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映画『ボローニャの夕暮れ』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『ボローニャの夕暮れ』の概要:繊細で情緒不安定な17歳のジョヴァンナは、あることがきっかけで友人を殺してしまう。父親のミケーレは「何があってもお前の味方だ」と娘に誓い、その約束を守り通す。父親役のシルヴィオ・オルランドと、娘役のアルバ・ロルヴァケルの演技が素晴らしい。

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映画『ボローニャの夕暮れ』の作品情報

ボローニャの夕暮れ

製作年:2008年
上映時間:104分
ジャンル:ヒューマンドラマ、戦争
監督:プピ・アヴァティ
キャスト:シルヴィオ・オルランド、フランチェスカ・ネリ、アルバ・ロルヴァケル、セレナ・グランディ etc

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映画『ボローニャの夕暮れ』の登場人物(キャスト)

ミケーレ(シルヴィオ・オルランド)
高校の美術教師。繊細で世間知らずなひとり娘のジョヴァンナのことを溺愛している。温厚で優しいので生徒からの人気も高い。何があっても娘を見捨てない。
デリア(フランチェスカ・ネリ)
ミケーレの妻。生きていくためにミケーレと結婚したため、夫や娘を心から愛せない。隣人のセルジョを愛している。
ジョヴァンナ(アルバ・ロルヴァケル)
ミケーレの娘。美人の母親にコンプレックスを持っており、精神的に不安定。自分のボーイフレンドを奪った友人を殺してしまう。
セルジョ(エツィオ・グレッジョ)
ミケーレの隣人であり長年の親友。警察官をしており、ジョヴァンナの事件後もミケーレ一家を支え続ける。妻はいるが、デリアに惹かれている。
マルチェッラ(ヴァレリア・ビレッロ)
ジョヴァンナの唯一の友人。叔父が上院議員をしている金持ちのお嬢様で、みんなから好かれている。ジョヴァンナのボーイフレンドを奪う。

映画『ボローニャの夕暮れ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ボローニャの夕暮れ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ボローニャの夕暮れ』のあらすじ【起】

1938年、イタリアのボローニャ。高校で美術教師をしているミケーレは、妻のデリアと17歳になる娘のジョヴァンナと3人で暮らしている。ジョヴァンナは、ミケーレの勤務する高校に通っており、ミケーレは内気な娘のことをいつも気にかけていた。

ある日、ミケーレは、ジョヴァンナがプレイボーイのアントニオという男子生徒と楽しそうに話しているのを目撃する。年頃のジョヴァンナにボーイフレンドが1人もいないことを心配していたミケーレは、娘の初恋を成就させてやりたいと思う。ミケーレは、落第しそうなアントニオに「努力すると約束するなら進級させてやる」と声をかけ、さりげなくジョヴァンナのことを頼んでおく。

アントニオに恋をしてからジョヴァンナは明るくなり、見た目にも気を使うようになる。友人のマルチェッラの誕生日パーティに招待されたジョヴァンナは、初めて仕立てたドレスを着て、化粧をして出かけていく。パーティにはアントニオも呼ばれており、ジョヴァンナは彼と踊るのを楽しみにしていた。ミケーレはこれをいい傾向だと思っていたが、デリアは精神的に不安定なジョヴァンナのことが心配だった。

その夜、ミケーレは電話で呼び出され、マルチェッラの屋敷にジョヴァンナを迎えにいく。ジョヴァンナは苦手なお酒をたくさん飲み、具合が悪くなっていた。パーティでは、アントニオが他の女の子と踊るのを嫌がって泣き叫び、彼は呆れて帰ってしまったらしい。ミケーレは、ジョヴァンナを優しく慰め、家に連れて帰る。

映画『ボローニャの夕暮れ』のあらすじ【承】

ミケーレ夫婦と隣人のセルジョが映画へ出かけた夜、帰宅したミケーレが声をかけても、ジョヴァンナが部屋から出てこない。洗面所には血のついたカミソリとタオルがあり、壁にも血痕が付着していた。ミケーレは胸騒ぎを覚える。

