クリスマスに観たいおすすめ映画ランキング10選 | MIHOシネマ

クリスマスに観たいおすすめ映画ランキング10選

上位の2本は、家族で楽しめるハートフルなファンタジー。残りの8本は、神聖なるクリスマスということで「心が洗われるような映画」をテーマに選んでみた。もし寂しいクリスマスを過ごしていても、良質な映画に触れると心は満たされる。それが映画の魔法なのだから。

クリスマスに観たいおすすめ映画ランキング10選

第1位 トイ・ストーリー3


1995年に公開された「トイ・ストーリー」では、子供だったアンディがウッディやバズをはじめとするおもちゃたちと楽しく遊んでいた。2015年に公開された本作では、すっかり成長したアンディが、大学進学を機に実家を出ることになり、おもちゃたちは自分たちの行く末を心配している。

ウッディたちおもちゃとって、持ち主のアンディと一緒に遊べることが最高の喜びなのだが、彼らはもう長いことダンボールの中に放り込まれて寂しい思いをしている。彼らが運ばれた保育園は、そんなおもちゃでいっぱいだ。クリスマスプレゼントでおもちゃをもらった子供たちに“おもちゃだって大事にすれば喜ぶし、乱暴に扱うとこんな風に悲しむのよ”と教えるのに、これほど最適な映画はない。

さらにこの映画の素晴らしいところは、単に子供向けのファンタジーで終わらず、ヒューマンドラマとして非常に秀悦な作りになっていること。クライマックスからラストシーンにかけて、思わず涙ぐんでしまう人は多いはずだ。子供とはまた違った部分で、大人はこの作品に感動する。

詳細 トイ・ストーリー3

第2位 チャーリーとチョコレート工場


原作は、数々のユニークな児童文学を発表しているロアルド・ダールの「チョコレート工場の秘密」。それをファンタジー界の巨匠ティム・バートン監督が実写映画にした。

この作品の魅力は、何と言っても楽しい映像と音楽にある。主人公のチャーリーが暮らす傾いた家も、ウォンカのチョコレート工場も、ウォンカの発明するお菓子も、とにかくハイセンスで可愛らしい。工場内で、ウンパ・ルンパが繰り広げるポップなショーにも心が踊る。ウォンカを始めとする各キャラクターに、適度な毒気があるのもいい。

ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」も素敵な映画だが、全体の雰囲気は、むしろこの「チャーリーとチョコレート工場」の方が、家族で過ごす楽しいクリスマスには、しっくりくるような気がする。

詳細 チャーリーとチョコレート工場

第3位 ニュー・シネマ・パラダイス


さて、ここからは神聖なクリスマスの夜にぴったりの、心が洗われるような映画を紹介していきたい。まずはジュゼッペ・トルナトーレ監督の名作「ニュー・シネマ・パラダイス」。

シチリア島の小さな村で暮らす少年トトは、映画に魅せられ、映写技師のアルフレードからそのノウハウを学ぶ。アルフレードはトトを我が子のように可愛がり、広い世界へ出て行くように仕向ける。その後トトは、映画監督として成功し、アルフレードの訃報を聞いて30年ぶりに故郷へ帰省する。そこでアルフレードからの形見を渡される。

物語はもちろんだが、映像も音楽も一流で実に心地いい。全編を通して映画愛に満ち溢れており、映画ファンにとっては美しい宝物のつまった宝石箱のような作品だ。そして、何と言ってもラストシーンの秀悦さ。何気なくラストシーンだけ見ても、毎回泣ける。約3分間に凝縮されたロマンと郷愁、そしてアルフレードの愛情…。美しいという言葉以外に表現方法が見つからないが、とにかく美しい。

詳細 ニュー・シネマ・パラダイス

第4位 イル・ポスティーノ


イタリアの小さな島で、漁師の父親と不毛な日々を送っている青年マリオ。ある日、祖国を亡命した高名な詩人パブロが、島へ移住してくる。パブロ専属の郵便配達員となったマリオは、生まれて初めて詩を読み、詩人の心に触れていく。

