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映画『大脱走』あらすじネタバレ結末と感想

映画『大脱走』の概要:ドイツの捕虜収容所に集められた連合軍の捕虜たちは“敵の後方をかく乱する”という捕虜としての任務を全うするため、壮大な脱走計画を練る。実話に基づいて製作された永遠の名作。1963年公開のアメリカ映画。

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映画『大脱走』 作品情報

大脱走

  • 製作年:1963年
  • 上映時間:168分
  • ジャンル:戦争、ヒューマンドラマ、アクション
  • 監督:ジョン・スタージェス
  • キャスト:スティーヴ・マックィーン、ジェームズ・ガーナー、リチャード・アッテンボロー、ジェームズ・コバーン etc

映画『大脱走』 評価

  • 点数:100点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

映画『大脱走』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『大脱走』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『大脱走』 あらすじ【起・承】

第二次世界大戦中のドイツ。戦況が激しさを増す中、各地の捕虜収容所には多くの連合軍捕虜が収容されていた。捕虜たちの度重なる脱走に手を焼いていたドイツ軍は、問題のある捕虜を一箇所に集め、厳重な警備で監視することにする。

この収容所を任されたルーゲル所長は連合軍のラムジー大佐に捕虜と収容所の連絡係をお願いする。しかし“捕虜は脱走が任務だ”というラムジー大佐の意見に、ルーゲル所長も反論できなかった。

連合軍には”X組“と呼ばれる脱走のプロ集団がいた。ゲシュタポに捕まっていた指揮官のバートレット(リチャード・アッテンボロー)がこの収容所に送還されてきて、メンバーの士気は一気に高まる。バートレットはすぐに脱走に向けての作戦会議を開く。バートレットの計画は森へ抜けるトンネルを3か所掘り、総勢250名を一気に脱走させるという壮大なものだった。

念密な計画はすぐ実行に移され、各自に仕事が分担される。情報収集はマック、トンネルを掘るのはウィリーとダニー(チャールズ・ブロンソン)、物資の調達係はヘンドリー(ジェームズ・ガーナー)、道具作りをセジウィック(ジェームズ・コバーン)、脱走時の服を仕立てるのはグリフィス、身分証などの偽造はコリン(ドナルド・プレザンス)など、メンバーは抜群の連携プレーを見せ、計画は着々と進んでいく。

しかしヒルツ(スティーブ・マックイーン)とアイブスは計画に加わらず、2人で脱走を繰り返していた。ところが長い捕虜生活により精神を病んでいたアイブスが看守の眼の前で脱走しようとして射殺される。これをきっかけにヒルツもメンバーに加わる。

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映画『大脱走』 結末・ラスト(ネタバレ)

決行の夜。いくつかのアクシデントが重なり、脱走できたのは76名となった。しかしすぐに敵も追跡を開始し、各自は決死の覚悟で四方に散らばっていく。

バートレットはマックとコンビを組み、フランス人になりすまして列車に乗る。列車には視力が不自由になったコリンを連れたヘンドリーや単独でエリック(デヴィッド・マッカラム)も乗っていた。ヘンドリーは検問を避けるため、コリンと途中で列車から脱出。バートレットとマックとエリックは駅で下車するが、ゲシュタポに気づかれたバートレットをかばってエリックは射殺され、逃亡したバートレットとマックも捕まってしまう。他の脱走メンバーたちも次々とゲシュタポに捕まっていた。

コリンとヘンドリーはドイツ空軍の練習機を盗んで空路でスイスを目指すが、国境を目前にして飛行機は墜落。コリンはドイツ兵に射殺され、ヘンドリーは捕まってしまう。バイクで逃走していたヒルツも、結局逃げ切れなかった。

唯一国外へ脱出できたのは自転車と貨物列車でフランスまで逃げ、その後レジスタンスの助けを借りてスペインへ向かったセジウィックと、船で川を下り港へ出て、外国船に乗り込んだウィリーとダニーの3名だけだった。

ゲシュタポに捕まった者は収容所へ護送される途中で全員銃殺され、ラムジー大佐は50名の死亡報告を受ける。ヘンドリーたち10名とヒルツは収容所に戻され、ラムジー大佐と再会する。ルーゲル所長は解任され、ヒルツに“私より先にベルリンを見られそうだな”と言い残して去っていく。

映画『大脱走』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『大脱走』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

捕虜収容所とは

開始早々からあの有名な「大脱走マーチ」が流れ、戦争映画とは思えない明るい雰囲気で本作は始まる。収容所に護送されてきた捕虜たちも一様に元気であり、恐怖に怯えているような様子はない。捕虜のまとめ役であるラムジー大佐も収容所の所長に対して“捕虜は脱走が任務だ”とはっきり言っており、所長もそれを否定しない。捕虜は囚人とは違うので強制労働などの義務はなく、収容所内でもある程度の自由が許される。例えば脱走して捕まっても、軍人であることが証明できれば処刑されるようなことはない。

