映画『あなたへ』あらすじ・ネタバレ結末と感想

あなたへの概要:2012年公開の日本映画。高倉健の生前最後の出演作品である。富山の刑務所で指導教官を務める夫に亡くなった妻からの手紙が届く。今まで知らなかった妻の故郷への散骨への思いを叶えるべく旅を始める物語。

あなたへ あらすじ

あなたへ
映画『あなたへ』のあらすじを紹介します。

富山の刑務所で指導教官を務める倉島(高倉健)。
病気で亡くなった妻の墓の準備をしていた時、NGO法人から妻からの遺志だと2通の絵葉書を渡される。
1通は「ありがとう」
もう1通は「故郷の海に散骨してください」だった。
倉島は散骨には反対であったが妻の遺志であることから、とりあえず故郷である平戸に向うことにした。
その車はキャンピングカー。
倉島は退職後、妻と改造したこのキャンピングカーで旅行に行くはずだった。

道の駅、ガソリンスタンドと続けて顔を会わせたのが元教師と名乗る杉田(ビートたけし)という男だった。
埼玉から来たという。
彼はキャンピングカー初心者の倉島をダムサイトのキャンプ場まで連れて行ってくれた。
どうやら彼もまた妻を亡くし旅をしているらしい。
しかし同時に帰る場所を無くしているらしいということがわかった。
翌日目を覚ますと杉田はすでに出発していた。

大阪に向かう途中、田宮(草彅剛)という男に出会う倉島。
彼は物産展を回り、いかめしを売っているのだが車の故障のため大阪まで乗せてくれないかと頼んで来た。
倉島は了承。
さらに一緒に物産展で2000食のいかめしを売るのを手伝った。
そこへ遅れて来たのが南原(佐藤浩市)だった。

その後倉島は亡き妻との思い出の地、竹田城跡へ向かう。
そこで再会したのが杉田だった。
しかし彼の跡をパトカーが追ってきた。
彼は教師なんかでは無く、車上荒らしとして指名手配されていたのだ。
複雑な倉島。
その後物産展に戻った倉島は再び田宮らと飲みそれぞれの悩みを愚痴ったあと、倉島は亡き妻の散骨のため平戸に向かっているという話をした。
二人と別れるとき、南原は散骨に困ったらこの漁師に頼むと言いというメモを渡す。

遂に平戸に着いた。
そこで散骨について漁協に問い合わせるが断られる。
南原が教えてくれた大浦という老人の漁師も駄目だった。
そして向かったのが多恵子という女将が経営している食堂だった。
娘の奈緒子(綾瀬はるか)は昼間の倉島の行動を偶然目撃していた。
多恵子の夫もまた借金の末、海難事故で死んでいた。
彼女は倉島に食堂の2階を使うように言う。

奈緒子は大浦の孫との結婚が決まっていた。
そのため散骨の船を出さないなら結婚を辞めるとまで言い出し、説得する。

なたへ ネタバレ結末・ラスト

多恵子は倉島に奈緒子のウエディングドレスの写真を持たせ、これも海に流してくれと頼む。
夫にわかるようにと。
そして倉島は花束を投げ、散骨を済ませた。
しかし写真だけは流さなかった。

平戸から物産展に戻った倉島は南原に電話をする。
そしておかげで無事に散骨ができたことを告げる。
そして1枚の写真を手渡すのだった。
そう奈緒子のウエディングドレスの写真である。
父親は生きていたのだ。

人には様々なドラマがある。
倉島はこの旅で妻が自分の残りの人生を生きてくれと言いたかったのではないかと思うのだった。

あなたへ 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2012年8月25日
  • 上映時間:111分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:降旗康男
  • キャスト:高倉健、田中裕子、佐藤浩市、草なぎ剛、余貴美子 etc…

あなたへ 批評・レビュー

映画『あなたへ』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

人間というものを描いた作品

退職後、二人で旅行しようとしていたキャンピングカーは思いもよらない形で使われる。
まさか倉島は妻の散骨の旅に車を使うなどとは思わなかっただろう。
倉島は妻のために平戸に向かう途中で、様々な人種に人に会う。
それまでは自分がひどい目にあっていると思っていたのかもしれない。
しかし聞いてみるとどんな人にも事情があるのだ。
表面的なことだけでは何も見えず、親切にしてもらっても犯罪者だったりもする。
また長年連れ添っても死んだ後に他人から「散骨して欲しい」などと聞かされたりもするのだ。
人生とは何なのか、人との関わりは何のか。
深く考えさせられる作品であり、名優高倉健の最後の名演技と向き合うには良い作品であると言える。

多様なキャスティング

この映画に出ている俳優はジャンルも役も様々。
草彅剛が出ていたり綾瀬はるかが出ていたりと、バラエティーに富んでいるのだ。
ロードムービーというのは人が多く出てくるのが魅力。
そして着いた土地で人と交流し、自分の考えを柔軟にしていくというのがだいご味である。
今までの自分との対話とでも言おうか。
それを説得力あるものにするには演技力が必要なのである。
そしてまた同じタイプの俳優だけでは面白みに欠けるのだ。
本作品の良い所。
それはやはり豪華で個性的な俳優が集まっているというところだろう。
映画に広がりを与えてくれているように思う。

あなたへ 感想まとめ

高倉健の最後の映画。
そういう意味でも後世まで残っていく作品であることは間違いない。
しかし年齢の割には厳しい役どころではなかったか。
演じているだけでも大変な年齢なのに、ロケで相当の距離を移動したことだろう。
そこにも俳優根性が伺えるのだ。

亡き妻の散骨という、これからの日本が現実的に抱えていく社会問題を取り込み、人生とは何かということを静かに描いた作品である。
切なくも儚い人の人生、自分らしく自分の道を生きるという不変のテーマが隠されているように思う。
それはとても難しく、憧れでもある。
映画を見るというよりも、人の一生を見てしまったそんな感想を持つ作品である。

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