この作品の大きなテーマは、“心の目を持てば、世界は一変する”ということだ。マリオにとって、生まれ故郷の島の風景は、色あせたつまらないものだった。しかし、詩人の心を理解し、心の目で世界を見ると、見慣れた風景がキラキラと輝き始め、マリオの心を揺さぶる。そして彼は、自分の言葉でその感動を伝えることに大きな喜びを見出す。

マリオを演じたマッシモ・トロイージは、シャイなマリオの変化を、繊細に演じきっている。彼は脚本にも参加しており、この作品を完成させることは、彼の悲願だった。心臓病を患っていたマッシモ・トロイージは、撮影終了の半日後にこの世を去った。この作品は、マッシモ・トロイージから私たち観客への最高の贈り物だ。この映画を見るたびに、私は心ある人間として生きることの喜びを教えてもらう。

詳細 イル・ポスティーノ

第5位 善き人のためのソナタ


ドイツがベルリンの壁によって東西に分断されていた頃の東ベルリン。東ドイツを支配する共和党は、厳しい監視体制を引いて、言論や表現の自由を弾圧していた。国家に忠誠を誓う諜報員のヴィースラー大尉は、大臣の命令で劇作家ドライマンの自宅の盗聴を開始する。

主人公のヴィースラーは、非常に寡黙なロボットのような男で、友人や恋人もいない。諜報員としては最適の人材なのだが、彼の人生は寒々としている。そのヴィースラーが、芸術家の生活を覗き見し、美しい音楽や恋人同士の情熱的な愛情表現に心を動かされ、人間らしい感情を取り戻していく。

アパートの屋根裏で盗聴をしていたヴィースラーが、ヘッドホン越しにドライマンの奏でる「善き人のためのソナタ」を聴き、胸を震わせるシーンがある。この時、ヴィースラーを演じたウルリッヒ・ミューエは、じっと座ったまま、一言も言葉を発せず、ヴィースラーの震えるような感動と喜びを表現する。彼の表情を見ているだけで、こちらの目頭まで熱くなる。そしてラストがまたいい。最高に救われる。

詳細 善き人のためのソナタ

第6位 ライフ・イズ・ビューティフル


第二次世界大戦時、グイドと幼い息子のジョズエは強制収容所に送られる。妻のドーラは女性専用の収容所に送られてしまい、ジョズエは母を恋しがる。そんなジョズエに、グイドは“これはゲームだ”と説明し、点数制のゲームを開始する。父親の大きな愛情に守られ、ジョズエは収容所でも笑顔を失わず、毎日を楽しむ。

ナチスの強制収容所と聞けば、非常に重苦しいイメージしかない。しかし、本作に陰鬱な暗さはない。必死で息子を守ろうとする父親の愛情と、父親の提案したゲームを無邪気に楽しむ息子の笑顔が、暗闇に希望の光を灯し続けてくれる。監督と脚本(共同)も務めている主演のロベルト・ベニーニは、陽気で心優しいグイドになりきり、私たちを笑わせてくれる。彼の滑稽な仕草やおしゃべりで笑っていると、私たちもこれが残酷な収容所での虐殺を描いた作品だということを時々忘れてしまう。

最後の最後まで、息子の笑顔を守りきったグイドの姿は神々しい。泣けるけれど、なぜか胸に温かいものが残る。グイドの人生を讃えたいと心から思う。これほどペーソスの漂う喜劇は、そうない。

詳細 ライフ・イズ・ビューティフル

第7位 セントラル・ステーション


リオの中央駅で手紙の代書人をしている独身中年女性のドーラ。彼女は母親を亡くした少年ジョズエを、父親のもとへ連れていくことになり、2人で長距離バスに乗り込む。本作は1998年公開のブラジル映画で、世界各国で多くの映画賞を受賞した名作。

