にか楽観的な彼の思惑とは裏腹に、ルビーはアルフィーより若いギタリストを見つけ、アニーは元のボーイフレンドに連れ去られてしまう。寂寞とした想いで過去を振り返りながら街を歩くアルフィーの前に、最初の女性シディーが現われた。そして二人の間に忽ちデートの約束が出来上ったが、彼女と出会った頃からの顔馴染みの野良犬が感慨深げにアルフィーの許へ近づき、そのまま二人は夜の静寂へと消えていった。

アルフィー 評価

  • 点数:点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:1966年
  • 上映時間:114分
  • ジャンル:コメディ
  • 監督:ルイス・ギルバート
  • キャスト:マイケル・ケイン、シェリー・ウィンタース、ミリセント・マーティン、ジュリア・フォスター etc

アルフィー ネタバレ批評

映画『アルフィー(1966)』について、感想批評です。※ネタバレあり

プレイボーイの優雅な生活

プレイボーイの日常を描くコメディというのは、当時としてはかなり斬新だったのではないだろうか。しかも口説く女性が絶世の美女という訳ではなく、どこかワケありで恋愛ドラマのヒロインとしては頼りない存在ばかりである。いわゆる自分が優位に立てる条件を満たしていれば誰でもいいという感じなのだが、ダメ男に恋愛しがちな女性の特徴が良く描かれており、アルフィーのチャラさが正当化されるようなシチュエーションがユニークである。といいながらも全くダメ男ではなく一応は仕事もしているのだが、その社会性などは全く伺うことが出来ないミステリアスな部分が不思議な魅力を放っている。表向きはエセ英国紳士という出で立ちなのだが、女性に対してはツンデレ作戦で圧倒的な立場を保ちながらも、全ての人間関係に深く関与できないピエロ的な一面がラストシーンで窺えるのも、ドラマ的にはユニークな展開である。これがマイケル・ケイン以外の俳優だったら、こうも不思議な魅力を放つことはなかったかも知れない。ウッディ・アレンがよく使う手法であるが、斜に構えてスクリーンから刹那的に哲学を語りかける主人公の軽妙なセリフはイギリスのコメディらしく、当時では斬新な切り口として映画との一体感を味わえたであろうマジックである。

マイケル・ケインのミステリアスなオーラ

全編を通じて役者が観客に話しかけると言うのは、この作品が初めてではないかと思う。元となった舞台劇は大ヒットで、この作品もそれなりに評価されていたと思うが、後年になってはこの手の映画も多く作られるようになり、作品としての陰が翳みがちなのかもしれないが、古き良きコメディ映画のエンターテインメント性は失われていない。今の時代ならばその人格を掘り下げるような部分も織り込まれるだろうが、本作では主人公の闇の部分などに触れることもなく、あくまでも主人公の主観として日常を描いているだけに過ぎない。それゆえにコメディとしての本質が忘れられることなく、観客も手放しでのめり込める客観性が本作の魅力ではないだろうか。マイケル・ケインの持つ神秘さがその内容もドラマ性も薄いストーリーを代弁するかのように、不思議とキラキラ輝いて見える素敵な映画なのである。

アルフィー 感想まとめ

ソニーロリンズの音楽が素晴しく、イギリス映画にはあまり使われないジャズがいい効果をもたらしている。最後のシーンで幻滅を味わったアルフィーが、自らを否定するかのような呟きと共に野良犬と一緒に消えて行き、耳に残るタイトル曲が流れてくる。この場面だけで、ああいい映画だなと思える不思議な感覚に包まれてしまう。大して金持ちでもなく、口先だけでいとも簡単に女性を恋愛関係へ持ち込んでしまう、映画の主人公としては有り得ないような特殊なヒロイズムが存在する。その軽薄さを演じるマイケル・ケインは女性に対してではなく、男性のヒーロー像としてハードボイルドとは全く違った憧れの対象になったのかも知れない。現在では有り得ないようなシチュエーションがそのストーリーを輝かせ、おとぎ話のような感覚で心に残る珠玉の作品である。

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