翌日、いつもはミケーレと一緒に家を出るのに、ジョヴァンナは先に学校へ行ってしまう。学校では、昨晩からマルチェッラが行方不明だと騒ぎになっていた。マルチェッラと仲の良かったジョヴァンナも、警察に呼ばれる。

その日、マルチェッラの他殺体が体育館の用具置き場で発見される。マルチェッラは背後から2箇所切りつけられ、衣服には精液が付着していた。マルチェッラの母親の兄はムッソリーニ政権を支持する上院議員なので、マルチェッラの家族は反体制派から脅されていた。そのため、警察は反体制派の犯行ではないかと推測する。ジョヴァンナの行動に一抹の不安を覚えていたミケーレは、セルジョからその話を聞いて安心する。

ところが、アントニオとマルチェッラが用具置き場を逢引の場所に使っていたことがわかり、アントニオが尋問を受ける。事件当日もアントニオはマルチェッラと逢引しており、現場にジョヴァンナが隠れているのを目撃していた。

ジョヴァンナは警察に連行され、犯行を自供する。ジョヴァンナの供述通り、自宅からは血まみれの衣服と靴も発見される。ジョヴァンナは、アントニオを奪ったマルチェッラの裏切りが許せず、自分はむしろ犠牲者だと主張していた。デリアは、娘にアントニオとの交際を勧めたミケーレをなじる。

娘のためを思ってしたことが裏目に出て、ミケーレは苦しむ。ミケーレは、どんなことがあっても娘を守るつもりで、留置所に足繁く通う。しかしデリアは、ずっと娘に必要とされていないと感じており、面会へ行く気になれない。デリアは義務感で夫や娘と家族でいたが、心から愛しているのは隣人のセルジョだった。

ジョヴァンナは、今でもアントニオが自分のことを愛しており、邪魔者のマルチェッラが消えたことを喜んでいると思い込んでいた。彼女の口からそれを聞いたミケーレは、純粋すぎる娘を不憫に思う。ジョヴァンナは、母親が面会に来ないことを気にしていた。

セルジョが紹介してくれた弁護士は、ジョヴァンナを心神耗弱で無罪に持ち込み、刑務所送致を免れる方針で準備を進める。ミケーレは職も失い、近所でも差別的な扱いを受けるが、娘のためだと思えばどんなことも我慢できた。ジョヴァンナは、裁判でアントニオに会えることだけを楽しみにしていた。

映画『ボローニャの夕暮れ』のあらすじ【転】

裁判の日、ジョヴァンナはきちんと化粧をし、あのドレスを着て出廷する。しかしアントニオは、被告人不在での証言を望む。ジョヴァンナは、退廷を嫌がって泣き叫び、これも全てマルチェッラの母親の差し金だと思い込む。しかしアントニオは、ジョヴァンナの一方的な恋心を迷惑がっていた。

マルチェッラの家族は重罪を望んでいたが、判事はジョヴァンナの精神状態は正常ではなく、罪を問うことはできないと判断する。そしてジョヴァンナは、裁判所付属の精神病院へ送られる。

その精神病院はレッジョ・エミリアという田舎町にあり、ボローニャからは随分遠い。それでもミケーレは汽車に乗り、頻繁にジョヴァンナの病院へ通う。ジョヴァンナは母親が来てくれないことを気にしていたが、ミケーレは嘘をついて娘を安心させてやる。

第二次世界大戦が始まり、ボローニャでも空襲が始まる。食料も配給制となり、生活は苦しくなる一方だったが、ミケーレはジョヴァンナの面会だけは欠かさずに続ける。

空襲が激しくなり、セルジョの家族も犠牲になる。デリアはセルジョが紹介してくれたタバコ店で働き始め、ミケーレの代わりに生活費を稼ぐ。ジョヴァンナの診察を続けてきた医師は、彼女が美人の母親と自分を比べ、劣等感を抱いていると分析する。ジョヴァンナはその医師に「母親は以前からよその男性に恋している」と話していた。ジョヴァンナはずっと前から、デリアとセルジョが惹かれあっていることに気づいていた。

