ドイツ映画のおすすめランキング10選

ドイツは第二次大戦のナチスというイメージが拭えませんが、その史実を受け止め表現した映画は平和を願うものでもあり、無視する訳にはいかないメッセージが多く含まれています。その他にも感動的な作品をここではランキングで紹介します。

ドイツ映画は比較的新しい作品が多く、第二次大戦後の復興からベルリンの壁崩壊まで、戦争の影響により社会的な部分で陽の当たる機会も少なかったためか、古い歴史と文化を抱えながらも古典的な作品は多くありません。そして他国との合作映画が多いのも特徴ですが、ロードムービーの巨匠であるヴィム・ベンダースをはじめとし、近年では若い監督が新しい作品を多く発表するようにもなってきました。ここではドイツ映画の感動的な作品のおすすめをピックアップします。

第1位 ベルリン・天使の詩

注目ポイント&見所

人間の姿をする二人の天使が、人の煩悩に耳をそばだてるうちに自らも人として生きてみたいと思い、人間の世界に転生し生きることの実感を謳歌するファンタジックな映像美。天使から見る人間世界はモノクロに映り、人間として生まれ変わってからはカラーの世界が広がって行くシーンが印象的である。元々天使であったピーター・フォークが人間世界の実在の役者として存在し、天使を誘惑して人間界に引き込むシーンも微笑ましい。人生の真実を小市民の生活に発見するというヴィム・ベンダースの叙情詩が神々しく描かれる。

⇒ベルリン・天使の詩のあらすじとネタバレ感想

第2位 都会のアリス

注目ポイント&見所

ドイツのルポライター、フィリップがニューヨークから帰国する際に、9歳のアリスという少女と出逢い、トラブルから二人で旅をする事になってしまう、小さなハプニングの連続を描いた心温まる作品。アリスの存在が、仕事に行き詰まったフィリップにとって、いつしかなくてはならないような心の拠り所となってゆく心境の変化が、粒子の粗いモノクロームの世界で淡々と紡がれてゆく旅のストーリー。小悪魔的なアリスの表情が何とも魅力的に捉えられた、少々ロリコン気味の作品になっているのは監督の狙いかも知れない。

⇒都会のアリスのあらすじとネタバレ感想

第3位 善き人のためのソナタ

注目ポイント&見所

ベルリンの壁崩壊前の東ドイツで、共産党の命により芸術家の家の屋根裏からその生活を監視するうちに、自由主義の思想へ傾いて行く主人公の物語。自由主義の思想を目の当たりにしても絶対に心変わりをしないという、社会主義の偏った思想がもろくも崩れ、心の不確かさと感情の変化をリアルに描いた物語。不自由という状況下に置かれれば、本来の自由いうものの実態が見えてくる。知る権利を剥奪するリスクは余りにも大きく、人の心は移ろいやすいという無常観にも通じる作品である。

⇒善き人のためのソナタのあらすじとネタバレ感想

第4位 ブリキの太鼓

注目ポイント&見所

生まれながらに思考を備え、大人の世界を嫌って自ら成長を止めてしまった少年オスカルの物語。大人の醜悪さと子供の残虐さを併せ持つ、少年の仮面を被った主人公を取り巻く地獄絵巻。直接的でグロテスクな描写に目を背けたくなるような、おぞましく奇天烈で極めて見せ物的な異界の物語である。油断してプロセスに気を取られていると吐くかも知れません。海辺のシーンが出て来たら要注意。

⇒ブリキの太鼓のあらすじとネタバレ感想

第5位 ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ

注目ポイント&見所

渋すぎるキューバの老ミュージシャンが奏でる、異国情緒溢れる音楽の世界。ハバナの美しい町並みに生活する音楽家たちは、一度輝かしい世界で脚光を浴びながらも、その後は社会主義の故郷でひっそりと暮らしていたのだが、その眠っていた音楽をライ・クーダーが再び呼び覚まし、ヴィム・ベンダースが色彩を加えたキューバ音楽の魅力が満載のドキュメント作品。人生を謳歌するミュージシャンたちの演奏する姿が余りにも神々しい。