ドーラが他人のジョズエを父親のもとへ連れていくと聞けば、とてもいい人に思うかもしれない。しかしドーラはかなり心の荒んだ女性で、ものすごく嫌々ジョズエの旅に付き合う。そのため悪態をつきまくっており、さっさと自分だけリオへ帰ろうと考えている。そんなドーラが少しずつジョズエに愛情を感じ始め、母親のような顔になっていく。ずっとドーラを警戒していたジョズエも、ドーラの変化により子供らしい表情を取り戻していく。その流れがとても自然で、いやらしい演出が全くない。

人は、愛しい存在ができると優しくなる。113分の中で、刺々しいおばさんだったドーラが、どんな風に変化していくのかを見守ってほしい。見終わった後、自分の中にも優しい気持ちが芽生えていることに気づくだろう。

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第8位 遥かなる山の呼び声


北海道の中標津を舞台に、傷害致死事件を起こして逃亡している指名手配犯と、何も知らずに彼を牧場で雇うことになった未亡人とその息子の交流を描く。指名手配犯役に高倉健、未亡人役に倍賞千恵子を迎え、山田洋次監督が大人の恋を切なく綴っている。

幸福の黄色いハンカチ」ほどの派手さはないが、この作品もしみじみと心に染み入るような名作だ。1年の時間経過がある物語なので、北海道の四季も味わえる。吉岡秀隆、渥美清、武田鉄矢に加えて、ハナ肇が気のいい地元の男を好演している。

この作品の見どころは、なんといってもラストシーンにある。列車の中で繰り広げられる5分弱のシーンで、高倉健と倍賞千恵子が直接言葉を交わすことはない。しかしこのシーンは、数ある恋愛映画の中でも5本の指に入る珠玉のラブシーンといっていいだろう。甘い囁きも抱擁もキスもないが、最高に切ない。

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第9位 アバウト・シュミット


定年退職を迎え、退屈な日々を過ごすウォーレン・シュミット。追い討ちをかけるように妻に先立たれ、その生活は荒み切る。何もかもが嫌になったウォーレンは、オマハの自宅を飛び出し、トレーラーハウスで、一人娘の暮らすデンバーへと旅立つ。しかし娘にも冷たくあしらわれ、娘の結婚相手の実家でも散々な目にあう。

クリスマスに、初老を迎えた孤独なおじさんの映画など見たくないと思われる方も多いかもしれない。しかしこの作品は、基本的にコメディであり、主演を務めるのは、あの名優ジャック・ニコルソンなのだ。演技達者なジャック・ニコルソンが、親父の哀切を切々とコミカルに演じており、なんとも味わい深い。さらに、「ミザリー」でオスカー女優となったキャシー・ベイツが、豊満だけど全然いやらしくない全裸を、堂々と披露している。

しかしながら、この映画の真骨頂は最後の1分にある。この瞬間を見守ったあなたは、あたたか〜い気持ちでとクリスマスの夜を過ごせるだろう。

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第10位 12人の優しい日本人


最後の作品は、大笑いしながら癒されるという素晴らしいコメディ。ゆるゆるだけどサスペンスちっくな展開も楽しめる懐の深い作品。

無作為に選ばれた12人の陪審員が、元夫をトラックに突き飛ばして殺害したとされる若い女性の評決を出すことになる。彼女は無罪なのか、それとも有罪なのか。あれこれと議論しているうちに陪審員たちの個人的な人生観や感情が絡み出し、結論は二転三転。だんだん収集がつかなくなる。

三谷幸喜が「十二人の怒れる男」のオマージュとして書き上げた戯曲を映画化した作品で、ひたすら同じ室内での議論が続く。12人のキャラクター設定が非常に秀悦で、彼らのやりとりが実に面白い。「十二人の怒れる男」を未見でも全く問題ないが、鑑賞済みであれば、三谷幸喜のかなり忠実なパロディぶりが楽しめる。

鑑賞後、妙に人間という生き物が愛しくなるのがこの作品のいいところ。いろんな人がいるけれど、やっぱり人間は面白い。そう思えたら、人生は何倍も楽しくなる。

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