映画『ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声』あらすじネタバレ結末と感想

ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声の概要:ダスティン・ホフマン主演の少年合唱団を舞台にした音楽ドラマ。少年達の歌声が素晴らしく泣けます。共演はギャレット・ウェアリング、キャシー・ベイツ。フランソア・ジラール監督の2014年米国映画。

ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声 あらすじネタバレ

ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声
映画『ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声 あらすじ【起・承】

シングルマザーの家庭に育ち、問題行動を繰り返していた少年ステット(ギャレット・ウェアリング)。彼は歌が上手だった。その才能を伸ばしてあげたいとスティール先生(デボラ・ウィンガー)は、国立少年合唱団を学校に招いた。

ステットに合唱団の入団テストを受けさせるためだったが、彼はやる気がなく入団テストを受けずに帰ってしまう。そんな彼を待っていたのは、母親が交通事故で死んだという悲しい知らせだった。

実はステットには、父親ジェラルド(ジョシュ・ルーカス)がいるのだが、妻子がおりステットと暮らすことが出来ない。そこで、スティール先生は、音楽の才能があるので寄宿舎に入れて、本格的に音楽を勉強させてはどうかと勧めるのだった。

ステットは、父親と国立少年合唱団付属学校へ向かった。そして、少年合唱団の指揮者を務めるアントン・カーヴェル先生(ダスティン・ホフマン)に会い、入団テストを受けた。

以前、入団テストをすっぽかされたカーヴェルは、礼儀を知らないステットを見て、才能はあるが入学は許可しないつもりだった。しかし、父親が小切手で1年分の学費を払うと言うので、協議の結果、入学が許可された。

”何も心配いらないよ。”と励まされるステットだったが、音楽教師のウーリー(ケヴィン・マクヘイル)から、”月に最低、10時間は勉強すること。予習は必ずすること。”と聞き、大変な学校に来てしまったと思う。

初級クラスに入ったステットは、ラファエロ・エイブラムスと同室になった。彼は、専用のステレオを持ち、自分以外の人が触ることを嫌がった。

合唱の授業が始まったが、ステットは楽譜を読むことが出来ず、発声にも苦労してしまう。ある日、構内の音楽堂で”40声のモテット「我、汝の他に望みなし」”を少年達が歌うのを聞いた。

それを聞き、感動したステットは、同室のラファエロに楽譜の読み方や音の取り方の基礎を教えてもらう。こうして、音楽の素晴らしさや表現力に目覚めてゆくのだった。

音楽教師のウーリーは、2人1組で歌う「ニスカ・バニャ」の授業で、ステットの才能に心を揺さぶられます。授業後すぐに、カーヴィル先生に電話をし、”ステットがいれば、公演は成功します!”と伝えるのだった。

才能を認めながらも、カーヴィル先生は、”ステットの態度がきちんとしなければ歌わせることはできない。”とウーリーに言う。

一方、父親ジェラルドは、娘の誕生日を祝いながら、ステットがどうしているのか気になってしまう。そこで、手紙の中におこずかいを忍ばせて送るのだった。

ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声 あらすじ【転・結】

ある日、カーヴェル先生の授業で、ステットは和音が1音抜けていることに気づきます。しかし、同室のラファエロはステッドの才能を妬み、彼の服を窓から落とした。

ステットへの羨望とイジメ。カーヴェル先生も彼の才能を認めてゆく。校長(キャシー・ベイツ)は、ステットにウーリーの授業で習ったことを聞かせてと言い、彼は「ピエ・イエス」を歌った。

校長もステットの歌声に感動し、上達したと誉めます。それでも、カーヴェル先生は、”態度が悪すぎるから、ツアーでは使えない!”と態度を変えないのだった。

クリスマス休暇を迎えても、ステットには帰る家がない。オーデションに向けての課題が渡され、それを黙々と練習した。新年を迎え、ツアー参加者を決めるオーデションが学内で行われた。

課題は、ブリテンの「子守歌」だったが、ステットは思う様に歌えなかった。そのむしゃくしゃした気分が、窓ガラスを割ったり、同室の子のステレオを壊わす原因になってしまう。

ある日、カーヴェル先生の個人レッスンを受けたステットは、姿勢や喉で歌うことを注意された。そして、”私のことも、この学校もなめている!やる気がないのなら、やめろ!”と叱られた。

ステットは、”やめない!”と答えた。音楽に触れ、歌う喜びに目覚めていたからだった。彼が部屋に戻ると、ツアーのために新しい制服が用意されていた。

公演ツアーのメンバーに選ばれたステットは、各地で歌を歌うことで経験を積んでゆく。ある日、イェール大学での公演前日。リード・ヴォーカルを務めるデヴォンが風邪をひいてしまう。

その代役にステットは選ばれ、「アン女王のアリア」を歌うことに!緊張する上、楽譜をデヴォンに盗まれてしまったステット。なんとか歌いきった息子を父親ジェラルドは家族と共に見守った。

ニューヨークでの復活祭コンサートが決まった。曲は「メサイア」を歌う。「メサイア」は高音が多く難曲だが、キーを変えずにハイDボイスが出れば、リード・ヴォーカルが務められるという。

だが、父親ジェラルドは息子ステットがリード・ヴォーカルを務めたことで自身の素性が表ざたになることを懸念して、学校を変えようとした。それをカーヴェル先生が止めるのだった。

ステットとデヴォンのライバル争いは激化していた。デヴォンは、パソコンからステットの情報を盗み出し、ステットの母親の前科歴をばらしてしまう。ステットは怒り、デヴォンを殴るのだった。

