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映画『ビルマの竪琴(1956)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ビルマの竪琴(1956)』の概要:終戦を迎えたビルマで、数多くの日本兵の屍を目にした水島上等兵は、彼らを置き去りにすることができず、この地で僧侶となって彼らを埋葬する決意をする。「埴生の宿」「仰げば尊し」といった美しい音楽が効果的に使われており、水島の切ない心情がひしひしと伝わってくる。市川崑監督の名作。

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映画『ビルマの竪琴』の作品情報

ビルマの竪琴

製作年:1956年
上映時間:143分
ジャンル:戦争、ヒューマンドラマ、音楽
監督:市川崑
キャスト:三国連太郎、安井昌二、浜村純、内藤武敏 etc

映画『ビルマの竪琴』の登場人物(キャスト)

水島上等兵(安井昌二)
井上隊長が率いる部隊の兵士。ビルマで竪琴が弾けるようになり、仲間が合唱する時は伴奏を担当する。誠実な人柄で、みんなから慕われている。
井上隊長(三國連太郎)
音楽学校出の音楽家で、戦地でも隊員たちに合唱の指導をする。知的な人格者で、隊員たちの命を大切に考えている。水島のことをとても信頼している。
物売りの老婆(北林谷栄)
ムドンの捕虜収容所に食べ物などを持ってきて、隊員たちと物々交換する。昔関西弁を話す将校から日本語を教わったことがあり、言葉が通じる。自由が効かない隊員の代わりに、水島を探してくれる。

映画『ビルマの竪琴』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ビルマの竪琴(1956)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ビルマの竪琴』のあらすじ【起】

1945年7月。終戦間際のこの時期、ビルマでも日本軍は苦戦を強いられ、井上隊長が率いる部隊は、国境の山脈を越えようとしていた。

井上隊長は音楽学校を出ており、隊員たちが疲れると、積極的に歌を歌わせた。その時伴奏を務めるのは、ビルマの竪琴が弾ける水島上等兵で、水島はいつの間にか竪琴の名人になっていた。水島は偵察へ行くときも竪琴を使い、隊員たちに安全か危険かを知らせる。この部隊にとって、音楽はとても大切なものだった。

ある日、腹ペコだった隊員たちは、とある村でもてなしを受ける。ところが、歓迎のお礼にと歌を歌い始めると、村人たちは一斉に姿を消してしまう。いつの間にか、村はイギリス軍に取り囲まれており、井上隊長は、敵を油断させるため、歌を歌うよう命じる。隊員たちは歌いながら密かに身支度を整え、戦いに備える。広場の中央に置いてきた爆薬箱も、音楽で相手を安心させ、何とか引き上げてくる。

様子を見ていたイギリス軍の兵士たちは、英語版の「埴生の宿」を歌い始める。隊員たちは戸惑うが、水島は竪琴を弾いてそれに応える。両軍は「埴生の宿」を大合唱し、心を通わせる。そしてその夜、井上部隊は、三日前に停戦になっていたことを知り、武器を捨てる。

日本は降伏した。井上隊長は、“先のことはわからないが、もし日本に帰れるなら、一人残らず一緒に帰ろう”と、隊員たちを励ます。

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映画『ビルマの竪琴』のあらすじ【承】

井上部隊は、ムドンの捕虜収容所へ送られることになる。井上隊長は、三角山に立てこもっている日本兵が、どうしても降伏しないのだと聞き、水島を説得に向かわせる。水島はその任務を終わらせてから、先にムドンへ向かった部隊の後を追うことになる。

イギリス軍は、水島に30分だけ時間をくれ、攻撃を一旦中止する。水島は急いで崖上の洞窟へ行き、立てこもっている部隊の隊長に降伏を迫る。しかしその隊長は決して譲らず、結局水島もイギリス軍の攻撃に巻き込まれる。水島が目を覚ますと、日本兵はみんな倒れていた。水島は洞窟から這い出し、崖下へ転がり落ちる。

ムドンの収容所に到着していた井上隊長は、10日経っても水島が来ないことを心配していた。物々交換にやってくる婆さんに、病院に三角山で負傷した日本兵がいないか聞いて欲しいと頼んでいたが、婆さんはどうも頼りなかった。

そんなある日、橋の修理作業をしていた井上部隊は、橋の上で水島そっくりの僧侶とすれ違う。隊員たちは、口々に“水島!”と声をかけるが、僧侶は顔を背けて行ってしまう。僧侶の肩には、インコが一羽止まっていた。

婆さんは、おそらく水島は死んだだろうという情報を仕入れてくる。婆さんの家には、あの僧侶のインコと兄弟のインコがおり、井上隊長は、時計と引き換えに、そのインコを譲ってもらう。水島生存の望みが消え、井上隊長は自分の判断を深く後悔する。

映画『ビルマの竪琴』のあらすじ【転】

しかし、水島は生きていた。あの日、崖下で倒れていた水島は、ある僧侶に救われ、寺院で治療を受ける。元気になった水島は、危険を回避するため、僧侶に扮装してムドンを目指す。

