『アマデウス ディレクターズ・カット版』あらすじ&ネタバレ考察・ストーリー解説

1984年のアカデミー賞で8部門を受賞した名作の完全版。若き天才作曲家モーツァルトと、彼に嫉妬心を燃やし続けた秀才作曲家サリエリの姿を描く。監督は『マン・オン・ザ・ムーン』のミロシュ・フォアマン。

あらすじ

アマデウス ディレクターズ・カット版』のあらすじを紹介します。

冬のウィーンで一人の老人が自殺を計った。「モーツァルト、お前を殺したのは私だ」とうわ言を吐きながら精神病院に運ばれた彼は、数週間後に神父へ以外な告白をする。

彼の名前はアントニオ・サリエリ(F・マーリー・エイブラハム)。オーストリア皇帝に仕えた秀才作曲家だった。タニマチに支えられ優雅な生活を送っていた彼の人生は、神童・モーツァルト(トム・ハルス)の登場で狂い始めていく。

比類なき才能をいかんなく発揮するモーツァルトの下劣な性格に嫌悪感を抱きながらも才能に嫉妬し、モーツァルトを貶めようと策を巡らせるサリエリ。
家庭内に侵入し、幾重もの罠をかけ、モーツァルトを殺すことに成功する。しかしサリエリに達成感はなかった。

告白を終えたサリエリは、名も無き精神病院を後にする。誰の記憶にも残らなかった彼の残り少ない人生を生きるために。

評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:2002年9月7日
  • 上映時間:180分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:ミロス・フォアマン
  • キャスト:F・マーレイ・エイブラハム、トム・ハルス、エリザベス・ベリッジ、サイモン・キャロウ、ロイ・ドートリス etc…

ネタバレ考察・ストーリー解説

『アマデウス ディレクターズ・カット版』について、考察・解説します。※ネタバレあり

才能に嫉妬するということ

皆さん、サリエリという作曲家をご存知でしたでしょうか。もちろん、モーツァルトは誰もが知っている天才作曲家です。本作に出てくるような下劣な性格の持ち主ながら、抜きん出た才能を遺憾なく発揮し、皆を幸せにしていました。太陽のような存在だったんです。一方のサリエリは嫉妬深く、親しい友人は存在しませんでした。彼の交友関係は全て利害で繋がっていたのです。いわば、影。
本作は、影が太陽に嫉妬し、ついには殺してしまうというお話です。サリエリには権力があった。権力と金で若いモーツァルトを追い詰めていき、殺したのです。しかし、モーツァルトの楽曲はいまだに親しまれている。サリエリの楽曲など、誰も知らない。何も残らなかったのです。

もし、サリエリの嫉妬がいい方向に向いていたらどうなっていたか?モーツァルトに負けじと作曲に勤しんでいたらどうなっていたか?サリエリも秀才で頭が良い。だから、モーツァルトの才能には絶対にかなわないと理解していたのです。負け戦だとわかっている戦いに挑む人間はバカだということを理解していた影が勝利するためには太陽を殺すしかなかった。太陽を殺してしまったせいで影も消えてしまったのです。なんと愚かで共感できる物語なのか!死んでしまえばいいと思っているような人でも、殺してしまえば必ず罰が下るんです。

痛々しい物語で、見ているのが苦痛に思える瞬間もあります。何もここまでしなくてもいいじゃないか!と思ってしまうことも。でも、観れば必ずタメになります。タメになるし面白いし最高じゃないですか!音楽に興味ないから……と思っている人も、観るべきです。なぜなら、本作は音楽の映画ではないから。完全なヒューマンドラマです。『ロッキー』だって、ボクシング映画じゃなかったでしょう?ジャンルと題材に縛られてはいけません。

まとめ

どうでもいい話ですけど、私は、モーツァルトが横山やすしに思えて仕方がありません。世代ではないものの、その破天荒な逸話は知っています。笑いの才能とよろしくない性格の持ち主だった彼は、世間に押しつぶされて殺されたのです。似ているでしょ?横山やすしがモーツァルトで、吉本興業ががサリエリですよ。なんだか、新喜劇のプログラムみたいな話になってきましたし、キダタローっぽくなってしまいました。

本作の物語は普遍性を持っていて、日本人受けする部分もあるんじゃないかと思っています。梶原一騎のスポ根マンガから度胸と清々しさを引っこ抜いたら『アマデウス』になる!誰かに野村克也を主人公にした劇画風の空想マンガを描いて欲しいですね。南海の選手が徒党を組んで巨人軍を襲撃したり、新聞社に圧力をかけて巨人軍をバッシングするんです。おもしろそう。

Amazon 映画『アマデウス ディレクターズ・カット版』の商品を見てみる