映画『ボヴァリー夫人とパン屋』あらすじネタバレ結末と感想

ボヴァリー夫人とパン屋の概要:2014年公開のフランス映画。田舎暮らしをもてあましているパン屋の男性が、越してきた隣人に愛読書のボヴァリー夫人との共通点を見つけ、妄想と現実の世界の中で楽しみを見いだしていく。

ボヴァリー夫人とパン屋 あらすじネタバレ

ボヴァリー夫人とパン屋
映画『ボヴァリー夫人とパン屋』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

ボヴァリー夫人とパン屋 あらすじ【起・承】

マルタンはここノルマンディーの緑豊かな村で、7年前パリから戻りパン屋を継いだ。
彼の趣味は文学作品を読むことで、とりわけ「ボヴァリー夫人」という、この辺りを舞台に描いた物語が好きだった。

ある日、マルタンの隣に英国人夫婦が越してきた。
夫はアンティークなどの修理などをし、妻はインテリア関係の仕事を担当している。
つたない英語で一生懸命「何かあればお手伝いしますよ」と親切に話しかけるマルタンは、彼らの名前を聞いて驚く。
ボヴァリーと言うのである。
しかも妻に関しては、ジュマ・ボヴァリーである。
マルタンの愛読書「ボヴァリー夫人」と同じ、この日からマルタンの中でジュマと小説のボヴァリーを重ね合わせていくようになる。

街に出てマルタンのパン屋に足を運んだ夫婦。
マルタンにパンの蘊蓄を聞かされながらも、あまりのおいしさに驚くジュマ。
覚え立てのフランス語はまだつたなかったが、日常会話が出来るくらいは伝わった。
それ以来パン屋での知り合いも出来、ジュマはマルタンのパン屋に通うようになる。

ボヴァリー夫人とパン屋 あらすじ【転・結】

村で一番の大きな屋敷には今は誰も住んでいない。
ここの主人が亡くなり、妻と法律家を目指す息子は家の権利はそのままに引っ越していった。
しかし最近息子が試験勉強に集中するため、一人で屋敷に戻ってきた。
彼の名はエルヴェと言い、俗に言う二枚目である
小さな村ではエルヴェとジュマが出会うことはたやすかった。

ある日、マルタンのパン屋の前に並ぶ屋台街で、エルヴェがジュマに声をかけている姿を目撃する。
マルタンは事のいきさつを、小説を読むかのように傍観しながら楽しんでいた。
この日を境にジュマとエルヴェは密会を繰り返すようになっていく。
経験の多いジュマの魅力に引き込まれたエルヴァ。
もう二人を止めることは出来なかった。

それを全て知っていたマルタンは、破滅を招いたボヴァリー夫人と同じ末路であることを予期し「もう終わりにした方が良い」と勝手にエルヴェが出したようにジュマに手紙を書いた。
それを呼んだジュマは泣き、エルヴェに連絡をとろうとするが繋がらない。
しかも夫のチャーリーもまた彼女に嫌気がさし、自宅から出て行ってしまった。

フランスで出来た知人に、人を紹介したいと呼ばれたジュマ。
それは昔付き合っていた男だった。
彼はパートナーと別れ、ジュマにせまってくる。
しかしジュマには全くその気が無かった。

ある日、ジュマから声をかけられたマルタン。
どうやらフランス語でかかれた手紙を翻訳して欲しいらしい。
そこでマルタンはジュマの家を訪れた
マルタンはボヴァリー夫人のようにならないで欲しかったからと説明するが、「自分は自由の身なのだ」、「幸せなのだ」とジュマは言った。

マルタンは店でパンを作り、カゴに入れてそっとジュマの玄関前においた。
たまたまジュマを訪ねて来た昔の彼氏が、そのカゴをジュマに渡す。

それから暫くしてマルタンは、ジュマの夫が家に急いで助けを求めに来るのが見えた。
一緒に行くとジュマはキッチンで亡くなっている。
傍らには昔付き合っていた男が立っていた。
ボヴァリー夫人もラストはヒ素を飲んで死んだのだ。