カーヴィル先生は、ステットを呼び、”この公演が、どれだけ重要だと思ってるんだ!”と叱った。続けて、”ジュリアード音楽学院でピアノを学んだが、教師に才能がないと言われてね。一発殴って辞めたんだ。”と話す。

”才能がないのは、あんたさ。”と冷ややかに返す、ステット。やがて、懲罰委員会が開かれ、退学かどうかが決まる日を迎えた。ステットは、これまでの無礼と暴力について謝まった。

そして、辞めたくないと音楽への情熱を訴えた。協議の結果、「メサイア」を無事、歌い上げることが重要課題だとされ、ステットは許された。

なんと、カーヴィル先生が、”ステットを退学処分にするなら、個人情報を盗んだデヴォンも同罪にするべきだ!私も辞めるから。”と言ったのだ。

「メサイア」を歌う公演前の練習で、カーヴィル先生は少年たちに語ります。”1年か長くて2年半だ。君たちの神秘的な声はいずれ消えてしまう。だが、君らには才能がある!大聖堂に立ったら、その場を感じろ!”と。

ニューヨークで行われた、復活祭の公演は感動的なものになった。ステットがリード・ヴォーカルを務め、「ハレルヤ」と歌うと天使が空から舞い降りたようだった。

その数週間後、ステットは声変りを迎えた。”ボーイ・ソプラノは神様に借りた声なんだよ・・。”とウーリー先生に慰められます。ステットはアルトに転向する道を選ばず、秋から海外の寄宿舎に転校することに。

”カーヴェル先生・・。”とこれまでのお礼を述べたいのだが、言葉にならない。
そこへ、ステットを迎えにきた父親ジェラルドの姿が。今後は、父と新しい家族の元で暮らすことになった。

ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2014年
  • 上映時間:103分
  • ジャンル:音楽、ヒューマンドラマ
  • 監督:フランソワ・ジラール
  • キャスト:ギャレット・ウェアリング、ダスティン・ホフマン、キャシー・ベイツ、エディ・イザード etc

ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声 批評・レビュー

映画『ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

人生の大切なことを歌に込めて

”ボーイ・ソプラノは、神様に借りた声なんだよ。”とステットに語るシーンがあるが、この素晴らしい音楽をいつまでも聴いていたいと思う。

この映画では、「闘いの賛歌」から「ミステリー・オブ・ユア・ギフト」まで全16曲が作品を彩り、特に音楽講堂で歌った”40声のモテット「我、汝の他に望みなし」やニューヨーク公演での「アン女王のアリア」や「メサイア」などが鳥肌ものの名曲です!

なぜ、これほどまでに少年の声に惹かれるのだろう?少年時代にしか出せない高音の響きの美しさや純粋な感情に包まれている感覚。人には、聞こえない音域さえも、実は耳に届いているというから不思議です。

孤独な少年が、良き師に出会い、優れた音楽性に目覚めてゆく本作は、予定調和な物語であるが、無駄なく美しい。指揮者であり指導者でもある、カーヴェル先生を演じるダスティン・ホフマン。

彼の演技は、常に少年達と呼吸し対話をしています。特に問題行動を取る少年に対しては、厳しくも温かく接してゆく。決して、自分の感情や願望を押し付けたりしない。

これまで、例えば「セッション」などスパルタ式の音楽指導がいいと思われていた風潮があったが、それはもう時代遅れなのだ。なぜなら、”水飲み場に馬を連れてゆくことはできても、飲ませることは出来ない”からだ。

お茶目で音楽好きな、名優ダスティン・ホフマン

アカデミー賞を2度受賞し、映画監督としても活躍する名優ダスティン・ホフマン。デビュー作「卒業」(68)から「ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声」(15)に至るまで秀作揃いです。

その中でも、アカデミー賞に輝いた「クレイマー、クレイマー」(79)と「レインマン」(88)の演技は忘れられません。本作では、俳優になる前に音楽を学んでいたというダスティン・ホフマンの経験も生かされています。

即興でピアノを演奏するシーンがあり、実際に演奏したそうです。その点に注目して観ると、ボーイ・ソプラノの歌声に加えてピアノも楽しめます。

また合唱シーンは、オペラなどの演出も手掛けたフランソワ・ジラール監督ならではのリアリティさが、迫力あるステージに仕上がっています。この映画を観たら、”天使の歌声”を聴きに行きたくなっちゃう!

音楽好きとしては、ダスティン・ホフマンが初監督した、「カルテット!人生のオペラハウス」(13)にも注目です!

ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声 感想まとめ

音楽の力を強く感じさせる作品だったと思う。指揮者兼指導者を演じる、名優ダスティン・ホフマンの柔らかく心に沁みる演技が、ボーイ・ソプラノの歌声と共にいつまでも残ります。

神様に借りた声、ボーイ・ソプラノ。変声期を迎えるまでの2年から3年の短い魔法のような時間。孤独な少年が、人生の師に出会い、音楽という表現を通じて成長してゆく様は、奇跡といってもいいほどの感動をもたらします。

音楽が好きな人はぜひ、”天使の歌声”を聴いてみて下さい。本作が映画デビューとなる、ステット役を演じたギャレット・ウェアリング。堂々とした演技で、挑むような瞳がいい。

映画と人生も、1つの作品。自由に羽ばたくには、恐れずに挑戦し愛し続けること。歌にも人生にもこんなに泣ける作品はない!

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