映画『バーバー吉野』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

「バーバー吉野」のネタバレあらすじ結末

バーバー吉野の概要:長年守られてきた伝統により、小学生男子全員が「吉野ガリ」と呼ばれる変な髪型をしている町に、東京から茶髪の転校生がやって来たことで、小さな町に革命が起こる。こけしのような髪型の子供たちが愛らしく、ゆるく笑えるコメディに仕上がっている。

バーバー吉野の作品概要

バーバー吉野

製作年:2003年
上映時間:96分
ジャンル:コメディ、青春、ヒューマンドラマ
監督:荻上直子
キャスト:もたいまさこ、米田良、大川翔太、村松諒 etc

バーバー吉野の登場人物(キャスト)

吉野慶太(米田良)
山間部の田舎町で暮らす小学5年生。家は町で唯一の理容店「バーバー吉野」で、店主である母親の手によって吉野ガリにされている。素直な子供らしい少年で、同学年のヤジ、カワチン、グッチと仲良し4人組を結成している。同級生の真央が好き。
吉野のおばちゃん(もたいまさこ)
慶太の母親。バーバー吉野の女主人で、町の小学生男子全員を、丸いシルエットの「吉野ガリ」と呼ばれる髪型にしている。祖父の代から続く吉野ガリの伝統を守ることに使命感を感じている。髪型には厳しいが面倒見はいいので、子供たちから慕われている。
坂上洋介(石田法嗣)
東京から転校してきた茶髪のイケメン男子。吉野ガリにされることを断固拒否して、慶太たちの価値観を変えていく。父が所有していたエッチな本をたくさん持っている。
矢島真之介(大川翔太)
ニックネームは「ヤジ」。仲良し4人組の1人で、体の小さな吉野ガリ。お腹が弱く、すぐに便意を催す。慶太と同じく真央が好き。
川口貴弘(松村諒)
ニックネームは「カワチン」。仲良し4人組の1人で、のっぽでメガネの吉野ガリ。4人組のリーダー格。異性の身体に興味津々で、エッチな本を持っていた坂上君を仲間に引き入れる。やはり真央が好き。
山口修平(宮尾真之介)
ニックネームは「グッチ」。仲良し4人組の1人で、デブの吉野ガリ。常にお菓子を食べている。エッチな本は不潔だと言いつつ、盗み読みしているむっつりスケベ。みんなと同じく真央が好き。
吉野武雄(浅野和之)
慶太の父親。婿養子で、家では立場が弱い。大人なのに吉野ガリにされている。会社に勤めていたが、リストラされて求職中。しかし、リストラされたことを家族に言い出せない。
ケケおじさん(森下能幸)
いつもピンクの着物を羽織り、傘を持って町中をうろついている変なおじさん。子供を見ると追いかけくるので、慶太たちに恐れられている。世捨て人風の人物。
上杉真央(岡本奈月)
慶太のクラスのマドンナ。成長が良く、小学5年生にしては大人っぽい。男子はみんな真央に憧れている。しかし、真央は吉野ガリではない坂上君が好き。

バーバー吉野のネタバレあらすじ

映画『バーバー吉野』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

バーバー吉野のあらすじ【起】

自然豊かな山間部にある神ノゑ町では、少年たちがみんな同じ髪型をしている。彼らの髪をカットしているのは、「バーバー吉野」の女主人の吉野のおばちゃんで、こけしのような独特の髪型は「吉野ガリ」と呼ばれていた。吉野のおばちゃんは、先祖代々続いてきた吉野ガリの伝統を守ることに使命感を持っており、常に少年たちの髪型をチェックしている。少年たちもそれが普通なのだと思っており、大人しく吉野ガリにされていた。

山の神様にお供え物をする伝統行事の「山の日」は、吉野ガリの少年たちが聖歌隊の衣装を着て『ハレルヤ』を合唱する。吉野のおばちゃんは、吉野ガリの少年たちが一列に並んで歌う姿を見て、満足そうに微笑む。少年たちの中には、吉野のおばちゃんの息子の慶太もいた。

朝。吉野のおばちゃんは店の前に立ち、通学中の子供たちと挨拶を交わす。吉野家の茶の間では、慶太と父親の武雄がのんびり朝食を食べている。武雄も慶太と同じく、吉野ガリにされていた。長女はすでに社会人で、ダイエットをしているからと朝食を抜く。吉野のおばちゃんに小言を言われても、家族は慣れた様子でマイペースに動く。

