『アーティスト』あらすじ&ネタバレ考察・ストーリー解説

2011年に公開されたモノクロの無声映画。サイレント映画の大スターと、トーキー映画のスター女優となる2人の物語。キャッチコピーは「君と出会って、世界は再び色づきはじめる。」

あらすじ

アーティスト』のあらすじを紹介します。

1927年のハリウッド。サイレント映画界きっての大スター、ジョージ・ヴァレンティン(ジャン・デュジャルダン)はその演技力と愛犬とともに舞台に上がる愛らしさで、周りにはマスコミやファンが絶えない。ある日、映画の舞台挨拶を終え映画館を出たジョージだが、相変わらず出待ちの女性ファンやマスコミでいっぱいだった。そんな中、一人の女性が手帳を落としてしまい、思いがけずジョージの目の前へと押し出されてしまう。そんな彼女に優しく接するジョージ、大ファンである彼女は興奮し、マスコミに写真まで撮られてしまうのだった。彼女の名前はペピー・ミラー(ベレニス・ベジョ)。運命の2人の出会いであった。
ペピーは女優を志しており、エキストラのオーディションを受けるため撮影所へとやって来た。”ダンスができる女性”という条件をクリアし役を貰ったペピーは、見事な足さばきを披露する。ちょうどその時ジョージも同じ撮影所を訪れていた。大道具越しに華麗なタップダンスを目撃すると、ジョージも張り合うかのように踊り始める。大道具が取り除かれ、対面した2人はまさかの再会に驚く。映画の撮影が始まり、ジョージとペピーは一瞬の社交ダンスのペアとはいえどこか良い雰囲気。撮影終了後、ジョージの楽屋の衣装に頬を寄せるペピー。しかしその姿を彼本人に見られてしまいペピーは動転するが、ジョージは咎めず「女優を目指すならば何か特徴が必要だ」として彼女の口元にホクロを書き足す。後にこのホクロが、彼女を輝かせる大きな要因になることを2人はまだ知らない。
1929年、トーキー映画が登場しサイレント映画は廃れる一方だった。それでもサイレント映画にこだわるジョージ、反してトーキー映画の名ヒロイン、大スターへの街道を駆け上がっていくペピー。2人の運命は…?

評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2012年4月7日
  • 上映時間:101分
  • ジャンル:コメディ、ラブストーリー
  • 監督:ミシェル・アザナビシウス
  • キャスト:ジャン・デュジャルダン、ベレニス・ベジョ、ジョン・グッドマン、ジェームズ・クロムウェル、ペネロープ・アン・ミラー etc…

ネタバレ考察・ストーリー解説

『アーティスト』について、2つ考察・解説します。※ネタバレあり

ジョージの愛犬、アギー。彼はなんと・・・

自暴自棄になり自身の作品に火をつけ、閉じ込められたジョージを助けるため警官を引き連れてきた名犬、アギー。この作品で彼はカンヌ国際映画祭では優秀な演技をした犬に送られるパルム・ドッグ賞を受賞、さらにハリウッド映画で優秀な演技をした犬に送られるゴールデン・カラー(金の首輪)賞の第1回受賞者となりました。一躍有名になったアギーくんですが、実は元々捨て犬で、殺処分されそうになるところを今のトレーナーさんに拾われたそうです。まさかの経歴です。

ラストのダンスシーンの意義

ジョージとぺピーが最後にタップダンスを踊り、トーキー映画を撮るシーンで映画は幕を閉じます。あれだけ頑なにトーキーを拒絶していたジョージ、しかしぺピーのアイデアに勇気付けられたことでトーキーの世界へと踏み出すことができました。この世界に初めてしっかりとした音楽や声が届きます。それまでの静寂を引き立てるようなラストシーンは、モノクロながら鮮やかでジョージのまた違う魅力が自然と表現されていて、まさに映画界の推移を表していると思います。実際でもジョージのように、サイレント映画からトーキー映画へと時代が進むにつれ置いてかれてしまった俳優がいたのかもしれません。さらにタップダンスは2人が再会した際に踊り合っていたダンス。2人が撮る映画には最高の演出です。

まとめ

2011年公開の映画でまさかのサイレント、そしてモノクロという意外性にやられました。台詞やナレーションも無く、全ての字幕が出るわけでもないので自分で表情や展開を読まなくてはなりません。しかしその分俳優の演技を満喫できますし、その凄さを直接感じられます。おかげですっかりジョージ役のジャン・デュジャルダンとペピー役のベレニス・ベジョのファンになってしまいました。まさにアーティスト、という表現が相応しかったです。名犬のアギーくんも実はCGなのではと思ってしまうくらい素晴らしい演技で、仕草も可愛らしく犬好きの方にはたまらない作品でもあると思います。そしてとても印象的なのは、本編の途中で突然音が使われるシーンがあります。ジョージがトーキー映画の悪夢を見て、コップの割れる音、イスやドアの音、笑い声に襲われるのですが彼は声を一切出せないのです。無音の世界で生きてきた彼にとって、いかにトーキーの登場が重荷であり苦しみの種であったか、実際に音を鳴らすことによって効果的に表現されています。上手すぎて、ずる賢ささえ感じてしまう演出でした。

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