『名探偵コナン ベイカー街の亡霊』あらすじ&ネタバレ考察・ストーリー解説

19世紀末のロンドンを主な舞台とし、現実と仮想世界それぞれで起きた殺人事件を解決する様を描く。脚本は江戸川乱歩賞を受賞した野沢尚が努める。キャッチコピーは「待ってろ…絶対、また逢えっから…」

あらすじ

名探偵コナン ベイカー街の亡霊』のあらすじを紹介します。

仮想体感ゲーム機「コクーン」の完成披露パーティーに招待された江戸川コナン一行。そこにはゲームのシナリオを提供したコナン(工藤新一)の父、優作も招かれていた。ゲームを体験できるのは各界の権力者の子どもたちとあって、不満を漏らす少年探偵団たち。そんな彼らに発破をかけてきた諸星秀樹ら4人の少年は、会場でサッカーボールを蹴り回すなどやりたい放題。毛利小五郎の説教も虚しく、コクーン開発主任の樫村忠彬によってその場は収められた。

パーティの演出上、会場が真っ暗になったタイミングで一人の男が地下へと向かう。彼はシンドラーカンパニーの社長、トマス・シンドラーであった。向かった先には樫村の姿があり、2人は”DNA探査プログラム”をめぐって何やら揉めている様子。そして樫村が背を向けた瞬間、シンドラーは持っていたナイフで彼を襲う…。意識が途切れる寸前、樫村はキーボードに”JTR”のダイイングメッセージを残し息絶えた。するとその瞬間、コンピューターが「我が名はノアズ・アーク」と名乗りながら起動。ノアズ・アークとは、2年前天才少年沢田ヒロキが開発した人工知能で、1年で人間の5年分学習する。そしてヒロキは、そのノアズ・アークを完成させたあと10才の若さで自殺していた…。

いよいよ子どもたちがコクーンの中へ。仮面ヤイバーカードと引き換えで権利を手にした少年探偵団、灰原哀に加え、樫村殺害事件の手がかりはゲームの中にあると読んだコナン、コナンを心配した毛利蘭もゲームに参加することとなった。しかしいざゲームが始まってみるとコクーンのシステムはノアズ・アークに乗っ取られてしまい、外部の人間には制御できない。さらにノアズ・アークは、全員ゲームオーバーになったときは”日本のリセット”と称してプレイヤー全員の脳を破壊してしまうという。かくして、子どもたちの命をかけたゲームが始まった。

評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2002年4月20日
  • 上映時間:107分
  • ジャンル:ラブストーリー、サスペンス
  • 監督:こだま兼嗣
  • キャスト:高山みなみ、山崎和佳奈、田中秀幸、折笠愛、津嘉山正種 etc…

ネタバレ考察・ストーリー解説

『名探偵コナン ベイカー街の亡霊』について、3つ考察・解説します。※ネタバレあり

ホームズのヒント

「血まみれになっていない」というヒントを貰い、さらに諸星の赤いジャケットから赤ワインで衝撃を和らげることを思いついたコナン。血まみれというワードだけで赤ワインに結びつけるのは少々難易度が高い気もしますが、列車に飛び乗る瞬間で貨物車に赤ワインがあることをばっちり確認していますのでそれを思い出したのだと思います。

ホームズの言葉

新一の好きなセリフ「君を確実に破滅させることができれば…」は、短編集『シャーロック・ホームズの思い出』の中の「最後の事件」に登場し、ライヘンバッハの滝でのホームズとモリアーティ教授の最期も収録されています。ゲームに登場したホームズが言った「人生という無色の糸の束には…」は、『緋色の研究』に実際に登場します。

ヒロキとコナン

コナンがゲームクリアし現実世界へ帰る際、ヒロキは「さようなら、工藤新一」と呟きます。なぜ正体を見破ったのか具体的には明かされていませんが、ノアズ・アークは脳を支配する人工知能なので記憶や情報を読み取った可能性があります。優作とコナンは離れていても通じ合っている、ということを知っていたのも心が読める証拠かもしれません。

逆になぜコナンは諸星をヒロキくんだと分かったのでしょうか。諸星が偽者なのは作中の描写で明らかになりましたが、ノアズ・アーク=沢田ヒロキという情報はゲーム内に満足に伝わっていません。とはいえ序盤でノアズ・アークは「ヒロキくんの命を弄ぶ権利が…」と一度だけヒロキの名前を出します。彼がニュースで紹介されるほど有名な天才少年な上に自殺したとなれば、日本でも報道されたことでしょう。発言とその情報があればヒロキのことを推理するのは十分だったのです。

まとめ

劇場版としては初めて、最初から犯人が判明しているストーリーになりました。そのため謎解きの要素は薄いですが、めったに登場しない優作が事件を解明する姿が印象的です。犯人の動機は相変わらず理解しがたいものでしたが…。

そして今回はコナン同様、ホームズ好きにはたまらない描写がたくさんあります。モリアーティ教授やアイリーン・アドラーが登場するだけでなくホームズが住んでいたベイカーストリートの221Bが再現され、さらに原作からセリフが引用されています。特にジェットコースターのシーンは原作の第1話、映画第4作「瞳の中の暗殺者」にも登場したので、ようやく新一の好きなセリフが明かされたということになります。

ゲームの世界とはいえ19世紀末のロンドン、それも実際に存在した連続殺人鬼ジャック・ザ・リッパーを相手取るのはやはり今までと比べ異色な作品であると感じました。これまでと違い、初めて野沢尚が脚本を担当したことが原因の一つではないかと思います。こだま兼嗣監督によればマンネリ化を防ぐためで、その戦略が見事成功し現在でも安定した人気を誇る作品となりました。次作からはまた古内一成が脚本を担当しています。

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