映画『わたしは、ダニエル・ブレイク』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

「わたしは、ダニエル・ブレイク」のネタバレあらすじ結末

わたしは、ダニエル・ブレイクの概要:イギリスの名匠ケン・ローチ監督が、80歳にして2度目のパルムドール(カンヌ国際映画祭最高賞)を受賞したヒューマンドラマ。真面目に納税してきた善良なる市民を、冷酷に切り捨てる国家のあり方を痛烈に非難している。役者の演技もリアリティのある演出も素晴らしい。

わたしは、ダニエル・ブレイクの作品概要

わたしは、ダニエル・ブレイク

公開日:2016年
上映時間:100分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ケン・ローチ
キャスト:デイヴ・ジョーンズ、ヘイリー・スクワイアーズ、ディラン・フィリップ・マキアナン、ブリアナ・シャン etc

わたしは、ダニエル・ブレイクの登場人物(キャスト)

ダニエル・ブレイク(デイヴ・ジョーンズ)
イギリスのニューカッスルで暮らす59歳の男性。心臓を患い、40年間続けてきた大工の仕事をやめざるを得なくなる。妻には先立たれ、子供もいない。職人気質の実直な男で、ケイティ一家を親身になって支える。
ケイティ(ヘイリー・スクワイアーズ)
ロンドンからニューカッスルに越してきたばかりのシングルマザー。父親の違うデイジーとディランという2人の子供がいる。貧困に喘ぎながらも、子供たちを懸命に育てている。
チャイナ(ケマ・シカズウェ)
ダニエルの隣人の黒人青年。わずかな賃金の日雇い労働しか仕事がなく、中国製のシューズを売って金儲けをしようとしている。今風の若者だが、ダニエルとは仲がいい。
アン(ケイト・ラッター)
役所の職員の中で、唯一人間らしい対応をしてくれる女性。役所で困っているダニエルを助けようとして、上司に注意される。

わたしは、ダニエル・ブレイクのネタバレあらすじ

映画『わたしは、ダニエル・ブレイク』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

わたしは、ダニエル・ブレイクのあらすじ【起】

イギリスのニューカッスル。大工として40年間真面目に働いてきた59歳のダニエル・ブレイクは、仕事中に心臓発作を起こし、医者から仕事を止めるよう忠告される。ダニエルは、病気による支援手当を受けるため役所を訪れ、給付審査のアンケート内容の馬鹿らしさに閉口する。政府の委託事業者だという認定人の女性は、悪態をつくダニエルに、悪印象を持ったようだった。

ダニエルは、精神を病んでいた妻の介護を続けながら、質素に暮らしてきた。その妻も亡くなり、現在は安アパートでひとり暮らしをしている。隣人のチャイナは、貧しい黒人青年だったが、ダニエルは彼ともそれなりに良好な関係を築いていた。

検査のために訪れた病院で、仕事はまだ無理だと言われた翌日、役所から「支援手当の受給の資格なし」という書類が届く。ダニエルはすぐに役所へ電話をするが、音声案内と音楽が繰り返されるばかりで、電話はなかなかつながらない。1時間48分後、ようやく役所の職員が出るが、審査の担当者とは話せなかった。

ダニエルは直接役所を訪れ、これが不当な審査であることを訴える。しかし担当者はまともに取り合ってくれない。新たに支援手当を申し込むにしても、パソコンからのオンラインでしか受け付けていないと言われ、パソコンが使えないダニエルは途方にくれる。そんなダニエルに、アンという職員だけが、親切に声をかけてくれる。

ダニエルはそこで、ケイティという若い女性が職員と言い争っている現場に遭遇する。ケイティは2人の子供を育てているシングルマザーで、数日前にロンドンから引っ越してきたばかりだった。そのためバスを乗り間違えてしまい、審査の時間に遅れてしまったのだ。ケイティはその事情を必死で訴えていたが、職員は「後日違反審査を受けろ」の一点張りだった。ダニエルは思わず立ち上がり、「少し融通を利かせてやれ!」と怒鳴る。そのせいで、ダニエルもケイティと一緒に役所から追い出されてしまう。

ケイティはダニエルに感謝し、自宅に誘う。ケイティには、まだ幼いディランという息子と、小学生になるデイジーという娘がいた。ロンドンでは、2年間もホームレスの宿泊施設で暮らしていたが、3人でひと部屋という環境に限界を感じ、役所に紹介されたこの場所へ引っ越してきた。しかし家はボロボロで、お金がないため電気も引けず、親子は悲惨な暮らしをしていた。ダニエルは家の修理を引き受けてやり、幾らかのお金と自分の電話番号をケイティに渡しておく。

わたしは、ダニエル・ブレイクのあらすじ【承】

ダニエルは、求職者手当の申請をするため、無料のパソコン設置場所へ行く。そこはパソコンを買えない貧困者で溢れており、長時間待たされる。やっと順番が回ってきて、職員から使い方を説明してもらうが、ダニエルには理解できない。周囲の若者に教えてもらいながら、ようやく申請書類を仕上げるが、時間切れでエラーが出て、書類は送信できなかった。

ダニエルは隣人のチャイナに助けを求め、書類作成を手伝ってもらう。チャイナは、中国製のシューズを仕入れ、それを売って儲けようとしていた。違法行為かもしれないが、そうしないとチャイナも生きていけない。チャイナも貧しかったが、役所の人間よりもずっと親身になって、ダニエルに協力してくれる。そうやって苦労して書類を申請しても、役所からは何の連絡もなく、ダニエルの苛立ちは募る。

