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映画『ダーティ・ダンシング』あらすじネタバレ結末と感想

映画『ダーティ・ダンシング』の概要:60年代初期のアメリカを舞台に、少女のひと夏の恋による成長を描く。振付には、のちにマイケル・ジャクソンの「THIS IS IT」の監督をするケニー・オルテガが担当している。

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映画『ダーティ・ダンシング』 作品情報

ダーティ・ダンシング

  • 製作年:1987年
  • 上映時間:105分
  • ジャンル:ラブストーリー、青春、音楽
  • 監督:エミール・アルドリーノ
  • キャスト:パトリック・スウェイジ、ジェニファー・グレイ、シンシア・ローズ、ジェリー・オーバック etc

映画『ダーティ・ダンシング』 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★☆☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

映画『ダーティ・ダンシング』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『ダーティ・ダンシング』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『ダーティ・ダンシング』 あらすじ【起・承】

1963年の夏、17歳のベイビーは父の知り合いの山荘へ家族で訪れていた。
着いた早々、コテージを抜け出し周りを散策してみるベイビー。
山荘の食堂では、オーナーのケラーマンが給仕をしている学生に注意事項を伝えていた。
「山荘の思い出となるように、娘達には甘い言葉を掛け、どんな娘でも夢見心地にさせてやる事」と…。

そこへ、サングラスをかけたワイルドな男性が現れる。
「娯楽係が来るとこじゃないぜ」と皮肉を言われている男性。
ベイビーはなぜかその男性から目が離せないでいた。

その夜オーナーの孫、ニールを紹介される。
ダンスホールでは激しいマンボを踊る一組の男女、先ほどの男性だ。ベイビーは目が釘付けになる。
オーナーがそのマンボを踊る二人に目配せをすると、二人は他の人をダンスへ誘いだした。
あの二人はこの山荘のダンス教師なのだ。

食事を終えた後、ベイビーはまた周辺を散策に出かけた。
大きなスイカを抱えた男性を見かける。この山荘に到着した時、荷物を運んでくれた男性だ。
ベイビーは手伝おうと声を掛ける。

男性とスイカと共に入った小屋にはすごい数の男女が体を密着させ、セクシーなダンスを踊っていた。
驚くベイビー。そこに、先ほどダンスホールでマンボを踊っていた男女が入ってきた。
二人のセクシーなダンスに見惚れているとベイビーを小屋まで連れてきたくれた男性が言う。
「あの二人、恋人同士に見えるかい?」「違うの?」「違うんだな、これが」と…。

男性ダンサーは、ジョニーという名前だった。ジョニーは気まぐれにベイビーと目が合うと
ダンスを教えてくれた。
ダンスを教えてもらいながら、ベイビーはなんとも言われぬ昂揚感を覚えていた。

次の日、ベイビーは昨日の女性ダンサーを見掛けて声を掛けてみた。
その答えは、ひどくあっさりしていてベイビーを少し落ち込ませた。

その日の夜も、ベイビーはジョニーをダンスホールで見かける。
熟女の女性といいムードで踊っている。ケラーマンがベイビーの父に耳打ちをする。
「彼女の夫は、彼女をほったからし。だから、彼女はここへ男性を漁りに来てるんだ」と。
なぜか少し、心が痛むベイビー。

ニールがベイビーを誘い、そよ風の吹く東屋へ連れ出した。茂みの向こうから男女の声がした。
姉のリサだ。学生ウェイターのロビーと一緒に茂みの向こう側を歩いてる。
リサは怒ってる様子で、ドレスを直しながら歩いている。
何があったかは容易に想像がついた。ベイビーの心がチクッと痛んだ。
そんな気落ちしているベイビーに気が付き、ニールはベイビーに「何か食べない?」と、厨房へ誘った。

厨房に着いたベイビーは何かに気が付いた。
あの女性ダンサー「ペニー」が端で泣きながらうずくまっていたのだ。
ベイビーは気づかれないように、その場からニールを引き離すと、
その様子をジョニーに伝え、ペニーを迎えに行く。

