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映画『カラー・オブ・ハート』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『カラー・オブ・ハート』の概要:テレビのリモコンをきっかけに、1950年代のテレビドラマに入り込んでしまった双子。世界は白黒で人々は決められた工程を繰り返して毎日を過ごしていた。不自然な世界に投げ込まれた双子は、それぞれも成長しつつ世界をカラーに彩っていく。

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映画『カラー・オブ・ハート』の作品情報

カラー・オブ・ハート

製作年:1998年
上映時間:123分
ジャンル:ファンタジー、ヒューマンドラマ
監督:ゲイリー・ロス
キャスト:トビー・マグワイア、リース・ウィザースプーン、ジョーン・アレン、ジェフ・ダニエルズ etc

映画『カラー・オブ・ハート』の登場人物(キャスト)

デイヴィッド(トビー・マグワイア)
高校生男子。引っ込み思案でオタク。ジェニファーとは双子の兄妹。内に籠ってばかりで、外へ出る一歩が踏み出せない。
ジェニファー(リース・ウィザースプーン)
おしゃれで今時の女子高生。デイヴィッドのことをいつもバカにしている。双子の兄妹。教養がなく、すぐに誰とでも寝てしまうような軽さがある。
ジョージ・パーカー(ウィリアム・H・メイシー)
デイヴィッドとジェニファーの父親役。町の重役をしており反対派の一員となる。本心を隠し、今までの生活を守ろうとする。
ベティ・パーカー(ジョアン・アレン)
デイヴィッドとジェニファーの母親役。主婦で良妻賢母だったが、実は夫ジョージとの間に夜の営みがないことを悩んでいた。ビルに惹かれ家出してしまう。
ビル・ジョンソン(ジェフ・ダニエルズ)
バーガー店の店主で人が好い。絵を描くことが趣味で才能がある。デイヴィッドと接するうちに自由意思を持ち、バーガー店経営よりも絵を描く方へシフトしていく。
スキップ(ポール・ウォーカー)
バスケット部主将。ジェニファーが成り代わったメアリー・スーに恋をしているが、ジェニファーから身体を合わせることを教えられ、学生たちにそのことを広める。自由意思の良さが分からず、反対派に与する。

映画『カラー・オブ・ハート』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『カラー・オブ・ハート』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『カラー・オブ・ハート』のあらすじ【起】

デイヴィッドとジェニファーは双子の兄妹。両親は離婚しており、2人は母親に引き取られ育てられた。現在、高校生である。デイヴィッドは引っ込み思案で白黒テレビドラマ「プレザントヴィル」のオタク。対してジェニファーはおしゃれに気を遣う今時の女子高生で、デイヴィッドをバカにしている節があった。それでも兄妹仲はさほど悪くなく、何かと言い争いはあるものの仲良く暮らしていた。

ある週末、母親が恋人と旅行へ行ったため、家には双子しかいなかった。2人は週末を自由に過ごせるチャンスを見逃すまいと、それぞれに予定を立てる。
だが、時間寸前にテレビの取り合いとなり、リモコンを巡ってひと騒動。誤ってリモコンを壊してしまう。しかし、そこへタイミングよく電気屋がやって来る。デイヴィッドと話した電気屋は彼を気に入り、特別なリモコンを渡して帰るのだった。

双子は渡されたリモコンを巡り、再び奪い合いを始め謎のボタンを押してしまう。気が付くと2人はなんと、テレビの中へ入っていたのだった。
奇しくもそこは「プレザントヴィル」。双子は登場人物の兄妹メアリー・スーとバッドに成り代わってしまった。
しかも、テレビに映った電気屋を怒らせてしまい、ドラマの中でしばし時を過ごすことになってしまう。

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映画『カラー・オブ・ハート』のあらすじ【承】

ドラマの中は常に白黒で、決まった時間に決まった工程をこなすだけの世界だった。全てが決まっており、人々は同じ毎日を繰り返して過ごしている。デイヴィッドはドラマのオタクであるため、おおよその流れを知っているが、ジェニファーはまるで知らなかった。

ドラマに入って1日目。2人は流れに沿ってそれぞれに過ごすも、中の人々とは価値観が違う上に彼らが知らないことも知っている。その晩、ジェニファーはバスケット部の主将スキップと寝てしまい、デイヴィッドはバイト先のバーガー店の店主ビルの工程を変えてしまう。

その日から少しずつ、白黒であった世界に色が付き始める。自由意思が白黒からカラーへと容貌を変化させたのだ。変化のない世界に双子という一石を投じることによって、言動や行動がドラマの物語と世界に影響を及ぼし、争いもなく理想的な世界に変化が訪れ、ドラマとは違った流れを作り始めるのだった。

最初は双子と同年代の若者達に変化が起こる。純粋で俗世を知らない彼らはジェニファーの影響を受け、次々に色付いていく。そうして、ジェニファーは母親役のベティに悩みを解消する方法を教えてしまう。ベティの目覚めはドラマ内の風景にまで影響を及ぼし、家の前の木に火を点けてしまうのだった。デイヴィッドは消防士をどうにか動かし消火活動。消防士達は消火の仕方さえ知らず毎日、猫の救助ばかりしていたのであった。

このことにより、デイヴィッドは町から栄誉賞を授与。一躍町の英雄となった。そして、若者達に聞かれるまま、外の世界があることを話してしまう。

映画『カラー・オブ・ハート』のあらすじ【転】

変化は白黒からカラーになる他にもあった。それまで白紙ばかりだった図書館の本に、内容が刻まれ始めていたのである。
しかし、カラーになった人々が街に増えるにつれ、古参の大人達はこれを危ぶむ。自分達の役割を捨て、心のままに住民が行動したら町がめちゃくちゃになる。ジョージもその反対派の一派に与することになった。そのため、カラーになったベティは夫の前に出ることができない。そんな彼女をデイヴィッドは化粧をすることで白黒に見えるようにした。

