『戦場にかける橋』あらすじ&ネタバレ考察・ストーリー解説

第二次大戦中、タイのクウェー川に掛ける鉄橋を日本軍と英国軍、米軍の捕虜が共同で建設を進めていく話を、戦争が持つ残酷さも絡めて描かれた映画。1957年公開の英米合作映画。主演はウィリアム・ホールデン、アレック・ギネス、早川雪舟 ピエール・プール原作の同名小説を監督のデヴィッド・リーンとカール・フォアマン、マイケル・ウィルソンが脚色。 

あらすじ

戦場にかける橋』のあらすじを紹介します。

1943年の第二次大戦只中のタイとビルマの国境付近に日本軍管轄の捕虜収容所があった。第十六捕虜収容所と呼ばれるその場所には、連合国軍のアメリカ海軍中佐のシアーズとニコルソン大佐率いるイギリス軍捕虜1隊が収容されていた。その捕虜収容所を統括する日本軍の責任者は斎藤大佐だった。斎藤は捕虜たちを広場に整列させ演説をぶつ。曰く「収容所付近にある泰緬鉄道を、バンコクとラングーン間を結ぶ為にクウェー川に鉄橋を掛ける。よって将校も含めた捕虜全員に労役を義務付ける」というものだった。また「孤島のジャングルから脱走などという無駄な事は考えるな」と忠告した。大佐のニコルスンは「ジュネーブ協定に反する」と抗議するが受け入れられなかった。ニコルソンは英国軍人の矜持を保つためにあくまで将校の労役を拒否し、斎藤はそんなニコルソンを独房に閉じ込めてしまう。

斎藤とニコルソンの意地の張り合いともいえる対立が始まったが、米海軍中佐のシアーズは脱走困難と言われた収容所の脱走を図る。

九死に一生を得たシアーズは奇跡的に脱走に成功し、イギリス軍傘下の軍病院に保護された。シアーズは米軍少佐に現地に戻りクウェー川鉄橋の爆破作戦に加わるよう指示される。実はシアーズは階級を偽っており、実際は2等兵だったのだ。偽証罪を見逃してもらう交換条件でシアーズは再び捕虜集所付近へ戻ることになる。
一方ニコルソン大佐と斎藤大佐の心理戦は続いていたが、鉄橋工事遅延の状況を何とか挽回したい斎藤はニコルソンに譲歩して、恩赦を与えイギリス軍捕虜の工事作業の指揮をニコルソンに任せることにした。日本軍とイギリス軍の共同作業が本格的に始まった。

評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★☆☆☆
  • ストーリー:★★☆☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★☆☆☆☆

作品概要

  • 公開日:1957年
  • 上映時間:155分
  • ジャンル:アクション、ヒューマンドラマ
  • 監督:サム・スピーゲル
  • キャスト:アレック・ギネス、ウィリアム・ホールデン、早川雪洲、ジャック・ホーキンス etc…

ネタバレ考察・ストーリー解説

『戦場にかける橋』について、考察・解説します。※ネタバレあり

CGではない鉄橋の破壊シーンが迫力満点!

フランスの作家ピエール・プールが実際に戦争中に捕虜として体験したことをベースとした物語ということだが、捕虜と日本軍が共同で橋を架けるという話はフィクションである。実際に戦時中このような橋の建設を日本軍は行ったが、設計から主な工事はすべて日本軍の手で行われ、捕虜は単純作業のみ手伝わされたようだ。クウェー川という名も架空で、実際はメークロン川という名だったが、映画の大ヒットのおかげでクウェー川と改名された。またテーマ曲のクワイ川マーチは誰でも知っいるスタンダードとなった。

何といってもCGなど無い時代の作品だけに、壮大なセットと実写の迫力に圧倒される。第二次大戦中を舞台としているが、派手な戦闘シーンは無く、脱走時の格闘シーンや鉄橋爆破時の戦闘シーンがあるのみで、あとは斎藤大佐とニコルソン大佐の軍人同士のプライドを掛けた精神的戦い、アメリカ軍の作戦の内幕が展開される話が主体となる。

ニコルソン大佐の頑固一徹な軍人魂が、最後には斎藤大佐も工事を遅らせないためとはいえ一目置くことになり、橋を完成させるという共通の目的の元、徐々に気持ちを通い合わせる流れになるが、演じている早川雪舟はとても旧帝国軍人には見えないし、この時代の英米の日本の描き方は、日本人からみると中国と勘違いしているような演出なので、今の目から見ると笑ってしまうようなセットときれいごとが多く古色蒼然たる印象が強いのはやむを得ない。更に米軍のシアーズらが鉄橋の爆破のために地上から攻撃を掛けるが、鉄橋爆破ならば空爆で事足りる。実際にも空爆で破壊された。上げ足を取るつもりはないが、テーマが戦時中に敵同士が共同で鉄橋工事に挑む話なので、事実に基づいては映画にならないから脚色されたのだろうが、それではテーマそのものが説得力を失う。壮大なセットと豪華なキャスト、世界中でお馴染となったテーマ曲などはアカデミー賞受賞作に相応しい価値は備えているが。

まとめ

戦争映画というものは制作された時代によって、演出やテーマ、歴史認識や新たな事実や見方も変わってくるので、制作された時代背景も踏まえてみる必要があるかも知れない。「荒鷲の要塞」や「大脱走」など戦争を背景にしながらストーリーは純然たるエンタテイメントのような映画は例外だが、ヒューマンドラマ的要素を備えたテーマものは、時代によってそぐわなくなってくる内容もあるのはやむを得ないと思う。英国軍捕虜が主体となって鉄橋工事を遂行したというメインテーマ自体がフィクションでは戦争は歴史事実なので、映画が訴える力は薄まってしまう。この映画自体は名作だと思うし、脚本や映像、俳優が悪いわけではない。今の感性から見ると説得力を欠く内容と思わざるを得ない。

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