ムドンに向かう道中のいたるところで、水島は日本兵の死体の山を目にする。野ざらしの死体は誰にも埋葬されることなく放置され、哀れな姿で朽ち果てていた。水島はそれに目を背け、川を渡ってムドンに入る。その川岸にも、多くの日本兵の死体があった。

捕虜収容所近くの寺院に泊まった水島は、明日にはみんなに会えると心を踊らせる。翌日の早朝、水島は竪琴で「埴生の宿」を弾く少年と出会う。少年は水島の演奏を聴き、竪琴を教えて欲しいと頼む。水島はそれを快く了承し、寺院の外へ移動する。

水島はそこで、病院で亡くなった日本兵を埋葬するイギリス人の姿を見る。彼らは名もなき日本兵のために墓を作り、賛美歌を歌っていた。水島は、その慈悲深さに衝撃を受け、自分が目にしてきた多くの死体のことを思い出す。水島は葛藤した末、来た道へ戻る決意をする。そして橋の上で、井上部隊の仲間たちとすれ違ったのだった。

水島は、たった一人で、川岸の死体を埋葬し始める。そのうち現地の人たちも手伝い始め、日本兵の墓が築かれていく。ある日、水島は土の中から大きなビルマのルビーを見つける。現地の人は“死んだ人の魂に違いない”と語り、水島はそのルビーを大切に持ち帰る。

寺院に臨時の納骨堂を作る作業をした井上隊長は、少年が、水島と同じ弾き方で「埴生の宿」を弾いているのを聴く。さらに、イギリス軍の慰霊祭の日に、一人だけ木箱を抱いている僧侶がいるのを目撃する。それは、橋ですれ違った水島そっくりの僧侶だった。井上隊長は、あのインコに“おーい、水島、一緒に日本に帰ろう”という言葉を教え始める。

映画『ビルマの竪琴』の結末・ラスト(ネタバレ)

井上隊長は、もしあの僧侶に会ったら、このインコを僧侶の肩に乗せて喋らせるつもりだった。その言葉を聞いても、僧侶が黙っているようだったら、自分も諦めると隊員たちに話す。

水島は納骨堂に預けた木箱のなかに、あのルビーを隠していた。それを取りにきた水島は、井上隊長が入ってきたのを見て、物陰に姿を隠す。隊長は木箱を見つけ、“水島はどんなに辛かっただろう”と独り言を言う。そして木箱の中にルビーが入っているのを見て、納骨堂を出ていく。物陰の水島は、隊長の言葉を聞いて咽び泣く。

水島は、ルビーを日本兵の魂だと信じ、大きな涅槃像の体内へ埋めにいく。偶然、井上部隊が、その涅槃像の前で合唱を始める。仲間たちの懐かしい歌声を聴き、水島は我慢しきれずに竪琴を弾き始める。その音を聞いた隊員たちは、大声で水島を呼ぶ。しかし見張り役に怒られ、収容所へ帰っていく。水島は泣きながら、仲間の姿を見送る。

3日後に日本へ帰国することが決まる。井上隊長は、“もし兄のインコを持っている僧侶に会うことがあれば、このインコを渡して欲しい”と言葉を仕込んだインコを婆さんに託す。仲間たちは、水島に届くかもしれないと考え、収容所の敷地内で合唱を続ける。

そして、帰国する前日。ついに収容所前に、二羽のインコを肩に乗せた僧侶が姿を現す。みんなは僧侶に向かって「埴生の宿」を歌う。そして僧侶となった水島は、竪琴で伴奏を始める。みんなはあの僧侶が水島であると確信し、“一緒に帰ろう!”と叫ぶ。水島は何も言わず、「仰げば尊し」を奏で始める。水島は泣いていた。みんなも黙ってそれを聴く。演奏を終えると、水島は深々と頭を下げ、その場から去っていく。みんなは必死で水島に呼びかけるが、水島は振り返ろうとはしなかった。

帰国の日。婆さんが水島のインコと手紙を持ってくる。井上隊長は、船上で水島の手紙を読んで聞かせる。水島は正式にビルマの僧侶となり、異国に散らばる同胞の屍を全て埋葬するという使命を自分に課していた。井上隊長は、一緒に日本へ帰りたかったであろう水島の心情を思い、言葉を詰まらせる。水島のインコは、“ああ、やっぱり自分は、帰るわけにはいかない”と叫んでいた。

映画『ビルマの竪琴』の感想・評価・レビュー

軍隊と言えば高圧的で洗脳されたイメージが強いが、中にはこうした人格者な隊長と清らかな兵士の部隊もあったのだろう。
収容所で人権侵害を受けることも無く、主題に専心して、心穏やかに観られる戦争映画だと思う。
荒涼とした大地に一人残った水島に注目が集まるが、ふと思い出す。
水浴び中に袈裟を持っていかれてしまった高僧が素っ裸で取り残されて、その後どうしたのか。
気の毒で仕方がない。(女性 30代)

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