映画『カストラート』あらすじネタバレ結末と感想

カストラートの概要:バロック時代、変声期前の美しい歌声を維持するため去勢された実在のカストラート歌手ファリネッリの生涯を描く。1994年公開。イタリア・ベルギー・フランスの合作映画。

カストラート あらすじネタバレ

カストラート
映画『カストラート』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

カストラート あらすじ【起・承】

カルロ・ブロスキとリカルド・ブロスキの兄弟は、熱心な父親に促されオペラ指揮者のポルポラに音楽の指導を受ける。父親は平凡な兄のリカルドと天性の美しい歌声を持つ弟のカルロにコンビを組ませ、一心同体で売り込もうとする。しかしカルロは目の前でカストラート歌手が自殺するのを見てから、歌うことに恐怖を覚えていた。

1722年のナポリ。成長したカルロ(ステファノ・ディオニジ)はリカルドの作曲したオペラを歌うカストラート歌手になっており、兄弟は女性も必ず共有するほど一心同体だった。カルロは高名な音楽家であるヘンデルにロンドンの劇場で歌うチャンスをもらうが、兄のリカルドはいらないと言われ、ヘンデルに歯向かう。

数年後、カルロはファリネッリという名で劇場デビューし、すぐに大人気となる。彼の歌声には女性を失神させてしまうような魅力があり、あちこちの劇場から招待状が届く。リカルドは常にカルロの側にはりつき、弟の成功を我が事のように喜んでいた。そんな中、ヘンデルからドレスデンの劇場へカルロのオペラを観に行くという手紙が届く。

カルロは作曲家として兄よりもヘンデルの方がずっと優れていることを知っており、さらに自分を去勢したのは兄だということにも薄々気づいていた。しかしリカルドはカルロが病気になり、その後落馬したせいでこうなったのだと説明しており、カルロはその話を信じ込もうとしていた。その葛藤がカルロを苦しめ、彼はヘンデルの前で倒れてしまう。

カストラート あらすじ【転・結】

1734年、カルロとリカルドは貴族オペラを上演するポルポラの劇場の窮状を救うため、ロンドンへ渡る。カルロのおかげでポルポラの劇場は大盛況となり、その影響でヘンデルの劇場が破産寸前まで追い込まれる。

しかしカルロは作曲家として未熟な兄のオペラより、ヘンデルのオペラを歌いたいと思っていた。カルロの願いに気づいていたアレクサンドラという女性が、ヘンデルの楽譜を盗んでくる。さらにアレクサンドラを巡ってカルロとリカルドは対立し、カルロは兄から離れ始める。

カルロは周囲の反対を押し切り、ポルポラの劇場でヘンデルのオペラを歌う。ヘンデルはリカルドが自分の成功のために弟に阿片を飲ませ去勢したという事実をカルロに伝え、カルロを破滅させようとする。しかしカルロの歌を聴いている途中で急死してしまう。

1740年。カルロはアレクサンドラとスペイン王・フェリペ5世の宮殿にいた。王室歌手となったカルロをリカルドは3年かけて捜し出し、再び一心同体になろうと説得する。しかしカルロは自分を去勢した兄を許せず、その申し出を拒む。リカルドは絶望し自殺を図るが、一命を取り留める。

回復したリカルドは、昔のようにカルロとアレクサンドラを共有し、彼女は妊娠する。そしてカルロに人並みの人生を返してやろうと、自ら姿を消す。カルロは兄との共作であるアレクサンドラの妊娠を心から喜ぶ。

カストラート 評価

  • 点数:55点/100点
  • オススメ度:★★☆☆☆
  • ストーリー:★★☆☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★☆☆☆
  • 設定:★★☆☆☆

作品概要

  • 公開日:1994年
  • 上映時間:106分
  • ジャンル:伝記、音楽
  • 監督:ジェラール・コルビオ
  • キャスト:ステファノ・ディオニジ、エンリコ・ロー・ヴェルソ、エルザ・ジルベルスタイン、カロリーヌ・セリエ etc

カストラート 批評・レビュー

映画『カストラート』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

あまりにもわかりにくい設定とストーリー

少年時代の美声を保つため去勢された男性のオペラ歌手はカストラート歌手と呼ばれ、バロック時代のヨーロッパ各地で人気を博したらしい。本作はそんなカストラート歌手の中でも最も有名なファリネッリの生涯を描いている。

300年近い昔の話だし、ヨーロッパの貴族社会やオペラ文化に馴染みが薄いのでわかりにくかった面もあると思うが、それにしてもストーリーそのものがものすごくわかりづらい。

特にカルロたちがロンドンへ行ってからの人間関係が、いろいろと謎すぎた。アレクサンドラやマーガレット夫人や身体の不自由な息子のベネディクトが登場するが、この人たちは一体何なのだろう…と理解できないまま話は進む。さらにヘンデルがなんであそこまでカルロを憎んでいたのかがわからない。カストラート歌手なんて邪道だということだろうか?なんだかカルロの歌声に呪い殺されたような死に方も謎だったし。

一番わからないのは去勢されているはずのカルロが女性に欲情しまくることで、一体どういう仕組みになっているのか、さっぱりわからない。子種はないけど、性行為はできるということなのだろうか?クエスチョンだらけで申し訳ないが、本当にわからないので仕方がない。誰かに解説をお願いしたいくらいだ。

オペラシーン

見どころはやはりオペラなので、話はよくわからなくてもいいじゃないか、とも思ったのだが、肝心のオペラシーンにそこまでの迫力を感じなかった。

ファリネッリが実際に歌った音域を歌えるオペラ歌手は現在存在しないので、撮影当時の最新技術を駆使してカストラート歌手の歌声を再現したそうなのだが、やはり生歌の迫力には負ける。ストレートに歌われているオペラというのは、それこそ全身鳥肌が立つような凄さがあるので、そこの圧倒感までは出し切れなかった印象が残る。

それからあの白塗りの顔と変な被り物にはどうしても違和感を感じてしまう。実際にああいういでたちで歌っていたのかもしれないが、ちょっとコントのようで顔がニヤついた。全体に不思議な演出で、空気感が怪しい。それがカストラートっぽいと言われれば、そんな気もするのだけど、どうもいろいろと引っかかることが多すぎた。

カストラート 感想まとめ

なんとも言い難い妙な映画で、かなり混沌としていた。毎回兄弟で一人の女性とエッチをするという変態ぶりもすごかったが、それに燃えている女性側もすごい。しかも最後のオチまでその部分が使われ、兄の子種で弟の嫁が妊娠する。“共作の成果だ”なんて言われても、何のこっちゃと突っ込まざるをえない。

カストラートというシステム自体が常軌を逸しているのでこんな雰囲気の映画になったのかもしれないが、ここまでエロを追求しているとは完全に予想外。本当に何がやりたかったのかよくわからない映画で、最後は笑ってしまった。どこまでが真実で、どこからが脚色なのかは知らないが、本当に史実に基づいて作られたなら、当時のヨーロッパはかなり狂っている。すごい世界。そういう意味ではちょっと面白かった。

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