映画『ビヨンド・ザ・マット』あらすじネタバレ結末と感想

ビヨンド・ザ・マットの概要:幼い頃からプロレスが大好きだった脚本家のバリー・W・ブラウスタインが、レスラーたちの素顔を追ったドキュメンタリー映画。人気レスラーからマイナーなレスラーまで数多くのレスラーが登場する。1999年公開のアメリカ映画。

ビヨンド・ザ・マット あらすじネタバレ

ビヨンド・ザ・マット
映画『ビヨンド・ザ・マット』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

ビヨンド・ザ・マット あらすじ【起・承】

脚本家のバリー・W・ブラウスタインは、幼い頃にテレビでプロレスに熱中して以来、隠れプロレスファンだった。バリーはリングで戦うレスラーたちの素顔を知りたいと思い取材を開始する。

派手な興行で業界トップの団体となったWWFは4世代に渡ってマクマホン一族が経営してきた。現在のボスであるビンス・マクマホンは特に商売上手で、人気レスラーのグッズ販売や新人発掘に力を入れていた。

西海岸にあるインディーズ団体のARWは、会計士のローランドが経営するプロレスラー養成学校だ。ARWの選手はプロレス一本では生活できないため、会社勤めやアルバイトをしながらプロレスを続け、メジャーへの進出を目指している。しかしメジャーへの道は険しいものだった。

テキサスで暮らす53歳のテリー・ファンクは、32年間もプロレス一筋で生きてきた伝説の人気レスラーだ。しかし長年の選手生活で身体はボロボロになっており、特に膝の状態は最悪だった。それでも最も過激な団体として急成長しているECWの試合では、血みどろになって戦う。家族はそんなテリーをいつも心配していた。

WWFのドル箱選手であるミック・フォーリーは「マンカイント」の別名を持ち、有刺鉄線や金網などを使った危険なハードコア・マッチでファンから絶大な人気を博していた。誠実なフォーリーは妻と幼い子供2人をとても大切にしており、家族に心配をかけることを申し訳ないと感じていた。

ビヨンド・ザ・マット あらすじ【転・結】

かつてカリスマ的なスター選手だったジェイク・“ザ・スネーク”ロバーツは、コカイン中毒となり表舞台から姿を消していた。そのジェイクが久しぶりに試合をすることになり、バリーはジェイクの取材を開始する。

ジェイクの母親は13歳の時に母の恋人にレイプされ、ジェイクを出産した。ジェイクの妹は結婚相手の前妻に殺され、継父は屋根裏で感電死した。ジェイク自身も生活の乱れから家族を失い、孤独の中にいた。4年ぶりに娘と再会するが長年の溝を埋めることはできず、ジェイクは手を切ったはずのクラック(タバコ状のコカイン)に手を出してしまう。

テリーはついに引退を決意し、1997年が自分のプロレス最後の年になると宣言する。彼の引退試合には様々な団体から人気レスラーが集まり、大盛況のうちに幕を閉じる。

フォーリーは悪役レスラーのロックを相手に世界王座をかけたアイ・クイット戦に挑む。この試合には家族も同行し、リング脇で試合を観戦する。しかしパイプ椅子で殴打され、血まみれになっていく父親を見て子供たちは泣き出し、妻は子供を連れて会場を出る。後日、家族の様子を撮影したバリーのビデオを見たファーリーは、自分は父親失格だと深く反省する。

バリーは長期に渡る取材を終え、幼い頃から憧れてきた多くのレスラーたちも、リング以外では家族とともに我々と変わりない人生を歩んでいるのだと感じる。

ビヨンド・ザ・マット 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:1999年
  • 上映時間:103分
  • ジャンル:ドキュメンタリー、スポーツ
  • 監督:バリー・W・ブラウスタイン
  • キャスト:テリー・ファンク、ミック・フォーリー、ザ・ロック、ヴィンス・マクマホン etc

ビヨンド・ザ・マット 批評・レビュー

映画『ビヨンド・ザ・マット』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

プロレス業界の裏側

本作ではレスラーたちの素顔とともに、プロレス業界の舞台裏を見ることができる。プロレスはスポーツでもあるが、基本的には全てシナリオのあるショーであり、いかにファンを喜ばせるパフォーマンスをするかがレスラーの腕の見せ所だ。

レスラーにとって、試合の勝敗はそれほど重要ではない。というか、勝敗もあらかじめ決まっている。試合前には“ここで俺をはしごの上から突き落としてくれ”とか“こっちを向いて殴られた方がいいだろう”という、信じられないような打ち合わせが行われる。テレビ放送の場合、どのタイミングで血みどろの顔がアップになるかまで打ち合わせ済みだ。

これから自分がどれほど痛い目にあうかを知った上でリングに上がり、予定通り(度を超えることもある)パイプ椅子で頭を割られたり、有刺鉄線の塊に投げ飛ばされたりするわけで、その精神力はやはりすごい。試合後、顔面血だらけで“ファンは喜んでくれたかな”と心配するレスラーのプロ根性は感動的ですらある。

リングの上の懲りない面々

本作で主要人物となっているテリー・ファンク、ミック・フォーリー、ジェイク・ロバーツの3人は、世界中にファンを持つプロレス界の大スターだ。しかしテリーは本作の撮影中に現役を引退し、子供を泣かせてしまったフォーリーも引退をほのめかすような発言をしている。ジェイクの状態も最悪で、彼のレスラー人生も長くないように感じてしまう。

ところが、1997年にあれほど派手な引退試合をしたテリーは翌年あっさり復帰して再びリングに上がっており、2000年に一度は引退したフォーリーもやはり数年後には現役復帰している。そして娘と音信不通になってしまったジェイクも、ずっとプロレスは続けている。まさに“リングの上の懲りない面々”といったところ。

その後、3人ともWWE(元WWF)殿堂入りを果たし、偉大なレスラーとして表彰されている。ここまでいくと家族も諦めるしかない。彼らは根っからのプロレスラーなのだ。

ビヨンド・ザ・マット 感想まとめ

私は特にプロレスファンというわけではない。それでも本作は非常に面白くて、プロレスに人生を賭けるレスラーたちのクレイジーな生き様に魅了された。彼らのプロレス愛は本物だ。血まみれになっても、家族を泣かせても、落ち目になっても、彼らのプロレス愛は衰えない。それほど好きなことを仕事にできているのだから、きっと彼らは幸せなのだろう。何よりだ。

他のレスラーもみんなそれぞれに個性的で、いつでもゲロを吐けるとか、昔は凄腕の殺し屋だったとか、癖の強い人間が揃っている。ちょっとプロレス観戦がしてみたくなった。

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