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映画『あしたのパスタはアルデンテ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『あしたのパスタはアルデンテ』の概要:トンマーゾは久しぶりに実家に戻り、兄に自分がゲイであることを打ち明ける。そして、夕食会で家族に話す予定だと伝えた。夕食会当日。トンマーゾが家族に話そうとしたその時、兄が話すのを遮り、自分はゲイだと打ち明けた。

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映画『あしたのパスタはアルデンテ』の作品情報

あしたのパスタはアルデンテ

製作年:2010年
上映時間:113分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:フェルザン・オズペテク
キャスト:リッカルド・スカマルチョ、ニコール・グリマウド、アレッサンドロ・プレツィオージ、エンニオ・ファンタスティキーニ etc

映画『あしたのパスタはアルデンテ』の登場人物(キャスト)

トンマーゾ・カントーネ(リッカルド・スカマルチョ)
ローマで暮らしており、恋人がいる。ゲイであることと、作家になりたいことを家族に隠している。
アルバ・ブルネッティ(ニコール・グリマウド)
カントーネ家のパスタ工場の共同経営者の娘。トンマーゾに恋心を抱く。
アントニオ・カントーネ(アレッサンドロ・プレツィオージ)
トンマーゾの兄。家族にゲイであることを打ち明けた為、勘当される。
ヴィンチェンツォ・カントーネ(エンニオ・ファンタスティキーニ)
トンマーゾの父。女好き。パスタ工場を経営している。アントニオがゲイだという事実を受け止められず、倒れてしまう。
ステファニア・カントーネ(ルネッタ・サヴィーノ)
トンマーゾの母。ヴィンチェンツォと同じように、アントニオがゲイだという事実を受け止められずにいる。
お祖母ちゃん(老年:イラリア・オッキーニ / 若年:カロリーナ・クレシェンティーニ)
トンマーゾのお祖母ちゃん。パスタ工場の創業者。トンマーゾ達の良き理解者で、アントニオがゲイだということも知っていた。若い頃、夫の弟の二コラに恋をしており、ずっと胸に秘めている。
マルコ(カルミネ・レカーノ)
トンマーゾの恋人。医者。

映画『あしたのパスタはアルデンテ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『あしたのパスタはアルデンテ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『あしたのパスタはアルデンテ』のあらすじ【起】

お祖母ちゃんは写真を見ながら、若かりし頃に思いを馳せた。ウェディングドレスを着て田舎道を走り抜けると、遺跡のような建物に辿り着いた。その中に居た男性の目の目で、お祖母ちゃんは自分の胸に拳銃を突きつけた。男性は拳銃を取り上げようとするが、銃声が外まで鳴り響いた。お祖母ちゃんは写真に写る別の男性と結婚した。

お祖母ちゃんの孫であるトンマーゾが、久しぶりに家に帰って来た。家族達は再会を喜び合う。トンマーゾはパスタ工場に居る兄のアントニオに会いに行き、自分の秘密を打ち明ける。それは、作家として働きたいことと、小学生の頃からゲイの自覚があることだった。アントニオは少し驚いたが、今まで通り秘密にしていればいいと弟を諭す。しかし、半端なことが嫌いなトンマーゾは、木曜の夕食会で家族に打ち明けることを伝えた。

トンマーゾは恋人のマルコに、今夜ゲイだと家族に打ち明けることを伝える。夕食会には、共同経営者の娘であるアルバも居た。他の家族も集まり、トンマーゾは緊張した面持ちで話し出そうとした。しかし、アントニオがそれを遮り、自分はゲイだと打ち明けた。そして、皆にばれるのを恐れて解雇してしまった、従業員で恋人のミケーレを呼び戻したいと伝えた。父のヴィンチェンツォは怒り狂い、アントニオを勘当した。

ヴィンチェンツォは心筋梗塞で倒れてしまう。トンマーゾだけが病室に呼ばれ、手を貸してくれと涙ながらに父に頼まれる。トンマーゾはゲイのことも作家になりたいことも言えず、途方に暮れてマルコに電話する。その電話をアルバに聞かれてしまい、ゲイだとばれてしまう。だが、アルバが気にしている様子はなかった。

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映画『あしたのパスタはアルデンテ』のあらすじ【承】

トンマーゾはアルバに無理矢理連れ出され、仕事に駆り出される。だが、トンマーゾはやる気が無かった。母のステファニアはアントニオがゲイだと信じられず、アントニオの部屋を漁っていた。すると、ミケーレと仲睦まじく映る写真が見つかる。

ステファニアは使用人達にも、アントニオの秘密を守るように伝える。しかし、お祖母ちゃんは家族なら受け入れるべきだと反論した。夜、トンマーゾはお祖母ちゃんに会いに行く。お祖母ちゃんはアントニオからゲイだと打ち明けられて知っていた。そして、嫌々仕事をしているトンマーゾに、人の望み通りに生きるのはつまらないものだと優しく諭した。

ヴィンチェンツォは退院してトンマーゾとカフェに行くが、街の人にアントニオのことが知れ渡っているという被害妄想で、心が病んでしまう。そして、家に閉じこもってしまう。トンマーゾは仕方なくアルバと共に工場経営を頑張るが、マルコと会えない辛さが募る。そして、気を紛らわそうとして、夕食を作りながらアルバにマルコとの思い出を語った。アルバはトンマーゾに惹かれており、目に涙を溜めて密かに悲しんだ。