一方で、ダニエルはケイティ一家との親交を深めていた。他に頼る人のいないケイティにとって、家の修理をしたり、子供の面倒を見てくれたりするダニエルは、かけがえのない存在になっていた。ケイティはせめてものお礼にと、自分の夕食をダニエルに食べてもらう。ダニエルは断ろうとするが、ケイティは譲らない。ダニエルには、ケイティが無理をしていることがわかっていた。

ようやく役所から連絡があり、ダニエルは職員と話をする。しかし、求職者手当をもらうためには、週に35時間以上求職活動をしている証拠が必要だと言われ、まずは履歴書の書き方講座に出席するよう命じられる。拒んだら処罰されると言われ、ダニエルは仕方なく講座に出る。

講座では、履歴書もパソコンで作成し、オンラインのデジタル版も作るよう言われる。しかしダニエルは手書きの履歴書を作り、あちこちを歩いて直接「仕事はないか」と聞いて回る。ほとんどの現場では門前払いされるが、ある園芸店だけは履歴書を受け取ってくれる。

手当がもらえず、ケイティの生活は逼迫する。食べるものにも困り、ボランティアが運営するフードバンクを頼ることにする。ダニエルも一家に付き合い、長い列に並ぶ。ようやく食料を支給してもらったケイティは、空腹に耐えきれず、その場で缶詰を開けて食べ始める。そしてあまりの惨めさに、泣き出してしまう。ダニエルは「君は何も悪くない」と言ってケイティを慰める。ケイティの飢えは限界だったのだ。

わたしは、ダニエル・ブレイクのあらすじ【転】

医者から仕事を止められているのに、労働年金省はダニエルを労働可能とみなし、年金の受給を認めてくれない。収入のなくなったダニエルは、電気代を払うのも苦しくなる。

そんな時、あの園芸店から面接に来るよう電話がある。ダニエルは仕方なく、給付を受けるための求職活動だったことを打ち明ける。園芸店の担当者は怒っていた。

ケイティはスーパーで生理用品を万引きし、警備員に捕まってしまう。カバンを調べた支配人は、黙って生理用品をカバンに戻し、ケイティを許してくれる。帰り際、警備員の男がケイティに近づき、「金に困っているならいい仕事を紹介する」と囁いて、自分の電話番号を渡す。ダニエルは自分の窮状を隠し、ケイティ一家を支えていた。

求職活動をしたことを報告に行ったダニエルは、職を探したという証拠が不十分だと言われてしまう。職員の女性はダニエルの手書きの履歴書を見て、講座に行っていないと決めてかかり、手当の支給停止を宣告する。ダニエルは言い返す気力もなく、黙ってその場を去る。そして妻との思い出の詰まった家財道具を売り払い、急場をしのぐ。チャイナは、「困っているなら何でも言え」と声をかけてくれるが、ダニエルは静かに微笑むだけだった。

デイジーが貧困のせいでいじめられていると知ったケイティは、警備員の男に電話をかける。大体の予想はついていたが、男が紹介してくれた仕事は売春だった。ケイティが落としていたメモから、その事実を知ったダニエルは、彼女が働く売春宿を訪ねる。

ダニエルの姿を見て、ケイティは動揺する。ダニエルは、こんな仕事はやめるよう説得するが、ケイティは「止めるならもう会わない」と言って、彼を帰らせる。ケイティは子供たちを育てるために、どうしてもお金が必要だった。

わたしは、ダニエル・ブレイクのあらすじ【結】

ダニエルは再び役所を訪れ、求職者手当の申請をやめて、不服申し立ての手続きをするとアンに訴える。ダニエルのような正直者が、何人もホームレスになっていく姿を見てきたアンは、短気を起こさずに手当の申請手続きを続けるよう忠告する。しかし、ダニエルはもう限界だった。

外へ出たダニエルは、役所の建物にスプレーペンキで「俺はダニエル・ブレイクだ。飢える前に申し立て日を決めろ。電話のクソなBGMも変えろ」と書きなぐる。このダニエルの行動には多くの市民が賛同し、拍手を送る。しかしダニエルは、器物破損で逮捕されてしまう。初犯であったため、口頭注意で釈放してもらえたが、ダニエルは深く落ち込む。

ダニエルと連絡が取れなくなり、心配したデイジーが、食べ物を持って家を訪ねて来る。デイジーは何度もドアをノックし、ダニエルに呼びかける。ようやく顔を出したダニエルは、誰とも会いたくないようだった。しかし「今度は私たちに助けさせて」というデイジーの言葉を聞き、彼女を抱きしめる。

ケイティはダニエルから事情を聞き、支援手当回復の申し立てのために動いてくれる。書類も揃い、親身になってくれる代理人も見つかり、ダニエルにも希望が生まれる。

申し立ての日。ダニエルはいつになく緊張しており、申し立てが始まる前にトイレへ立つ。そしてそのまま心臓発作で倒れてしまう。ケイティは泣き叫んで助けを求めるが、すでに手遅れだった。

ダニエルの葬儀の日。ケイティは国の制度が彼を早い死へ追いやったことを訴え、ダニエルが申し立てのために用意した言葉を代読する。それは、どんなに貧しくとも尊厳を失わず、隣人に手を差し伸べてきたダニエルらしい正直な言葉だった。

「私は依頼人でも顧客でもユーザーでもない。怠け者でもタカリ屋でも、物乞いでも泥棒でもない。国民健康番号でもなく、エラー音でもない。きちんと税金を払ってきた。それを誇りに思っている。地位の高い者には媚びないが、隣人には手を貸す。施しは要らない。私は、ダニエル・ブレイク。人間だ。犬ではない。当たり前の権利を要求する。敬意ある態度というものを。私は、ダニエル・ブレイク。1人の市民だ。それ以上でも以下でもない」

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