映画『ブラック・スワン』あらすじネタバレ結末と感想

ブラック・スワンの概要:ニューヨークのバレエ団で『白鳥の湖』のプリマに選ばれた主人公の心理を描くサイコスリラー作品。主演のナタリー・ポートマンは、主人公ニナを演じるにあたって1年レッスンを受け、その演技が評価された。

ブラック・スワン あらすじネタバレ

ブラック・スワン
映画『ブラック・スワン』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

ブラック・スワン あらすじ【起・承】

ニューヨークのバレエカンパニーに所属するダンサーのニナは、人生全てをバレエに捧げていた。母エリカも元バレリーナで、自分がかなえられなかった夢を娘に託し、支えていた。

そんな中、次回公演の演目が『白鳥の湖』に決まり、フランス人監督のトマは団員の中から新たなプリマを選ぶと宣言。団の看板でもあったプリマのべスは、年を取り候補から外され、ニナとヴェロニカ、新しく入ってきたリリーらが候補に選ばれた。

ニナは全てバレエに注ぎ込んでいるだけあり、実力はあり白鳥を演じるのには向いていたが、官能的で悪い面を持つ黒鳥を演じるには足りないものがあった。結果、プリマはヴェロニカに決まるが、ニナは納得できずにトマに再考を頼みに行く。
自分をプリマにと懇願するニナに、トマは無理やりキスをするが、ニナは抵抗して唇を噛んでしまう。
トマは、ニナの可愛らしいだけの女の子ではない意外な一面を知り、改めてニナをプリマに決める。

ニナはプリマとして公表され喜ぶが、パーティの最中元プリマのべスが「トマを誘惑してその座を得たのだろう」と詰め寄り、その日自ら車に飛び込み重体となる。ニナは心を乱す。

トマはニナの意外な一面を知りプリマに選んだが、それはまだ一部に過ぎない。黒鳥を演じるためには性的喜びを知る必要があると告げる。

ブラック・スワン あらすじ【転・結】

プリマの座を射止めた喜びの反面、恐れ・焦りは大きかった。
プリマ候補として挙がっていたリリーは魅力的で、官能的な表現が上手く黒鳥に向いていた。
ある夜、リリーに誘われて行ったクラブで麻薬を使い、男性とセックスし、自宅にリリーを連れて帰り、部屋でリリーともセックスをする。
翌朝目覚めるとそこにリリーはおらず、急いで練習に向かうとそこには白鳥を踊るリリーが。ニナは「なぜ起こさなかったのか」と怒るが、リリーは昨夜男性と一夜を過ごしたという。リリーとの情事はニナの妄想だったのだ。

ニナは日を追うごとに精神的に追い詰められ、幻覚や妄想を見るようになっていた。
ニナは背中の傷を掻きむしる癖があり、掻かないようにしてもいつの間にか傷になっていることが何度もあった。
いよいよ公演までわずかという時、とうとうその傷から羽が生え、全身が黒い羽に覆われ、ニナは気を失う。

目覚めると、母は公演には出られないと連絡したと告げるが、ニナはそれを振り切り劇場へ急ぐ。
すでにリリーが白鳥役として準備をしていたが、「代役はいらない」と告げて急いで準備をする。

無事舞台に上がったものの、そこでも幻覚を見て、ミスをしてしまう。第一幕が終わり楽屋へ戻ると、そこには黒鳥の姿のリリーがいた。挑発されもみ合う内に、割れたガラスで彼女の腹部を刺してしまう。ニナは混乱しつつリリーの死体をその場に隠し、黒鳥を演じるために舞台へ。

舞台上のニナはまさに黒鳥そのもの。無事第三幕を終えて楽屋へ戻ると、彼女の演技を称賛しにリリーが訪ねてくる。
さっきのもみ合いはニナの幻覚だったのだ。隠した死体を確認しに行くとそこには何もなく、ガラスの破片は自分に刺さっていることに気付く。

混乱しつつ迎えた第四幕。
ニナは完璧に踊り切った。歓声を聞きながらニナはやり切った思いでいっぱいになり、意識は遠のいていく――。

ブラック・スワン 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2010年
  • 上映時間:108分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、ホラー
  • 監督:ダーレン・アロノフスキー
  • キャスト:ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル、ミラ・クニス、バーバラ・ハーシー etc

ブラック・スワン 批評・レビュー

映画『ブラック・スワン』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

ニナの心理描写の表現が素晴らしい

この映画を観る前は、『白鳥の湖』でプリマをやる主人公、というくらいしか知らず、なんとなくダンサーとしての成長とかダンサー同士の戦いとかそんな話なんだろうと思っていたけど全く違った。
確かに主人公ニナがプリマの座を得て、自分にないものを手に入れようと模索する、成長しようとする話でもあるが、それ以上にプリマとなった彼女の心の闇を描くことの方に重点を置いていると思った。

誰もがトップの座に憧れる。ニナはその地位を手にしたわけだが、それは恐れや焦りといった闇の始まりでもあった。
ニナは常に何かにおびえていた。魅力的で実力ある新人のリリーが一番のライバルであり、彼女に奪われまいと足掻く。何度も幻覚にリリーが現れ、時にはそれが自分自身になる。
ニナの精神状態を表現する演出はホラーでしかない。とにかく怖いけれど、バレリーナが極限の精神状態で舞台に挑むということがよくわかる。
ナタリー・ポートマンはこの作品でアカデミー賞主演女優賞を受賞している。一年ものレッスンで挑んだバレエもさることながら、プリマとしてのニナの内面を表現したことこそ素晴らしい。

ドキュメンタリーを観ているよう

『白鳥の湖』のプリマをめぐってのダンサー同士の戦い、そして自分自身の葛藤、成長を描き、成功をおさめてハッピーエンド。映画にするならこれだけで十分だが、観客の心を掴み、アカデミー賞作品賞を受賞するには不十分である。
そこに加わったのが、きれいごどだけではないバレリーナの内面を描くことだと思う。ニナの苦悩。誰かにプリマを奪われはしないかという恐れや、自分が黒鳥を演じきれるのかという焦り。そしていつかベスのようになってしまうのかという思いなど。常に重圧で押しつぶされそうな一人のプリマの精神を描いているので、フィクションというより一人のダンサーを追ったドキュメンタリーを観ているかのようで、そこに惹きつけられた。

ブラック・スワン 感想まとめ

ほとんど前情報やレビューなどを読まずに観たので、こんなにホラーな映画だったのかという驚きが大きかった。
平凡な人生では絶対理解できないであろうバレエダンサーの心理だったり、バレエに懸ける思いだったり、観た後しばらく呆然としてしまうほどの衝撃だった。
ニナの幻覚や妄想がとにかく怖くて、特に背中の傷から黒い羽が生えてきて全身を覆い尽くすまでになるシーンは気持ち悪くてこっちまで鳥肌が立つくらい。友人を刺し殺す幻覚を見た挙げ句、実際は自分自身を刺していたとか、そこまで精神が追いつめられてもなお手に入れたいものがある。それが、一つの役を演じたラストのほんの一瞬の達成感と喜びであっても自分の全てを懸けたいと思うダンサーの心を見ることができた。
正直何度も観たい作品ではないけれど、二度と忘れられないと思う。

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