レッジョ・エミリア行きの線路が爆撃され、ミケーレはジョヴァンナのそばに引っ越すことを決める。ミケーレはセルジョを呼び出し、自分たちに気を使わず、デリアと一緒になるよう勧める。ミケーレは、セルジョが自分に遠慮していることも、デリアが義務感で自分と一緒にいることもわかっていた。そしてデリアには手紙を残し、ジョヴァンナのそばに引っ越していく。

映画『ボローニャの夕暮れ』の結末・ラスト(ネタバレ)

ミケーレは農家の2階を間借りし、新しい生活を始める。長い病院生活で、ジョヴァンナの症状はむしろ悪化しているようだったが、ミケーレは根気強く娘を支え続ける。

数年が経過したある日、セルジョとデリアがミケーレを訪ねてくる。ミケーレは2人を歓迎し、近況を報告し合う。しかしデリアは相変わらず、ジョヴァンナの話はしたがらない。ミケーレはジョヴァンナに「母さんは仕事が忙しくて来られない」と説明していた。

1945年4月。戦争が終わり、ムッソリーニ政権は崩壊する。ファシストのセルジョは逮捕され、他の党員たちとともに銃殺刑に処される。

1946年、夏。ついにジョヴァンナが退院する。ミケーレはジョヴァンナを連れてボローニャに帰る。デリアとセルジョは消息不明になっていたが、ジョヴァンナには「母さんは仕事で別のところに住んでいる」と説明していた。

ジョヴァンナはどうしてもマルチェッラの母親と話をしたいと言って聞かず、ミケーロとともに彼女の屋敷を訪ねる。しかしマルチェッラの母親は、一方的にジョヴァンナを罵り続け、話を聞いてくれなかった。

それから7年後。ミケーレの献身的な支えと薬のおかげで、ジョヴァンナは随分元気になり、笑顔で外出できるまでに回復していた。

ある夜、映画館に出かけたミケーレとジョヴァンナは、見知らぬ男性と親しそうに腕を組んで歩くデリアを目撃する。ミケーレは「別人だよ」と言ってごまかそうとするが、ジョヴァンナは映画の上映中にデリアのところへ行ってしまう。しかしデリアは、ジョヴァンナのことを無視していた。

ミケーレはジョヴァンナの腕を引いて映画館を出る。すると、デリアも映画館から出てきた。無言で自分たちを見つめているデリアに、ジョヴァンナは「残念だけど家に帰るの、良かったら母さんも来ない?」と声をかける。デリアは何も答えなかったが、微笑みながら涙ぐんでいた。

それから1ヵ月後。デリアは2人のところへ戻ってくる。母親と娘の関係の修復には時間がかかりそうだったが、ミケーレは大丈夫だと確信していた。

映画『ボローニャの夕暮れ』の感想・評価・レビュー

精神不安定なジョヴァンナが恋心を抱いていたアントニオとのパーティー中に、親友のマルチェッラと逢い引きしていることを発覚し、マルチェッラを殺害してしまうシーンや、精神病院に入れられた後、父親のミケーレが献身的に介護をするシーン、母親のデリアとジョヴァンナの親子関係など、あっと驚くような事ばかりであり、とても惹き付けられた。最後に、かなり久しぶりに偶然デリアと会ったジョヴァンナとミケーレだったが、ジョヴァンナの一言がとても印象的であり、家族として改善していくシーンが頭の中で想像できた。(女性 20代)


アンバランスな印象が強く残る家族で、娘を溺愛する父親と娘に異常に冷たい母親の元で育った娘はなんだか痛々しい性格になっていたが、この家庭環境が妙にリアルに感じた。家庭の数だけ愛の形がありその家族にしか感じられないものがあるとは思ったが、家族の空気感を観ていると心が痛くなる作品だった。

終始暗い雰囲気で進んでいく展開になっているので、観る人によって好き嫌いが別れる作品になっていると思った。(女性 20代)

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