ドイツの収容所と聞けば、どうしても多くのユダヤ人が虐殺された強制収容所の悲惨な光景を思い浮かべてしまうが、捕虜の収容所は全く別物だと考えていい。さらに捕虜の脱走は囚人の脱獄とは違うということも、頭に入れておくべきだろう。

大脱走を通して描かれる群像劇

念密な計画と見事な連携プレーで進んで行く脱走劇そのものの面白さもさることながら、この作品が名作と呼ばれ映画ファンに愛され続けるのは、群像劇として非常に秀悦であるからだ。かなりの数に上る登場人物たちがそれぞれに個性と見せ場を持っており、どの人物もしっかりと心に残る。これはよく練り込まれた脚本と演出、さらにはキャスティングの素晴らしさの賜物であり、全く無駄のない172分はあっという間に過ぎる。

後半部分のドキドキ

後半は脱走後にそれぞれがどうなったかが描かれている。列車、自転車、船、飛行機、バイクと逃亡手段もバラエティーに富んでおり、そこら中がゲシュタポに包囲されているのでとにかくずっとドキドキする。スティーブ・マックイーンの演じるヒルツがバイクで逃げ回るアクションは単純にかっこいい。最も心理的にやられたのは何度もゲシュタポの検問を受けるバートレットの逃亡劇だ。あまりの緊張感で口から心臓が飛び出しそうだった。


「荒野の七人」のジョン・スタージェス監督が贈る超名作脱獄映画。60年代を代表するキャストで彩った豪華さは、他のどんな映画よりも盛り上がる。女の自分でも、このスティーヴ・マックィーンは永久保存したくなるほど憧れる。バイク×マックィーンは『ブリット』のカーチェイス以上に盛り上がるし最高にカッコよかった。

女性キャラクターが皆無で男臭い映画だったが、仲間思いの優しいキャラクターばかりで見ていて痺れた。希望を捨てないラストシーンも自然と明るい気持ちにさせてくれる素晴らしい作品だ。(女性 20代)


戦争映画だと思って鑑賞すると度肝を抜かれるであろう今作。始まりの大脱走マーチはテンポと曲調が可愛らしすぎて戦争感なんて一切ありません。そして熱狂的な浦和レッズサポーターであれば、一瞬でこの作品が大好きになるでしょう。
捕虜たちが脱走する様子を見事な連携プレーと賢い作戦を混じえて描いていくのですが、途中で捕まってしまったり、殺されてしまったりと数名しか逃げきれなかったのがとても悔しくなってしまうほど、彼らに感情移入して鑑賞してしまいました。(女性 30代)

映画『大脱走』 まとめ

みんなで協力して目標を貫徹しようとする姿は非常に前向きであり、50名もの犠牲を出したという結末なのに暗くジメジメしたものは残らない。ただ、見終わった後にじわーっと胸が熱くなる。多くの映画を見ているが、ここまで満足感を得られる映画というのはそうあるものではない。

本作は突出した何か(ストーリーが素晴らしく感動的とか芸術性が高いとか)があるわけではなく、どこも減点箇所が見つからないというものすごくよくできた映画だ。これを面白くないと言われてしまったら、私には面白い映画とは何かがわからなくなる。

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みんなの感想・レビュー

  1. きもと より:

    50人がゲシュタポに殺されたのは当然だね。彼らは軍服改造とはいえ見た目一般スーツを着て偽造証明書を持っていた。スパイと見なされたのだ。ジュネーブ協定では基本正規軍服を着た者のみが兵士として保護される。スパイは保護対象外だ。残りの生存者は運が良かっただけ。マックイーンがバイクで逃走中にドイツ軍の軍服を脱ぎ捨てたのもスパイ容疑から逃れるため。そして最後に鉄条網に絡んだ状態の時シャツのタグをドイツ軍に示したのも、タグにアメリカ軍の正規支給品である旨の表記が有ったため、これは軍服の一部であることを主張したのだろう。

  2. 森田 より:

    完璧なハリウッド映画。実話を基にして細部の再現にこだわりつつ、本筋を壊すことなく娯楽作品として楽しめるように絶妙にハリウッドの味付けがされた逸品。
    それにしてもスティーブ・マックイーンだ。憎たらしいほどの佇まい、スクリーンに出てきた瞬間に客席から口笛が聞こえてくるような錯覚すら覚える。
    事実として多くの人が命を落とした話でありつつも人々を誠実に描ききったことで、事の悲惨さよりも彼らのある種の快活さが印象に残るため、ちょっとしたアクション物のレベルで後味が良い。
    定期的に見返したい作品。

  3. きし けいじ より:

    今日、2月7日に大脱走を見ました。三時間近くの時間が《あっと》云う間に過ぎ去る面白さで有り、一番悔やまれるのがラスト五分をトイレに行き、見逃してしまったのが残念です。