話のいきさつから、ペニーが妊娠している事がわかった。
ベイビーはジョニーが相手だと思い、聞いてみたところ相手はジョニーではないという事が分かった。
「なんとかならいの?」というベイビーに対して冷たい反応のジョニー達。
堕胎を頼めそうな医者は来週来るらしいが、用意できるお金がないのだ。
しかも、妊娠の相手を聞くと、「ロビー」だという。

次の日ベイビーはロビーに詰め寄ったが、彼は「どうでもいい相手ってのもいるんだよ」と、
まったく取合ってはくれない。

ベイビーは父に、理由を言わずに中絶費用を借りることにした。
「人の為になれって言ってたよね」。ベイビーは父にそう言い、お金を借りた。

その日の夜、二人を訪ねお金を手渡すベイビー。
その中絶のできる医者の来る訪問日には問題があった。
山荘には内緒で、他のホテルで二人はマンボのショーに出ており、
そのショーの日と、医者が来る日が重なっているのだ。
その日は外せないというペニー。あきらめかけた時、一つの提案が出される。
ペニーの代わりに、ベイビーがそのショーに出ることにすれば、手術が受けられそうなのだ。

なりゆきで、ショーにパフォーマーとして出る事になったベイビー。
それまでの数日間、ジョニーにダンスをみっちり教えて貰う事になった。

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映画『ダーティ・ダンシング』 結末・ラスト(ネタバレ)

ジョニーからダンスを教わるうち、ベイビーの中で何かが変わりつつあった。

ショーまであと2日、一心不乱に練習する二人、だがまだ「リフト」が完成できずにいた。

ジョニーは気分を変えるつもりで、ベイビーを湖に連れ出した。
リフトの練習には「水の中」が最適だとして。

とうとう、ショー当日。最終チェックをしているベイビーにペニーが訴えてきた。
愛の言葉だと、勘違いした事。自分は尻軽ではないと、そして手術が怖いと…。
ベイビーはペニーをしっかりと抱きしめた。

ショーはリフト以外は、なんとなくではあったが成功した。
観客の中に、山荘で出会った老夫婦がいて、ちょっとドキリとしたが二人とも満足のいく結果であった。

山荘に戻ってみると、ペニーが手術の後、かなりの痛みなのかひどい有様だった。
ベイビーは思わず、医者である父に何も説明せずペニーの応急処置をと父を連れてきてしまう。
父の「誰が責任をとるんだい?」の声に答えるジョニー。
ベイビーの父は、ジョニーが妊娠の相手だと勘違いしてしまう。
ペニーは大事に至らなかったが、ベイビーに対して信用を失ったとし、父はジョニー達には関わるなと激怒する。

だが、ベイビーはその夜ジョニーの部屋を訪ねた。
ジョニーはベイビーが父親を連れて来た事を「勇気がある」と称賛したが、
ベイビーは、「そんなことはない。怖くてたまらかった」と素直な心をジョニーへ伝える。
そして、何よりも怖いと感じているのはこの夏が終わったら、ジョニーと会えなくなる事だと…。

二人は、ジョニーの部屋でダンスを踊り。一夜を共にした。

父親に内緒のまま、ベイビーとジョニーの関係は続いていた。
父親の姿を見るとそっと隠れてしまう二人。
後ろめたさに、苛まれているベイビーに公にできないのだろうと口論になる二人。

仲直りをしようと、ベイビーがペニーのコテージに尋ねると、
そこへロビーが現れた。「妹にしときゃよかったな」という、悪態についかっとなり殴ってしまうジョニー。

ある日、ベイビーはジョニーにいままで何人くらいの女性と付き合った事があるのかと聞いてみた。
分かってくれというジョニーに「利用してたんでしょ」とあきらめの気持ちで呟くベイビー。
それにジョニーが答える。「利用してたんじゃない、されてたんだ」と…。