デイヴィッドはドラマの物語を変えてはいけないと思いつつ、ビルに絵画の本を見せてやった。彼の趣味は絵画を描くことである。ビルは感動して閉店後に絵を描くことに夢中となった。

自分を取り巻く周囲の人々を手助けすることで、徐々に心の変化が訪れるデイヴィッド。以前、声をかけてくれた女子にデートを申し込み、了承を得ることに成功。喜び勇んで帰宅したが、テレビから電気屋が話しかけてきてそろそろ帰れと言う。彼はこのままでは帰れないと言い、電気屋の話を断った。

部屋へ行くとジェニファーが珍しく読書をしていた。彼女はなぜ自分達がまだ白黒であるのかを考えていたようだが、それはデイヴィッドにも分からなかった。
デイヴィッドはデートへ向かい、ベティは家出をしてビルの元へ。ジェニファーは自宅で読書にのめり込む。ジョージが帰宅しても、出迎えもなく夕食もない。パーカー家は家族がバラバラになってしまった。
その時、今までに一度も降ったことのない雨が降る。世界が変化している決定的な証拠であった。

雨が降ったことで、反対派一派は断固たる行動を決意。集会を開くことにした。
集まった住民は白黒の人々ばかり。彼らはカラーになった住民に対し、怒りをあらわにした。
同じ頃、自宅にいたジェニファーをスキップが遊びに行こうと誘いに来る。しかし、彼女はそれを断り勉強を優先させた。このことによりジェニファーは翌朝、カラーになる。

映画『カラー・オブ・ハート』の結末・ラスト(ネタバレ)

ジョージと仲違いし、家を出たベティ。ビルの元へ身を潜める。集会の翌朝、ビルの店の窓にはベティをモデルにした絵が描かれていた。白黒の住民達はその行為に憤懣し、彼の店を破壊。その夜には図書館の本が焼き出された。
更には反対派から新たな規定が発表され、カラーの住民達は差別を受け阻害されるようになる。

白黒の住民に絡まれていたベティを助けることで、自らの心を開放したデイヴィッドがカラーになる。パーカー家の妻と兄妹は他のカラー住民達とビルの店に集まり、白黒の住民が出した規定に耳を傾けた。
規定はカラー住民を非難し、抑制するものだった。一同は肩を落とすも、デイヴィッドは諦めない。彼はビルの手を借り一晩かけて、警察署の壁にプレザントヴィルの現状を描いた。

そのせいでビルとデイヴィッドが拘留され、町では前代未聞の裁判が執り行われることになった。デイヴィッドは全ての罪を認めるも釈明で悪意がないことと、この世界が不自然であることを力説。
そして、ジョージに対し言葉をかけ、本心を認めさせることで彼をカラーにした。
デイヴィッドは更に裁判官へと対抗。誘導することで指導者でもある彼の本心を引き出す。裁判は無効となり、世界の全てに色が戻った。

その後、勉強する楽しさを知ったジェニファーは、プレザントヴィルの世界に残ることを決意し大学へ進学。デイヴィッドは現実世界へ戻ることにした。

ベティと別れ、現実世界へ戻ったデイヴィッド。自宅には旅行に行った母親がなぜか帰宅していた。彼は泣いている母親を慰める。
プレザントヴィルでは人々が生き生きと暮らしていた。ストーリーから逸脱した世界では、もうこの後の展開は読めない。これからは自由に人間らしく暮らしていくのだ。

映画『カラー・オブ・ハート』の感想・評価・レビュー

トビー・マグワイアにリース・ウィザースプーン、そしてポール・ウォーカーが出演しているこの作品は「カラー」の現実世界と1950年代の「モノクロ」のテレビの中の世界を分かりやすく表現していて、「モノクロ」の世界に送り込まれてしまった双子が色を取り戻そうとするストーリーです。
「色」と言ってもモノクロをカラーにするだけで無く、この作品では色=自由と捉えています。縛られた生活を送るモノクロ世界の住人たちが、決まりきった生活に少しずつ違和感を感じ、自由を目指す姿は思わず応援してしまいました。(女性 30代)


何気ない”色”にハッとさせられました。物語の中は決まったイベント以外起こらない世界で、その世界を色で例えると”白黒”、もっと言えば光の濃淡だけで成り立ってしまう。面白い設定だなと思いました。感情が揺さぶられると色が生まれ、伝播していく表現が素敵で、作品を観ている側にとっても色が新鮮に映ります。恋人池に向かう道中の、白・黒・ピンクだけで表現された桜が舞う演出が非常に美しかったです。

帰らない選択をした妹を許す点だけが引っかかりました。突然の行方不明ですから、大騒ぎになりますよ(笑)(男性 20代)


白黒映画の中に入ってしまった二卵性の双子がそれぞれに成長しつつ、世界に色を与えていき心と感情を解き放つという内容。白黒の世界では全てが決められた世界で決められた時間に決められた行動を取らなくてはならない。そんな中、双子の行動や言動で少しずつ作品に色が増えていく様子がとても秀逸。世界が色づくというのはこんなに鮮やかなのかとはっとさせられる演出だった。ある意味、当たり前のことが本当は当たり前じゃなかったのだと気付かせられる。内容的には少々、ファンタジックでミュージカルのような印象が強く分かりやすい。難しい内容ではないからこそ、色づいた時の覚醒する感じがより浮き彫りになったようにも思える。そんな演出が光る作品だ。(女性 40代)

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