トンマーゾは姉のエレナに協力してもらい、工場との交渉を行う。エレナの娘達は叔母に見てもらった。その日の夜、トンマーゾの前にアントニオが現れる。アントニオはミケーレを迎えに行ったが、既に愛想を尽かされていたと落ち込んでいた。それでも、トンマーゾはアントニオが勝手に家族に打ち明けたことを許せず、お互い相手のことを責めて喧嘩別れをしてしまう。

映画『あしたのパスタはアルデンテ』のあらすじ【転】

ヴィンチェンツォはトンマーゾとアルマが仲良くしていると、安心したように笑顔になった。だが、アントニオのことは名前を聞くことも嫌がった。トンマーゾは勇気を出して、アントニオと会ったことを話した。そして、アントニオは家族なのだから家に戻るべきだと伝えた。ヴィンチェンツォとステファニアは受け入れられず、お祖母ちゃんだけが味方した。

トンマーゾは工場に行き、勇気を出してエレナに自分がゲイであることを打ち明ける。しかし、エレナはトンマーゾとアントニオがゲイであることに気付いていた。しかも、兄弟がゲイだということを特別気にしている様子も無く、トンマーゾは拍子抜けする。

お祖母ちゃんはアルバにパスタのことを話していたが、悲しそうな顔を見て恋に悩んでいることに気付く。慰めの代わりに、夫の弟であるニコラのことを話した。お祖母ちゃんは二コラのことを愛しており、それは結婚をしてからもずっと変わらなかったことを打ち明けた。そして、叶わない愛には終わりが無いことを教えた。

トンマーゾの家にマルコとゲイの友人のアンドレア、ダヴィデ、マッシミリアーノが訪れる。皆ゲイであることを隠しているが、トンマーゾはいつ家族にばれるかドキドキして挙動不審になる。トンマーゾの様子を見て、お祖母ちゃんだけは気付く。トンマーゾの家族への挨拶が終わると、トンマーゾはマルコを裏庭に連れて行った。そして、勝手に来たことを非難してしまい喧嘩になる。マルコ達はそのまま家に泊まることになるが、ゲイだとばれないようにアンドレア達は必死に演技をした。

マルコはトンマーゾの部屋を訪ねた。トンマーゾは会うのを躊躇うが、我慢できなくなり扉を開けた。そして2人は抱きしめ合った。

映画『あしたのパスタはアルデンテ』の結末・ラスト(ネタバレ)

マルコ達はアルバを連れて海水浴を楽しみ、ゲイであることを隠さず開放的に遊んだ。トンマーゾはその姿を見て、二度とマルコと離れないことを誓う。アルバは辛い気持ちを我慢して、トンマーゾとマルコの姿を目に焼き付けた。帰り道、マルコは出版社から届いていた手紙をトンマーゾに渡した。そして、一足先にローマへと帰って行った。

トンマーゾはヴィンチェンツォ達に作家になりたいことを話した。そして、一生出版するのが無理でも、自分の為に書きたいと伝えた。ヴィンチェンツォは話し合おうとするが、トンマーゾの気持ちは既に固まっていた。その夜、お祖母ちゃんは久しぶりに自分の顔に化粧をして着飾った。そして、糖尿病にも関わらず、机に並べられたお菓子を順番に食べた。

朝、お祖母ちゃんはトンマーゾを起こすと、自分の幸せを考えろと伝えて優しく微笑んだ。その時、部屋の外で騒ぎがありトンマーゾが向かうと、お祖母ちゃんがベッドの上で亡くなっていた。お祖母ちゃんは遺言状を残しており、アントニオに土地を残していること。そして、ヴィンチェンツォ達にアントニオを拒むのは止めなさいと書いてあった。他にも家族に対して愛情の籠った言葉が書かれていた。ヴィンチェンツォ達は霊柩車の後ろを歩きながら、アントニオを受け入れることを決めた。

映画『あしたのパスタはアルデンテ』の感想・評価・レビュー

コメディ要素が多くユーモアたっぷりなので楽しんでみることができ、ストーリーは心が温かくなり、家族や友情のことを考えさせてもらえるものだったのでよかった。同性愛について強い否定を表すシーンがあり、今でこそ少しずつ理解されつつあるが、やはり差別は存在するのだなと少し悲しくなった。

結末が観た人の判断に任せるというタイプだったので、はっきりと終わらせてほしかったと少しモヤっとして終わってしまい、そこは残念だった。(女性 20代)


「カミングアウト」のタイミングって本当に大事ですよね。この作品の舞台は南イタリアの田舎町。自分がゲイであるとカミングアウトしようと里帰りした男。しかし、兄が先にゲイであることをカミングアウトしてしまい、自分は言い出せなくなってしまいます。
未だに無くならない、こういう話題に対する偏見。この作品で描かれていたのは、ゲイであることを理解できない父親。日本でもそうですが、若者よりも年配の方のほうがこういう話題に笑ってしまうほど固執しているように感じます。
どんな形でも「愛」ってすごく温かくて、大切ですね。愛を感じられる作品でした。(女性 30代)

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