山荘では、「お別れパーティー」の準備が始まっまった。
ベイビーの姉も出演する事になり、リハーサルに余念がない。
小道具の手伝いをしているベイビーの視線の先には同じく準備をしているジョニーがいた。
ジョニーに一人の女性が近づいてきた。以前、ジョニーと悩ましげに踊っていた女性だ。
「今日、特別な事を…」という彼女。
側のテーブルでポーカーをしていた彼女の夫にジョニーは近づいて行った。
「今日、ポーカーで忙しいので妻の世話を頼む」と、お金を差し出す男性に、ジョニーはその誘いを断った。

ステージの上で、ベイビーがそれを見ていた。
そこへリハーサルをしていた姉がベイビーにそっと耳打ちをする。
「今日、彼(ロビー)にすべてあげようと思うの」
とめようと声を掛けるベイビーにその場をさっさと立ち去る姉。

その夜、姉のリサはロビーのコテージをノックした。
そっとドアを開けると、例のジョニーに誘いを断られた女性がロビーと共にベッドにいた。
あまりの出来事に驚きながら、ドアをそっと閉めるリサ。

夜が明ける。ロビーのコテージで一夜を過ごした例の女性がそっと出ると、
ジョニーのコテージから出てくるベイビーが見えた…。

山荘で財布が盗まれるという騒ぎが起こっていた。
しかも、ジョニーに嫌疑が掛けられた。盗まれたという時間帯何をしていたか、ジョニーは言わないのだ。
ベイビーは彼の無実を知っていた。その時間帯は自分と一緒だったからだ。
しかし、それは言うことができない…。
他の山荘でも被害があったとの事。ペニーの代わりにショーに出た時、
この山荘でも見かけた老夫婦を思い出し、ベイビーはその老夫婦ではないかと訴えたが、
誰もとりあってはくれない。

ベイビーはジョニーの無実の為に真実を伝えた。その時間帯は自分と一緒だったことを…。
結果、ジョニーの嫌疑は晴れた。犯人はやはりあの老夫婦だった。
だが、結果ジョニーは山荘をクビになることになった。憤るベイビー。

ベイビーの父親が佇んでいると、ベイビーが近づいてきた。
「パパは人間は皆平等だといったけど、嘘だったのね。平等なのは一部の人だけなのね。
パパは私に失望しただろうけど…私も、パパに失望した…。パパ…愛している」と…。

自分のした事は結果、ムダではないかというベイビー。
自分は家族の信頼を失い、ジョニーは仕事を失った。
そんなベイビーにジョニーは、ムダではないと伝える。
ジョニーは、そんな事は思わないでほしいと言う。「俺が、覚えている」と…。

二人に別れの時がきた。離れがたい気持ちでお互いいっぱいだった。
「あなたなしで、大丈夫かな」ベイビーがつぶやく。
ジョニーは山荘を去っていった。

お別れショーの時がきた。
ベイビーは物悲しい気持ちで席に着いていた。
ロビーがベイビー達の席をの前を通りかかる。
ベイビーの父がロビーを呼び止め大学の推薦状を渡そうとした時、ロビーが「ペニーの件でも、お世話になりまして」と言ってしまう。
ペニーの件の相手は、ジョニーではなかったのだ。

そこへ、突然辞めたはずのジョニーがやってきた。
ベイビーを彼女の家族の席から連れ出すと、ステージに連れ出した。
「今年は、恒例のラストダンスが中止ですが、でも、この素晴らしい女性と踊りたいと思います。踊りが上手なうえ、人の為に立ち上がることを教えてくれた女性です」
音楽が流れだす。ベイビーは見事な踊りをステージで披露した。
前回、失敗した「リフト」も大成功。
会場全体が、従業員・ゲストを巻き込みダンス会場になっていく。

