『ディック・トレイシー』あらすじとネタバレ映画批評・評価

ディック・トレイシーの概要:「ディック・トレイシー」(原題:Dick Tracy)は、1990年のアメリカ映画。監督、主演は「俺たちに明日はない」のウォーレン・ベイティ。共演は歌姫ブレスレス役にアメリカポップス界のスーパースター、マドンナ。ギャングのボス、 “ビッグ・ボーイ” キャプリス役に「ゴッドファーザー」のアル・パチーノ。チェスター・グールド(英語版)の人気コミック「ディック・トレイシー」を実写映画化した作品。

ディック・トレイシー

ディック・トレイシー あらすじ

映画『ディック・トレイシー』のあらすじを紹介します。

1930年代のとある犯罪都市。神出鬼没の活躍をする刑事ディック・トレイシー(ウォーレン・ベイティ)。彼の宿敵は街を牛耳るギャングの親玉ビッグ・ボーイ・キャプリス(アル・パチーノ)である。キャプリスは「クラブ・リッツ」オーナーのリップスを殺し、歌姫ブレスレス(マドンナ)を手に入れた所だった。リップス殺しの捜査をするトレイシーの片腕となるのは、彼に拾われたスリの少年キッド(チャーリー・コースモ)。トレイシーは情報屋のマンブルス(ダスティン・ホフマン)から情報を入手し、リップスの愛人だったブレスレスに証言を求めるが、彼女が引き換えに欲しがるのはトレイシーの愛だった。しかし彼にはテス(グレン・ヘドリー)という恋人がいた。そして間もなくトレイシーはキャプリスの手下から襲撃を受けたが、絶体絶命のピンチをキッドの機転によって免れる。トレイシーはキャプリスのアジトを盗聴し反撃を開始。しかし事件解決に向かって順調に進むトレイシーの心と裏腹に、テスは危険な彼の仕事を懸念し、そのために気持ちのすれ違いが生じたことを理由にトレイシーの元を離れてしまう。

そして傷いたトレイシーの元にテスから手紙が届くが、それは巧妙に仕組まれた罠であり、トレイシーは何者かに眠らされ、気付いたときには検事殺しの犯人に仕立てられ逮捕されてしまう。トレイシーが留置所に入っている間にキャプリスは好き放題で荒稼ぎを始め、テスはどこかに連れ去られていた。

新年の夜、トレイシーが同僚の車で刑務所への護送途中に立ち寄った情報屋のアパートで、自分を陥れた犯人の手掛かりを掴んだトレイシーは、キャプリスのアジトに向かい、屋根裏に閉じ込められているテスを発見する。トレイシーがテスを救出しようとする寸前に警官隊が踏み込み、慌てたキャプリスはテスを人質に取って川に掛かる跳ね橋の機械室へ逃げ込んだ。トレイシーはキャプリスを追跡し、いよいよ最後の対決の時が訪れるが、そこへ謎の人物が現れ、追い詰められたキャプリスを殺せとトレイシーに命ずる。謎の人物は突然飛び込んできたキッドの体当たりで不意を突かれ、キャプリスの銃弾に倒れた。そしてキャプリスもトレイシーのタックルを受け機械室より落下する。倒れた謎の人物の仮面をとってみるとブレスレスだった。全ては彼女の横恋慕によるものだったのだ。

全てが終わり、キッドを引き取るためテスに求婚を決めるトレイシー。しかしそこにまた呼び出しが入り、新たな事件が彼を待っていた。

ディック・トレイシー 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:1990年
  • 上映時間:105分
  • ジャンル:ミュージカル、サスペンス、コメディ
  • 監督:ウォーレン・ベイティ
  • キャスト:ウォーレン・ベイティ、マドンナ、アル・パチーノ、ダスティン・ホフマン etc…

ディック・トレイシー 批評 ※ネタバレ

映画『ディック・トレイシー』について、2つ批評します。※ネタバレあり

ミュージカル要素は殆どないが

どこかミュージカルタッチの作り方は、コミックを原作にして展開されるストーリーの中に、洒落た音楽が随所に挿入されているというところだろうか。マドンナが立つステージにも、マリリン・モンローのミュージカルイメージが浮かんでくる。出演者によるダンスシーンも無く、音楽的な要因としてはマドンナのステージシーンのみであるが、カテゴリーはさておきというところで楽しんでいただける映画ではないだろうか。この映画の売りどころはカテゴリーの枠を帳消しにするかのような、ウォーレン・ベイティにアル・パチーノにダスティン・ホフマン、そしてマドンナが同じ映画に出ているという奇跡のようなキャスティングである。

ウォーレン・ベイティのトレイシー役はどこかハード・ボイルドになり切れていないのだが、そこがまたコミカルな雰囲気というのか、少しズレているというのが意図的なものなのかよく分からない部分がいいのである。出演者全員が少しずつズレているという表現が適切なのだろうか。分かりやすい言い方をすれば、ドラマの内容に全く脈絡もないところで、カツラをわざと少しだけずらして笑いを取るといったニュアンスだろう。しかし、そのズレ方が背景に使われているコミックなのか実写なのか分からないところにもマッチし、何とも言えない演出の効果を果たしている。これが意図的ならウォーレン・ベイティは只者ではない感性の持ち主だろうが、真意のほどは定かでない。とにかくこのずらし方の妙味をひっそりと楽しむのが観る側には嬉しいのである。

アル・パチーノのド嵌り役

アル・パチーノという役者は、演技の中で怒らせば怒らすほどいい味が出る。ここでのキャプリスなどはそれの典型的な例で、大きな目をひん剥いてギャングの親玉を演じているが、「スカー・フェイス」、「ディアボロス」の演技に近い嵌り役ではないだろうか。マドンナを自分の膝の上に乗せ、顔を張るなどというのは彼でなければ絵にならない演技だろう。ストーリーの単調さを役者とその背景でフォローしてしまうところは、ウォーレン・ベイティの手腕を讃えたいところだが、アル・パチーノの演技により、この作品に輝きが増しているのは言うまでもない。

まとめ

ストーリーを楽しむというよりは映像を楽しむという部分で大きな効果を上げているのだが、コミックが原作でなければもっと評価は高かっただろう。しかし原作を見ていない人には充分に楽しめる。そしてこのスターの共演も他ではなかなか見られないところなのだが、惜しいと思うのはダスティン・ホフマンがもっと見どころのある役柄だったらとは考えてしまう。彼なりの個性は出せているのだが、頭のおかしいタレコミ屋というところで出演シーンが少ないところが残念である。しかしウォーレン・ベイティがやりたい事をやったというライフワーク的な作品としては、充分にエンターテインメントが発揮できた作品だろう。

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