検死が終わり、死因がわかった。
窒息死だった。
何故窒息死だったのか。
マルタンのあげたパンが喉に詰まったことによる死亡だったと聞く。

葬儀の日。
マルタンはジュマの夫に謝罪をした。
自分のパンのせいだと。
夫は決してマルタンのせいではないと言い、事の一部始終を話した。

話はこうだ。
マルタンがパンを置いて帰宅後、昔の男が訪ねて来た。
再びやり直さないかとジュマに言い寄ったのだ。
ジュマはマルタンのパンをちぎっては頬張り、話をただ聞いている。
するとパンが喉につかえてしまい、苦しみ始める。
昔の彼氏は後ろから胃を激しく持ち上げ、何とかはき出させようとしていた。
そこに夫が帰ってくる。
後ろ姿を見て情事の途中だと勘違いした夫は、その男を殴る。
しかしその間にジュマは亡くなってしまったのだ。

その後、隣にまた新しい隣人が引っ越してきた。
息子は「ロシアから来た女性で、アンナ・カレーニアと言うらしい」と父に言った。
大不倫をした有名な文芸作品である。
マルタンは急いで隣に行くと、つたないロシア語で話しかけた。
しかし返ってきたのは流ちょうなフランス語。
それでも必死にアンナ・カレーニナに合わせて話し始めるが、実はこれは息子の悪戯だった。
正真正銘、フランス人の隣人だったのだ。

ボヴァリー夫人とパン屋 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2014年
  • 上映時間:99分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、ラブストーリー
  • 監督:アンヌ・フォンテーヌ
  • キャスト:ファブリス・ルキーニ、ジェマ・アータートン、ジェイソン・フレミング、イザベル・カンディエ etc

ボヴァリー夫人とパン屋 批評・レビュー

映画『ボヴァリー夫人とパン屋』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

笑ってしまうほどエロイ

この映画は見事にエロティシズムを追求している。
女性監督というだけあって、撮影の仕方や演出がこだわっていて繊細でもある。
そのためパン生地を作るシーン、蜂に刺されたシーンなど、嘘みたいな場所でセクシーさをアピールしてくるのが笑ってしまう。

もちろん性行為そのものの描写も激しく、しかしそれは美しく汚れのない物というイメージである。
指の動き、足の動き一つとっても絶対にエロさを出したかった監督は本当の意味でのアーティストなのだろう。

よく見るとストーカーの話

この映画は一歩間違えると恐い作品に変わってしまう。
マルタンは文学作品の中の人に当てはめてジュマを観察しているわけであるが、一歩間違えばストーカーである。
マルタンの中ではすでにジュマと言うよりも、ボヴァリー夫人そのものを見ているのだ。
結局自分が彼女に何かをするよりも、他の誰かとしていることを覗いている方が悪趣味だし気持ちが悪い。

コメディ要素たっぷり

この映画は何が狙いなのだろうか。
コメディを狙っているようにも思える。
ラストシーンは酷い、殺されているのかと思いきやまさかパンで窒息死するなど考えられない。

そして最後の息子の嘘も面白い。
それでもめげずにつきまとおうとしているマルタンも痛々しく、しかしユーモアたっぷりに描かれている。

全体を通すと不思議な作りの作品ではあるは、チャタレイ夫人の現代版なのかと思って見れば納得も出来る。

ボヴァリー夫人とパン屋 感想まとめ

よく分からない謎のジャンルの作品ではあったが、見て損はしない。
あらゆる角度から楽しむ事が出来る映画である。
だが子供向けでは無いので注意が必要。
極めて激しい情事の様子が描かれているからである。

このヒロインを演じた女優の女特有の嫌みも無く、爽やかにHである感じが女性にもうけるのではないだろうか?
いかにも嫌らしい女性だったら物語としてみる気にもならないが、この程度のものであれば芸術作品として理解できる。
フランスの新しい映画をぜひ楽しんで欲しい。

Amazon 映画『ボヴァリー夫人とパン屋』の商品を見てみる