⇒ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブのあらすじとネタバレ感想

第6位 U・ボート

注目ポイント&見所

潜水艦という密室に閉じ込められ、海という人が住めない場所においての戦闘の恐怖をリアルに描いた戦争映画。敵の機雷に触れれば忽ち海水に飲み込まれる緊迫感が狭い艦内の隅々にまで浸透し、次第に消耗し狂気に苛まれてゆく兵士の心境が戦場の恐怖を克明に描き出す。そして映画史に刻み込まれた悲壮なクライマックスには、何度観ても言葉を失うような喪失感に襲われる。閉所恐怖症の人にはお勧め出来ません。

⇒U・ボートのあらすじとネタバレ感想

第7位 ヒトラー 最期の12日間

注目ポイント&見所

ナチスドイツの総統として君臨したアドルフ・ヒトラーが、連合軍の攻撃により自殺を遂げるまでの数日間を克明に描いた作品。今までタブー視されるように描かれなかったヒトラーの人間像を、ドイツの名優であるブルーの・ガンツが迫真の演技で演じる。ナチス親衛隊の終焉を人間ドラマとして捉えたものだが、ヒトラーの死亡後に、側近のゲッベルス夫妻が、自分たちの子供に毒を盛り殺害した後、自らも拳銃自殺するまでの描写は凄まじい。戦争が終わった後の描写も開放感はなく、空しさしか残らない。

⇒ヒトラー 最期の12日間のあらすじとネタバレ感想

第8位 パリ、テキサス

注目ポイント&見所

家族を捨てテキサスの砂漠を彷徨ううちに記憶を失いかけた主人公が、再び家族と再開するまでのロードムービー。ストーリーも家族の在り方を問うように淡々と紡がれて行くのだが、最後に出逢った妻に息子を託し、自らは身を引いて去って行く主人公の心情がなんとも切なく描かれる。広大なアメリカの大地を背景にライ・クーダーのスライドギターに心を揺り動かされる、ある家族の物語を切なく綴った私小説である。子役のハンター・カーソンの存在感がいい。

⇒パリ、テキサスのあらすじとネタバレ感想

第9位 グッバイ、レーニン!

注目ポイント&見所

ベルリンの壁崩壊前の東ドイツで改革デモに参加するアレックスを、愛国主義者の母が目撃しショックで昏睡状態に陥るといういきさつ。8か月の昏睡状態から母が目覚めた時は、東と西が統一してしまっているのだが、その社会的な事実を、母の体を労い隠匿しようと奮闘するコメディ的でもある社会派ドラマ。レーニン像がヘリコプターに吊られる場面や、東ドイツのマルクをビルの屋上から主人公が撒き散らかす場面も印象的だが、理不尽とも思われる社会主義の母国も、生まれ育った人には故郷であるという微妙なテーマに、国家というものを考えさせられる作品である。

⇒グッバイ、レーニン!のあらすじとネタバレ感想

第10位 ヒトラーの贋札

注目ポイント&見所

国家レベルでの偽札作りに加担を強いられた偽札作りのプロが、ユダヤ人強制収容所で送った日々の実話を元にした物語。犯罪者という立場ながら、スペシャリストとしての腕を買われた相手がナチスという無情さが、本作の悲劇性を強調させる。ただ死を待つという立場の捕虜ではなく、敵の戦略の片棒を担がされるという母国への背信行為と、アウシュビッツで虐殺された囚人のパスポートを、偽札の原料として使用しなければならない精神的な打撃など、真綿で首を絞められるような苦痛が随所に折り込まれ、人間の尊厳を切り裂かれる描写が痛々しい。

⇒ヒトラーの贋札のあらすじとネタバレ感想

まとめ

選んだ10作品の中でヴィム・ベンダースの監督作品が4本という内容ですが、彼の作品は旅をテーマにした者が多く、ドイツを舞台にばかりしている訳ではないのですが、その国際的な評価はドイツを代表する映画監督と言っても過言ではないでしょう。ここで紹介出来なかった中にも素晴らしい作品が多く、機会があればぜひ鑑賞されてはいかがでしょうか。

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