『キャバレー(1972)』あらすじとネタバレ映画批評・評価

キャバレー(1972)の概要:「キャバレー」(原題 : Cabaret)は、1972年のアメリカ映画。主演は名女優ジュディ・ガーランドの実娘であるライザ・ミネリ。同年の第45回アカデミー賞で、主演女優賞、助演男優賞、監督賞など、オスカー8部門を獲得した。

キャバレー

キャバレー あらすじ

映画『キャバレー(1972)』のあらすじを紹介します。

ナチスが台頭してきた1930年のベルリン。明日のスターを夢みるアメリカ人のサリー(ライザ・ミネリ)は、キット・カット・クラブというキャバレーの舞台に夜な夜な立っていた。

ある日、ロンドンから語学生ブライアン(マイケル・ヨーク)が、彼女のアパートに部屋を探しに訪れ、サリーの部屋に間借りする形で越してくることになった。ブライアンはサリーから紹介を受けたドイツ人フリッツ(フリッツ・ウェッパー)に英語を教えることになる。やがてブライアンの英語の生徒に、美しい娘ナタリアが加わった。フリッツはナタリアに熱を上げ求婚した。その一方でサリーとブライアンの前に、金持ちでハンサムなマクシミリアン男爵が出現し、奇妙な友情が生まれようとしていた。男爵は二人に豪華なプレゼントをして自らの城に招待する。サリーは男爵夫人になるチャンスがあることを知ったが、ブライアンも男同士でありながら男爵の恋人だった。

サリーを愛するブライアンはヤケを起こし、街のナチ党員と喧嘩をし怪我をするが、その枕元でサリーは男爵がアルゼンチンに永住するという電報を送りつけてきた事をブライアンに告げ、揉め事の元凶は解決する。その後サリーは妊娠をブライアンに告げ、初めは子供が出来る喜びに二人とも浮かれていたが、彼女は自らの将来を考え中絶してしまい、その行動に怒りを隠せないブライアンに、彼女は自分が育児に向いていないと告げる。

サリーの傷ついた心を知ったブライアンはベルリンを去る決心をし、二人の別れは爽やかに訪れた。去ってゆくサリーの後ろ姿を見て、ブライアンはサリーを心から愛していることを知る。傷心のサリーは抱えた過去の全てを吹き飛ばすように、自分の人生を託した「キャバレー」を熱唱する。

キャバレー 評価

  • 点数:95点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:1972年
  • 上映時間:125分
  • ジャンル:ミュージカル、コメディ、ラブストーリー
  • 監督:ボブ・フォッシー
  • キャスト:ライザ・ミネリ、マイケル・ヨーク、ヘルムート・グリーム、ジョエル・グレイ etc…

キャバレー 批評 ※ネタバレ

映画『キャバレー(1972)』について、2つ批評します。※ネタバレあり

アール・ヌーヴォー時代のイメージにピッタリのライザ・ミネリ

本作はミュージカルという枠でなく、舞台女優の日常をドキュメント的に描いた新しいミュージカルの試金石だった。従来のミュージカルのように音楽と歌を一体化させ、役者側から一方的に観る者へ訴えるというスタイルではなく、ステージを観客席から眺めるという客観的なカメラワークのスタイルが、この映画のライヴ感を演出している。したがってミュージカルと思って観た人は普通の映画を観ているようにしか見えないのだが、これも時代背景で映画の在り方が変わりつつあったところだろう。ミュージカルが苦手という人にも、取って付けた感が排除されたこのスタイルなら親近感が持てるかも知れない。キワモノ的なステージシーンもどこかアメリカ映画的な部分は少なく、ヨーロッパの雰囲気を上手く醸し出しており、ライザ・ミネリの出で立ちにしても1930年代のモダニズムを思わせるノスタルジックなスタイルが強調され、アール・ヌーヴォー全盛の時代にピッタリと嵌っている。登場人物も不思議とみな魅力的だ。

ライザの親孝行

1972年という年はフランシス・フォード・コッポラの「ゴッドファーザー」が封切りされ大ヒットを飛ばした年でもある。「ゴッドファーザー」の興行収入は他の作品に大差を付け、二位の「ポセイドン・アドベンチャー」に倍以上の差を付ける収入を得た。しかし売り上げは「ゴッドファーザー」に遠く及ばないものの、「キャバレー」は作品としての評価が高く、アカデミー賞を「ゴッドファーザー」と二分する勢いだった。ライザの母親であり若くして世を去ったジュディ・ガーランドが、ノミネートはされたものの受賞は成し得なかったオスカーを獲得した孝行娘である。「母を殺したのはハリウッドよ」と語ったライザもまたハリウッドでスターになったという皮肉な話ではある。

まとめ

大きなタレ目で鼻が高いライザの顔は決して美人とは言えないかも知れないが、その特徴だらけの顔が実にチャーミングに見える。役の中でとは言うものの、自らをアバズレと呼び、早口でまくし立てる姿はミュージカルスターにあり得なかった姿だろう。明るいヒロインを演じながらもピエロのようなメイクの表情に、ピエロの持つ物悲しさも漂い、映画デビュー二作目ながら演技派女優としての凄みさえ窺わせているのは、やはり母親の遺伝子によるものなのだろう。

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