小学校5年生の慶太には、ヤジ、カワチン、グッチという3人の親友がいる。4人は常に行動を共にしており、放課後も一緒に遊んでいた。4人のたまり場は秘密基地と呼ばれる小屋かバーバー吉野と決まっており、今日はヤジが散髪するというので、バーバー吉野へ行く。吉野のおばちゃんは「うちは駄菓子屋じゃないよ」と文句を言いながらも、必ず子供たちにお菓子をくれる。子供たちは、そんなおばちゃんのことを慕っており、慶太もお母さんのことが好きだった。

そんなある日、慶太のクラスに東京から坂上洋介という転校生がやって来る。坂上君は軽い茶髪のかっこいい少年で、女子は色めき立つ。マドンナの真央まで坂上君に夢中で、吉野ガリの男子は坂上君に嫉妬する。

バーバー吉野のあらすじ【承】

放課後、慶太は先生から命じられ、坂上君に町を案内する。途中、頭のおかしいケケおじさんに追いかけられ、2人は全速力で逃げる。その後、坂上君は、なぜみんな同じ髪型をしているのかという素朴な疑問を慶太にぶつける。改めてそう聞かれると、慶太にもなぜなのかよくわからなかった。

慶太は坂上君に、ここが自分の家だと言って、バーバー吉野を紹介する。坂上君の髪型を見た吉野のおばちゃんは、吉野ガリにしてあげるから店に入るよう促す。しかし、そこへ女子軍団が来たので、坂上君は吉野ガリを免れる。慶太たち4人組は、女子にモテる坂上君が羨ましかったが、悔しいので口には出さない。

夕方5時になると、吉野のおばちゃんは役場の放送室に入り、「良い子の皆さんに5時を知らせる放送」を始める。町中に設置されたスピーカーから、「町の自然と伝統を守りましょう」と訴える吉野のおばちゃんの声が響き渡る。

坂上君がなかなか吉野ガリにしないので、吉野のおばちゃんはイラついていた。学校でも、坂上君は先生から「この町の小学生はみんな同じ髪型にする決まりになっているから、早く吉野ガリにしろ」と注意される。しかし、坂上君は絶対に嫌だと反発する。吉野ガリにしないので、坂上君は男子から仲間外れにされていた。

バーバー吉野に集まっていた4人組は、散髪に来ていたおじいさんに、なぜ子供は吉野ガリにしなければならないのか尋ねる。おじいさんの話によると、吉野ガリにするのは、裏山にいるとされる天狗から子供を守るためらしい。吉野のおばちゃんは、吉野ガリは100年以上も続く町の伝統なのだと言っていた。

それからも坂上君は吉野ガリを拒否し続け、とうとう学校へ来なくなる。慶太は坂上君への連絡係を命じられ、毎日プリントを届けに行く。当たり前のように吉野ガリにしてきた4人組は、なぜそこまで坂上君が吉野ガリを嫌がるのかわからない。グッチが従兄弟のお兄さんに「その髪型は変だ」と言われた話をすると、他の3人は驚いていた。

バーバー吉野のあらすじ【転】

ヤジとカワチンとグッチは、プリントを届ける慶太を尾行し、坂上君が仮病かどうかを確かめることにする。本当は物陰からこっそり偵察するはずだったが、お腹の弱いヤジがトイレに行きたくなったため、坂上君の家へ入れてもらう。坂上君は4人組に「髪型を統一するなんて人権侵害だ!表現の自由を伝統やしきたりによって奪われている!」と訴える。カワチンは坂上君の主張に感心し、「お前は吉野ガリにしなくていい」と言い出す。さらに、坂上君が父の所有物だったエッチな本をたくさん持っていたため、自分たちの仲間と認め、秘密基地に案内する。坂上君のエッチな本は「坂上文庫」と命名され、秘密基地で保管される。グッチは不潔だと反対していたが、相手にしてもらえない。

慶太たちに受け入れられ、坂上君は学校にも来るようになる。5人はすっかり仲良くなり、毎日一緒に遊ぶ。しかし、グッチは母親から坂上君とは付き合うなと言われ、仲間外れにされる。吉野ガリではない坂上君は、町の人々からも変な目で見られていた。ただ、ケケおじさんだけは、「バカな大人の言うことなんて気にするな」と言ってくれる。

