映画『クロッシング(2009)』あらすじとネタバレ感想

クロッシング(2009)の概要:ニューヨーク・ブルックリンを舞台にした、リチャード・ギア&イーサン・ホーク&ドン・チードル主演のクライム・サスペンス。正義とは何か?と問い続ける3人の生き様を見よ。「イコライダー」(14)のアントワン・フーワク監督作品。

あらすじ

クロッシング
映画『クロッシング(2009)』のあらすじを紹介します。

ニューヨーク、ブルックリン。3人の警官エディ、サル、タンゴの決して交わらない物語。定年まであと1週間というところで、新人警官の教育係を命じられてしまったエディ(リチャード・ギア)。彼は、妻と離婚し、孤独な心を娼婦を抱くことで癒していた。
喘息持ちの妻と2人の子供を持つ、家族思いのサル(イーサン・ホーク)。彼は敬虔なクリスチャン。家族のために家を持つ事を夢みていたが、お金がない。金のために強盗殺人を繰り返すようになってしまう。そして、警官タンゴは潜入捜査官。ギャングのボス・キャズ(ウェズリー・スナイプス)に心酔するあまり、2重生活が辛い。

エディは、担当した新人警官に黒人少年発砲事件を起こされてしまう。”現場に俺が残るべきだった”と激しく後悔します。定年後、お気に入りの娼婦に会いに行く。”コネチカットで一緒に暮らそう”と言うもののすげなくされてしまう。
署内で見た行方不明者のサリー・フェアラーの写真。エディは、サリーと似た女性の姿を街中で発見。彼女を救うために彼らのアジトへ潜入することに。彼女を救うことができるのか?

サルは、喘息持ちの妻と2人の子供、これから生まれる双子のために引っ越しを考え中。しかし、金に困り、強盗殺人を繰り返す日々。教会で罪を懺悔するが、”正義のために殺した。欲しいのは神の許しではない”と言い放つ。殺しすぎてすさんでいく心と体。
一度は相棒にお金を奪うところを見られてしまい、危いところをギャングの残党を撃ち殺すことでなんとかその場を繕った。ある日、単独で捜査中のアジトへ向かう。異常な様子を心配した相棒がサルの後を追うが、既にサルは死亡していた。

タンゴは、ギャングの組織で潜入捜査中。組織のボスや仲間に心を寄せるが、捜査との狭間で悩む。ある日、組織の仲間をサツに売ったと疑われ、半殺しの目に遭ってしまう。警察側はキャズを殺し、それに激怒したタンゴはキャズを売った仲間を殺すため、アジトへ向かう。
仲間を殺し、最後に警官だったと告白するタンゴ。しかし、タンゴもまた、サルを追ってアジトに現れた、サルの相棒によって撃たれてしまう。

クロッシング 評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2009年
  • 上映時間:132分
  • ジャンル:サスペンス
  • 監督:アントワーン・フークア
  • キャスト:リチャード・ギア、イーサン・ホーク、ドン・チードル、ウェズリー・スナイプス etc

クロッシング ネタバレ批評

映画『クロッシング(2009)』について、感想批評です。※ネタバレあり

イーサン・ホークのヤサグレ感は必見!これがNYPD(ニューヨーク市警察)だ!

決して交わることのない3人の刑事の物語。邦題「クロッシング」という題名からは、3人の刑事の人生が関わって1本に繋がるかのような印象を受けますが、とても哀しい運命が待ち受けています。その意味でも、邦題ではなく原題でも良かったのではないでしょうか。原題は、「BROOKIYINS FINEST」(ブルックリンの警官)。
原題の良さを生かして欲しかったと思います。本作の見どころは、イーサン・ホークのヤサグレ感です。家族思いで敬虔なクリスチャンという表の顔と、金のために強盗殺人を繰り返す男を荒々しく演じています。特に背中からのアングルを観ると、派手なタトゥや傷がいっぱい。また殺人を重ねるたびに凄みが増してゆきます。

誰もが持っている心の闇は、何を正義か信じるなかで混沌としてゆきます。本作は人物描写が素晴らしい。イーサン・ホークは、その端正な顔立ちから、内省的な役柄が多いのですが、本作の汚れ役だが苦悩する姿に共感できると思います。イーサンのファンにはたまらない作品です。

第3の男~ドン・チードルの魅力

次に潜入捜査官タンゴをみてゆきましょう。一番温厚で仲間思いの彼が、警察と組織との二重生活の中で苦しみます。警察から無理な要求を実行するように言われ、組織の中では内通者ではないかと疑われてしまう。恐怖と友情、正義の先にあるものは?タンゴ捜査官を演じるドン・チードルは、実話が基になった「ホテルルワンダ」(04)の演技が高く認められた俳優。

本作でも存在感は光っているのですが、イーサン・ホークやリチャード・ギアと比べると若干、弱い感じが否めません。黒人への差別や銃社会の恐怖が本作を観ると、リアルに感じられます。主演3人の演技に誰もが注目するでしょうが、アントワン・フークア監督が本当に描きたかったのは、”黒人差別の現実”ではないでしょうか。警官が職務だと称して、簡単に市民へ銃を発砲する現実がとても恐ろしくてたまりません。

ドン・チードルの魅力は、繊細な演技と優しい瞳だと感じました。人を次々と殺す人物にはあまり見えないのだけどなぁ。そのギャップにこの映画の本質があるように思えます。

クロッシング 感想まとめ

ニュースで度々、黒人が白人警官に発砲・射殺された事件を耳にしますが、それがアメリカの現実なのだと改めて、悲しくなります。本作は、その問題もからめつつ、3人の警官の生き様を激しく描いています。画面がとても暗くて狭くて、3人の心の闇から容易に抜け出せそうにありません。残念なのは、暗すぎてタンゴ捜査官の表情がよく見えない点。

それでもきらりと光る瞳が印象的です。やっぱりなんといっても本作の主役はイーサン・ホーク!ヤサグレ感が半端なく、凄みを感じます。それは、殺人という罪を重ねた男の持つ色気や悲哀感が止まらないから。イーサンの新しい魅力を発見できますよ。そしてイーサン・ホークの最新作は、2015年10月公開予定の「ドローン・オブ・ウォー」。ぜひご期待下さい。

Amazon 映画『クロッシング(2009)』の商品を見てみる