映画『カポーティ』あらすじネタバレ結末と感想

カポーティの概要:作家トルーマン・カポーティが『冷血』を書き上げるまでの姿を描いた2006年公開のアメリカ・カナダ合作映画。フィリップ・シーモア・ホフマンは今作で第78回アカデミー賞主演男優賞を受賞した。

カポーティ あらすじネタバレ

カポーティ
映画『カポーティ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

カポーティ あらすじ【起・承】

1959年、アメリカ・カンザス州の田舎町で一家4人が惨殺される事件が発生した。

新聞記事で概要を知った作家のトルーマン・カポーティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、犯人が見つかっていないこの事件に興味を持つ。

『ティファニーで朝食を』などですでに有名人だったカポーティは、同じく作家のハーパー・リー(キャサリン・キーナー)を助手として同行させ、現地取材に向かう。

当初は現地の住人や警察に煙たがれるカポーティだったが、捜査官デューイの妻が彼のファンであったことや、ハーパーの取材能力が高かったことが幸いし、事件の深部に近づいていく。

そんな中、犯人逮捕の一報がカポーティに届く。犯人は、被害者と面識のない若い男の2人組、ペリーとディックだった。

カポーティはこの2人に深く関心を抱き、特に、内に孤独を秘めたペリーに興味を持っていた。

そしてカポーティは、ペリーを直接取材するうちに、自分と似たものを彼に感じ始める。

カポーティ あらすじ【転・結】

ペリーの取材を続けるカポーティは、母親に捨てられたという自分と同じ過去を持つ彼に共感し、2人の間に友情が芽生え始める。だがペリーは事件当日のことだけは語ろうとしなかった。

そんな中、ペリーとディックに死刑判決が下る。

カポーティは彼を救うため、そしてなによりも本の執筆のため、優秀な弁護士を雇って控訴させる。カポーティは、それまでになかったノンフィクション小説というジャンルを開拓しようとしており、すでに『冷血』というタイトルも決めていた。

控訴が受理されたペリーだったが、なおも事件当日のことを語ろうとしないため、カポーティは書ける部分から執筆を始める。

その後、未完成の『冷血』から一部を抜粋した朗読会を行ったカポーティは、高評を得たことにより作品を早く完成させたいという想いが強くなる。

だが何度かの控訴によって、ペリーの死刑執行は延期されていた。

友を救いたい反面、作品を完成させたいカポーティは早期の死刑執行を望むようになる。

何度も死刑執行が延期し苛立つカポーティだったが、ペリーが事件当日のことをようやく語り始める。

事件当日、当初は現金目的で一家が暮らす家に押し入ったペリーとディックだったが、怯えた表情の家主を見て自分が行ったことに恥を感じたペリーは、その恥をかき消すかのように衝動的に殺人を犯してしまう。そして、そのまま一家を皆殺しにする。

事の成り行きを聞いたカポーティは再び執筆を始め、そしてついに、死刑執行の日が決まる。

待ちわびていたはずだったが、その日が近づくにつれて虚無感を味わうカポーティ。

最後の面会でペリーと話したカポーティは友との別れに涙を流す。そして、友が絞首刑によって絶命する瞬間を目の当たりにする。

『冷血』を書き上げ世間から賞賛を受けた彼が、その後作品を世に生み出すことはなかった。

カポーティ 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2005年
  • 上映時間:114分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、伝記
  • 監督:ベネット・ミラー
  • キャスト:フィリップ・シーモア・ホフマン、キャサリン・キーナー、クリフトン・コリンズ・Jr、クリス・クーパー etc

カポーティ 批評・レビュー

映画『カポーティ』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

カポーティがそこにいる

2014年に46歳という若さでこの世を去ったフィリップ・シーモア・ホフマン。彼は今作でアカデミー賞主演男優賞を受賞した。

ハリウッドでも一目置かれるほどの実力を持った彼が今作で挑んだのは、世界的に名を知られた作家トルーマン・カポーティ。

『冷血』以降、作品を完成させることがなかった彼が、いかにして最後の作品を書くに至ったかが描かれている。

その内容にも惹きつけるものがあるが、特に目を奪われたのがフィリップ・シーモア・ホフマンだ。

息遣い、少し舌足らずな喋り方、指の動かし方や歩き方。その動作の一つ一つが繊細で、まるでカポーティがその場にいるかのような錯覚に陥る。かなりのシーンでアドリブもあったというから驚きだ。

演技というよりは、憑依に近い感覚。評価に値する、いやそれ以上の感動を観る者に与えてくれる。

ハリウッドは本当に惜しい人を失ってしまったと思う。

色味と重み

冒頭。開放的な印象を与えるはずの田舎町の風景は、どこか重たく、息苦しさを感じる。

その重たさは冒頭だけでなく全編を通して感じることで、作品の色味を統一させようとした意図が汲み取れる。

登場人物たちが身につける物や小物にも明るい色の物を使っていないことからもそれが分かる。

フィルムの色調も白と黒が強調されるよう編集されていて、当時カポーティの目に写っていたであろう時代の重みや周囲の色味が徹底的に再現されている。

そこに、本人と見紛うフィリップ・シーモア・ホフマンがいるわけだがら、本当に当時撮られたものではないかと、一瞬だけだがそう思ってしまう。

再現しようとする制作者の意図と、表現しようとする演者の本能がうまく掛け合わされた作品になっている。

カポーティ 感想まとめ

「フィリップ・シーモア・ホフマンがすごい。」稚拙だが、今作の感想はこの一言に尽きる。

作品のために死刑を望む自分と、友の命を救いたいという自分との間で葛藤するカポーティ。そこに世間の倫理観が介入する余地はない。殺人犯だからとか、そういったことは一切考えていない。あくまで私的。殻に籠り、自分の価値観の中でもがき続ける。作家とは得てしてそういう人種なのかもしれない。

そんなカポーティの冷たさの中にある暖かさのようなものが、ありありと伝わってくる。

ラストで流した涙は予定外のものだったと言われているが、もしかするとあれはカポーティの涙かもしれない。

本当に、フィリップ・シーモア・ホフマンがすごい。

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