映画『クライマーズ・ハイ(2008)』あらすじとネタバレ感想

クライマーズ・ハイ(2008)の概要:2008年公開の日本映画。横山秀夫による小説が原作で、1985年に実際にあった日本航空123便墜落事故を題材に群馬県にある新聞社の記者たちが命懸けで取材をする物語である。堤真一、堺雅人、尾野真千子の共演で話題を呼んだ。

クライマーズ・ハイ あらすじ

クライマーズ・ハイ
映画『クライマーズ・ハイ(2008)』のあらすじを紹介します。

1985年8月12日、群馬県御巣鷹山で日本航空始まって以来の未曾有の航空大事故が起こってしまった。
この日群馬県にある北関東新聞社の記者である悠木(堤真一)は、友人の安西と登山の約束をしていたが予定をキャンセルして仕事に戻る。

仕事場に戻ると社内は騒然としていた。
その中で今回の事故の全権を一任されることになった悠木は、初めてのことにただ戸惑い新情報が入ってくるのを待つのみだった。

場所の特定など次第に明らかになって来た時、佐山(堺雅人)ら記者を事故現場に向かわせることに。
しかし墜落現場は御巣鷹山の中。
歩くのも困難な上、残骸があちらこちらに散らばっていて悲惨な状況だった。
しかしプロ根性で取材を敢行、生の現場の状況をと写真を撮ることにも成功し下山することにする。
しかし携帯電話など無いこの時代に、取材の連絡は下山後になる。
狭山らの努力虚しく、翌日の朝刊には間に合わなかった。
このことで悠木と記者たちは焦りと苛立ちでぶつかりあうようになっていく。
そこへ新聞を印刷する営業部とも折り合いがつかなくなり、社内の雰囲気は悪くなってしまった。

記者たちが一番気になっているところ。
それは墜落事故原因だった。
悠木は再び佐山を派遣し、事故調査委員会を調べさせる。
これには前回の失敗を考慮して、新聞を制作するタイムリミットを設けていた。
佐山は自らの経験から独自に取材を敢行する。
そして機体後部の破損が原因ではないかという貴重な証言を得ることが出来た。

新聞の降版に間に合い、悠木にその旨を伝えた佐山。
しかし悠木は特ダネだと思いつつ、不確かな情報を新聞に載せるわけにはいかないと朝刊には載せなかった。
こうして悠木の長い夏は終わった。

この事故を任されたとき登山の約束をしていた安西は、間もなく過労で死んでしまった。
事故の取材を通して様々な思いを巡らせた悠木は、亡き友人の約束を安西の息子と果たそうと山に登る。
そして思う。
忙しくて会えていない海外にいる息子にも会いにいってみようかと。

クライマーズ・ハイ 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:2008年
  • 上映時間:145分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、ミステリー
  • 監督:原田眞人
  • キャスト:堤真一、堺雅人、尾野真千子、高嶋政宏 etc

クライマーズ・ハイ ネタバレ批評

映画『クライマーズ・ハイ(2008)』について、感想批評です。※ネタバレあり

類を見ない緊迫感漂う撮影技術

元々実際に起こった航空事故が題材とうこともあり、緊迫しないわけもない。
始まってからすぐにこの映画の流れに引き込まれてしまう。
本作品の緊迫感の秘密。
それは内容ももちろんだが、撮影の仕方が独特なのだ。
普通メイン俳優が演じている時、エキストラや俳優が出演していても周りに目を奪われてしまうほど派手な動きはしない。
しかしこの作品は違う。
メイン俳優が話している時でも、周りは本当の新聞記者かのようにそれぞれの仕事をしているのだ。
場繋ぎや雰囲気ではない。
明らかに仕事をしているのである。
そのためどこからのアングルで見ても、本当の新聞社にいるような緊迫感を得られる。
これは監督の手法らしく、それぞれの俳優に新聞記者としての仕事を与え一斉に仕事をさせる。
それを様々な角度からカメラで撮影し、繋げていくというものである。
つまらなくなりそうな新聞社のシーンが実は一番見ごたえがある仕上がりになっていた。

俳優の演技力

本作品の出演陣はとにかく実力がある。
主演の堤真一は当たり前だが、堺雅人が驚異的だ。
雄鷹山から帰ってきた時のやつれた病的な彼の顔は忘れられない。
また、社に勤める遠藤憲一、でんでんなど魅力ある個性派俳優のおかげで演技力に差の出ない安定した映画を作り上げている。

航空事故のリアルな悲劇

この映画の原作は、作者である横山秀夫が実際に上毛新聞に勤めていた頃に遭遇したリアルな話を書いている。
飛行機事故自体はもちろん忘れることができないくらいの大惨劇であったが、本作のリアルな悲劇といえばやはり取材に回った新聞記者といえるかもしれない。
劇中にもあったがこの航空事故の裏側を調べることで精神的におかしくなったり、人間不信になったりとその描写は生身の人間そのものの姿。
その演技力と構成力、演出力全てにおいて人間というものが見事に描かれている。

クライマーズ・ハイ 感想まとめ

本作を観た時の衝撃といったら凄まじかった。
こんなに映画の中の人物が俳優という枠を超えて、本当に現実世界でそのまま生きているのではないかという錯覚を覚えた作品は無い。
そのくらい演出やカメラワーク、俳優の演技力にもこだわりぬいた結果と言えるだろう。
主演の堤真一演じる主人公の、心の弱さとそれに対する信念を持ち合わせた複雑な人間性を繊細に描いていることでよりドラマに厚みを持たせている。
本作で存在感を確実なものにした堺雅人も最高である。
新聞記者としての強さと仕事に対する真面目な姿勢を演じることに成功し、一躍時の人となった。
この二人の演技バトルとも言えるシーンも見どころの一つである。

日本人が忘れることが出来ない未曽有の航空事故。
デリケートな問題を扱った映画としては仕上がり十分、誰もが納得する完成度の高い作品となっている。

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