ベイビーとジョニーにベイビーの父が近づいてきた。
私が間違っていた…。と、そしてベイビーにも「とても素敵だったよ」と…。

映画『ダーティ・ダンシング』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ダーティ・ダンシング』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

ひと夏モノ

いわゆる「ひと夏の恋」的、お話です。
ですが、それだけで終わらない何かがこの作品にはあります。
ジョニーのその後がちょっとだけ描かれる「ダンシング・ハバナ」や舞台版、
本国では撮影に使われた山荘でイベント開かれたり。
他の作品でも、この作品をモチーフとしたものが見受けられます。

ヴァネッサ・パラディ主演の「ハート・ブレーカー」では、
このシーンを演じようとセッティングする主人公が印象的でした。

単純な物語の中にどんな魅力が詰まっているのか?
オールディーズの曲も魅力的。俳優陣の演技も自然でいきいきしています。
中にはアドリブもたくさんあったようですし。楽しい雰囲気が伝わってきます。

ですが、なにはなくとも一番の魅力はそのダンスでしょう。
振付はあの、ケニー・オルテガ。ハイクスールミュージカルや、マイケル・ジャクソンの「THIS IS IT」を手掛けた方です。
なまめかしい感じのする振り付けですが、今見るとさほでもない気もしますし、
有名なリフトにいたっては見ているこっちまで、ぐっときます。

ダンスと俳優陣のキラメキが奇跡を生んだといったところでしょうか?

父と娘

恋がメインでそれによって成長していく物語ではありますが、
もう一つのテーマといえるのが、「父と娘」ではないかと思います。
自分自身に誠実に生きてきて、立派な大人になれと、人に尽くせる大人になれと常に育ててきた娘。
しかし、娘は娘で自分の価値観を培っていく。
お互いに認め合って、どちらもが「成長」していく物語でもあると思います。

オマケ

劇中、ラストダンスで使われる「(I’ve had) the time of my life」は、
その年のアカデミー歌曲賞を受賞。ゴールデングローブ賞でも、主題歌賞を受賞(作品賞等もノミネート)。
グラミー賞でも、最優秀ポップパフォーマンス賞デュオを受賞。

主演のパトリック・スウェイジが歌った曲も、ヒット。サウンドトラックもビルボードで1位となり、第二弾のサウンドトラック「more dirty danching」もヒットしました。


1987年の作品なので30年以上たった今見ると、セリフの一つ一つが物凄くクサく感じられて恥ずかしくなってしまいました。しかし、ひと夏の恋をテーマにしたストーリーとしてはとても見応えがあり、ベイビーの勇気に力を貰い、ジョニーの男らしさにときめいてしまいました。
そもそも、一般人でもできるようなダンスとは大きくかけ離れた本格的なものだったのでこれを代わりに演じるのは無理だろう…と思ってしまいましたが、そこは映画なので2段階で上手く楽しませてくれました。
お父さんとの関係もしっかりと修復できるので素敵なハッピーエンドで優しい気持ちになれました。(女性 30代)

映画『ダーティ・ダンシング』 まとめ

この作品をみたのは17歳の頃、ちょうど劇中の主人公と一緒の年齢。
それでいうのも変ですが、すっと入りこめ、作品の世界にどっぷりと浸りながら見れました。
主人公と同じ世代にこの作品を見れたというのが、ものすごい幸運だったと思います。

個人的に好きなシーンがあって、それはペニーのコテージにベイビーがお見舞いに行ったシーンです。
昨夜の事もあってジョニーと顔を合わせるのがなんだか気まずく、
ベイビーが先にコテージを出てデッキでジョニーを待ってるんですけど、そこへジョニーが出てきて、ベイビーが声をかけます。
切ないかすれた声で「名前」だけ呼びかけるんですよ
もう、その声を聞きますと毎回キュンキュンしてしまうのです。

批評家達の評判はいまいちだったようですが、その後の愛され方を見ても分かるように、
この作品は、万人の人に受け入れられ心に残る作品なのは間違いないと思います。

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