『6才のボクが、大人になるまで。』あらすじ&ネタバレ考察・ストーリー解説

第64回ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞した『ビフォア・ミッドナイト』のリチャード・リンクレイター監督最新作。一人の少年の成長と家族の変遷を、12年かけて同じキャストで描くという画期的な方法で撮影されている。

あらすじ

6才のボクが、大人になるまで。』のあらすじを紹介します。

テキサス州に住んでいる6歳の少年メイソン(エラー・コルトレーン)は、キャリアアップのために大学で学び直したいと考えている母(パトリシア・アークレット)の意見に従い、妹さまんさと共にヒューストンに引っ越す。思春期に父(イーサン・ホーク)との再会や母の再婚、初恋など、様々な体験をし、環境の変化に耐えながら大人になっていった。母は大学で教鞭を取るようになり、家族には母の新しい恋人が加わっていた。父は夢を諦め就職し、再婚して新しい子どもを設けた。物語が描き出すメイソンの12年間は、波乱に富んでいた。メイソンは写真家になる夢をかなえるため、家族から離れ、自立する。

評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2014年11月14日
  • 上映時間:165分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:リチャード・リンクレイター
  • キャスト:エラー・コルトレーン、ローレライ・リンクレイター、パトリシア・アークエット、イーサン・ホーク etc…

ネタバレ考察・ストーリー解説

『6才のボクが、大人になるまで。』について、考察・解説します。※ネタバレあり

波瀾万丈

考えようとしてもなかなか思いつかないほど、メイソンの人生は波乱に富んだものでしたね。普通、あんな体験をしてしまったら、とてもまともな大人には成長できないようか気がするのですが、環境の変化に耐え、芸術家になるため旅立っていくメイソンの姿を観て感動しない人はいないでしょう。

実際に12年もかけて撮影を行ったスタッフには驚くばかりで、強烈なリアリティに満ちています。だって、エラー・コルトレーン実際に成長していくわけですからね。嘘は一切なし!イーサン・ホークとパトリシア・アークレットの老け方も変わりゆく街の姿も、全てがリアルです。長年暖め続けた企画を映画化する、というのはあまり珍しいことではないのですが、実際に10年かけて撮影を行うというのは、はるか遠くに見える富士山を目指して歩く旅人のような気持ちだったことでしょう。凄いです。スタッフの狂気にも似た意欲に作品としての面白さが負けていないというのもまた凄い。過去に戻って撮り直しができない分、通常の映画撮影以上に失敗は許されないわけですから、現場の雰囲気を想像すると恐ろしいです。和気藹々とした雰囲気の中に殺伐さが同居しているなんて……。お話はなにかを象徴的に描いているというわけではなく、ある少年の波瀾万丈な思春期をリアルに描き出しているといった感じ。近年まれに見る傑作であることに間違いありませんが、中盤の展開が刺激的すぎてついて行けない人も少なからずいるんだろうなぁと思います。上映時間も長いので、受け付けない人は少なからずいるんでしょうね。

まとめ

映画のリアリティは映画ごとに異なるわけですが、本作はまるで現実世界とリアリティラインを共有しているかのようなイメージを受けました。12年もかけて撮影されているわけですから、少年の人生の一部分どころではなく、重要な部分をばっちり目撃してしまった気まずさ、気恥ずかしさも感じられる当たりが他の映画との差を生み出しています。貴重な映画ですよ。絶対に観るべきだと思います。アメリカでは非常に高く評価されているのですが、日本では11スクリーンの上映にとどまっていることに憤りを感じますね。現代の「フランソワ・トリュフォーによるアントワーヌ・ドワネル映画」をたったの160分で体験することができるのですから、コストパフォーマンスはかなり高いのに。コスパコスパ。

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