映画『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』あらすじネタバレ結末と感想

パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニストの概要:『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』(原題:Der Teufelsgeiger)は、イタリア出身の天才ヴァイオリニスト、ニコロ・パガニーニの半生を描く伝記映画。主演はヴァイオリニストのデイヴィッド・ギャレット。

パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト あらすじネタバレ

パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト
映画『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト あらすじ【起・承】

18世紀末、少年期にはすでに学ぶことはなくなっていたというパガニーニは、すでに超絶技巧の曲を自身で作曲していた。

19世紀前半。パガニーニはヴァイオリニストとして活動していたが、彼の超絶技巧を駆使した演奏を理解する観客はほとんどいなかった。
ある日、オペラの幕間で演奏したパガニーニは、ウルバーニという男に才能を見出され、彼のマネジメントを受けることになる。
それまでは彼の演奏を真面目に聴くどころかヤジや嘲笑が飛ぶばかりだったが、ウルバーニによって瞬く間に「マエストロ」と称されるようになる。

パガニーニの評判は海の向こう、イギリスのロンドンにまで広まっていた。ロンドンの指揮者ワトソンは、評判のパガニーニを呼んで会場を満席にし、財政難の楽団を立て直そうと計画していた。
ワトソンはパガニーニに前金を払い招待するが、なかなか承諾しようとしない。パガニーニは博打好きで、前金はあっという間になくなってしまっていたのだ。
さらに代金を要求されたワトソンは、家財道具を売り払い、メイドをクビにし、家を差し押さえられ、それでもパガニーニを諦めなかった。

やっとロンドンへ到着したパガニーニは、自身の「女たらし」の悪評から滞在するはずのホテルで女性のデモ団体に阻まれ、急遽ワトソンの自宅に滞在することになる。
ワトソンは娘のシャーロットをメイドとして紹介し、彼女にパガニーニの世話をさせる。パガニーニは一目でシャーロットを気に入るが、当のシャーロットは金銭面で父を追いつめたことなどから、ハンサム気取りと忌み嫌った。

パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト あらすじ【転・結】

リハーサルでも家でも全く演奏しようとしない様子から、周囲は本当にこれで会場を満席にできるのかと不安視する。
だが、ある夜忍んで出かけた酒場でヴァイオリンを演奏し、どんどん絃が切れて最後にはG線のみで演奏するパガニーニを見て人々は湧き立つ。
その場にタイムズ紙の女性記者もおり、翌日には彼を称賛する記事が評判となった。

ある日、シャーロットが歌の練習をしていると、それに聞き惚れたパガニーニはヴァイオリンを弾き始める。シャーロットもヴァイオリンの音を聴き、パガニーニの部屋に引き寄せられる。二人は音楽を通してやっと打ち解ける。パガニーニは自分が作ったアリアを歌ってくれと頼む。

公演当日。なかなか楽屋から出てこないパガニーニに人々はハラハラしていたが、オケの演奏が始まると彼は客席から現れ、観客を驚かせた。
国王を前にして公演は大成功。女性客は歓声を上げて中には失神する者まで出た。
パガニーニはアンコールにシャーロットを呼び、あのアリアを披露した。

その夜、多くのファンから逃れるようにホテルへ向かったパガニーニはシャーロットを呼ぶように言うが、彼がシャーロットに惹かれているのが気に入らないウルバーニは策を講じる。
シャーロットに髪型や髪色が似た女性をパガニーニの寝室へやり、翌日「パガニーニが未成年女性と関係を持った」という記事を出させたのだ。
何も知らないシャーロットは傷つき、パガニーニは弁解しようとするが、逮捕されて引き離され、それっきりになってしまう。

帰国したパガニーニは何度もシャーロットに手紙を出し再会を望むが、シャーロットは自分自身の歌手としての成功のためにアメリカへ旅立つのだった。

パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2013年
  • 上映時間:122分
  • ジャンル:伝記、音楽、ラブストーリー
  • 監督:バーナード・ローズ
  • キャスト:デヴィッド・ギャレット、ジャレッド・ハリス、アンドレア・デック、ジョエリー・リチャードソン etc

パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト 批評・レビュー

映画『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

実際のある出来事を中心に

この映画は、ロンドンでの出来事をメインにしている。ロンドン公演はともかく、シャーロットとの出会いや純愛はフィクションなのかと思いきや、実際にこういう出来事があったようだ。史実では、当時50歳を超えていたパガニーニが16歳の少女と恋に落ち、駆け落ち未遂まで起こしたという。
映画でパガニーニを演じているデイヴィッド・ギャレットは30代でまだ若く、モデルとしても活躍するほどの容姿なので作中での年齢を意識していなかったが、実際は30歳以上も年が離れた純愛だったのだから驚きだ。

「悪魔に魂を売った」と言われる才能

伝説的な才能を持つパガニーニは、「悪魔に魂を売って才能を得た」と噂されるほど驚異の才能を持っていた。現在はパガニーニ直筆の楽譜はほとんど残っておらず、彼の作品の多くは演奏を聴いた人間が楽譜におこしたものが多いので、才能の一端しか知ることはできないが、当時生演奏を聴いた人の驚きはいかばかりだったのだろうか。
同じく天才音楽家のモーツァルトは「神に愛された才能」と言われ、パガニーニとは対照的だと感じた。モーツァルトを題材とした『アマデウス』では、「凡人」サリエリと「天才」モーツァルトの対比が印象的だったが、この映画の場合は「悪魔」パガニーニと「天使」シャーロットの対比といったところか。
実際悪魔に魂を売ったはずもなく、病弱だったパガニーニの見た目からそのような噂が立ったのかとも言われる。
この映画では、「悪魔」というキーワードがよく出てくる。パガニーニ自身の噂もそうだし、彼を支えるウルバーニが「悪魔に仕える者」と自信を称している。観ている側に言わせれば、ウルバーニこそが悪魔である。そういう意味では、パガニーニは「悪魔と契約した」と言っていいだろう。
シャーロットとの仲を引き裂かれたり、他にもさまざまなことでウルバーニを恨むが、しかし彼なしで成功は得られなかっただろうというのも事実である。
こうして「悪魔と契約した」パガニーニは晩年病続きで、死んだ後も教会に埋葬を拒否されるなど、幸せな最期だったとは言えない。
一方、シャーロットはアメリカに渡り歌手として成功し、結婚して幸せな人生を歩む。本当に対照的な二人である。

エンドロールで流れるのが、これまたパガニーニの曲ではなく、シューベルトの『魔王』。そして作中でも出てきたアリア。この二つが流れる。音楽の使い方が最後まで秀逸である。

パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト 感想まとめ

映画としてのストーリーだとか、演技はこの映画ではさして重要ではないと思う。「現代のパガニーニ」と言われ、自身も「自分がやらなくて誰がパガニーニをやる」と言った、デイヴィッド・ギャレッドがパガニーニを演じてストラディバリウスで演奏する、それだけでいい。
「悪魔」というテーマの割にはパガニーニの見た目が綺麗すぎるのが逆に難点ではあったけれど、対比するシャーロットを演じているアンドレア・デックが本当に天使か、と思うほど綺麗で可愛くて、対比としては十分だった。

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