そんなある日、いつものように秘密基地でエッチな本を見ていた慶太たちの前に、天狗が現れる。慶太たちは驚いて逃げ出し、天狗にさらわれたらどうしようかと怯えるが、坂上君は「天狗なんて存在しない」と冷静な意見を述べる。坂上君の言う通り、天狗の正体はエッチな本を盗みに来たグッチだった。

翌日、グッチは秘密基地から盗んだエッチな本を学校に持ってきて、先生に見つかってしまう。5人は先生に厳しく叱られ、反省文まで書かされる。先生から連絡を受けた吉野のおばちゃんは、慶太を叱責し、全ては坂上君のせいだと思い込む。

翌朝、吉野のおばちゃんは通学する坂上君を待ち伏せし、その髪型がみんなに悪影響を与えているから、学校が終わったら店に来るよう命じる。慶太たちも観念するよう言うが、坂上君は、小学生がみんな同じ髪型にするのも、神社の儀式でキリスト教の歌を歌うのもおかしいと訴える。みんなは坂上君が正しいと認め、吉野ガリの伝統は吉野のおばちゃんの陰謀ではないかと考える。子供たちがそんなことを話しているとも知らず、吉野のおばちゃんは5時の放送で「子供はやっぱり吉野ガリ!」と叫んでいた。

みんなは、実は坂上君のかっこいい髪型が羨ましかったのだと本音を打ち明ける。みんなの意見は「吉野ガリは嫌だ」で一致し、かっこよくなるための作戦会議を開く。帰宅後、慶太は「あんな放送やめてくれ!」と訴える。しかし、吉野のおばちゃんに「髪型を気にするなんて10年は早い」と言われてしまう。

バーバー吉野のあらすじ【結】

とにかく髪型を変えようと考えた4人は、小遣いを握りしめて隣町の美容院へ行ってみるが、全くお金が足りない。仕方がないので、深夜のバーバー吉野で、慶太がみんなの髪を切ることにする。しかし、吉野のおばちゃんに見つかってしまい、作戦は失敗する。

翌朝、吉野のおばちゃんは朝早くから学校へ行き、校長や先生と一緒に、校門の前で坂上君を待つ。坂上君は、ついに吉野のおばちゃんに捕まり、吉野ガリにされてしまう。

慶太は責任を感じ、家出を決意する。他の4人も慶太に同調し、5人はかっこよくなるための家出を決行する。5人は山奥の河原まで歩き、焚き火を囲んで夜を明かす。

その頃、慶太が帰ってこないので、吉野のおばちゃんは心配して泣いていた。武雄は大丈夫だとおばちゃんを励まし、吉野ガリにこだわりすぎではないかとやんわり言ってみる。武雄は、髪型よりもこの町の美しい自然や風景を守るのが大事だと思っていた。しかし、吉野のおばちゃんは、吉野ガリもこの町の風景の一部で、あの髪型は子供たちを守っているのだと主張する。

翌日は町の天狗祭りで、神社では祭りの準備が進んでいた。慶太たちはまだ見つかっておらず、先生は5人の姿を見たらすぐに連絡するよう生徒たちにも伝えておく。その頃、慶太たちは頭にヘアーキャップを被り、呑気に石投げをして遊んでいた。

夜になり、天狗祭りが始まる。神社には、町中の人々が集まっており、吉野のおばちゃんも、慶太たちが現れるのを待っていた。天狗の舞の奉納が終わり、祭囃子が途切れた時、神社の階段の上に、5人組が姿を現わす。5人が着ている白のTシャツには、「脱・吉・野・ガ・リ」と一文字ずつ書かれており、髪型は派手な色に染めたパンクヘアーだった。

慶太は覚悟を決めて「くそババア!よく聞け!俺たちは吉野ガリなんてまっぴらだ!かっこよくなりたいんだ!」と叫ぶ。すると、神社にいた他の子供たちも「俺も嫌だった!」と口々に叫び始める。慶太は最後に「でも、お母さんがみんなの敵になるのはもっと嫌だ」と言って泣き出す。吉野のおばちゃんは慶太の本心を知り、涙ぐんでいた。

その後、吉野ガリの伝統は廃止され、子供たちはかっこいい髪型にすることを許される。ご先祖様に申し訳なくて、しばらく落ち込んでいた吉野のおばちゃんも、夏には元気になっていた。バーバー吉野には、自由な髪型をした仲良し5人組が集まり、以前のようにお菓子をねだる。吉野のおばちゃんは、「うちは駄菓子屋じゃないよ」と文句を言いつつも、笑顔でお菓子を投げてくれるのだった。

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