『ドラゴンハート』あらすじ感想とネタバレ映画批評・評価

ドラゴンハートの概要:「ドラゴンハート」(原題:Dragonheart)は、1996年のアメリカ映画。監督は「ドラゴン/ブルース・リー物語」、「デイライト」のロブ・コーエン。主演は 「ライトスタッフ」、「ワイアット・アープ」のデニス・クエイド。ドラゴンのドレイコの声優に「レッド・オクトーバーを追え!」、「ロシア・ハウス」のショーン・コネリーが担当している。共演は1965年の「ダーリング」でアカデミー主演女優賞に輝いた、ジュリー・クリスティ、「太陽と月に背いて」のデヴィッド・シューリスなど。

ドラゴンハート

ドラゴンハート あらすじ

映画『ドラゴンハート』のあらすじを紹介します。

時は10世紀のヨーロッパ。戦争による分裂状態が続く国で農民が決起して暴動を起こし、若きアイノン王子の目の前で圧政の限りを尽くした、父のフライン王が殺害され、アイノン王子自身も重傷を負う。母のアイリン女王(ジュリー・クリスティ)は何とか息子を救おうと、王子の側近でアーサー王の騎士道精神を信条とする騎士ボーエン(デニス・クエイド)と共に、山奥にあるドラゴンの住む洞窟に向かう。そこで彼はアイノン王子に、慈悲深い心で国の統一を行い、恐怖政治を廃止させるよう契約を取り交わしたドラゴンは、自分の胸を切り開き心臓の半分を与えた。しかし、成長し王位に就いたアイノン(デイヴィッド・シューリス)は父以上の暴君となり民衆を苦しませ続ける。そんな姿を見たボーエンは、ドラゴンが心臓の半分を与えたからだと思い込む。失望した彼は城を出て、ドラゴンを殺すことだけに執念を燃やすドラゴンハンターとなる。そんなある日、人間の言葉で「なぜ我々を殺す」と語りかけたドラゴンに、ボーエンは戦いを挑むが互角に終わり、意気投合した両者は協定を結ぶ。彼らは国中を旅して歩き、ドラゴンが人間を襲う振りをし、そこへボーエンが現れて退治する演技を続けて金を稼ぐ。そんな中でドラゴンは騎士道を説くが、ボーエンは努力しても世界は変わらないと虚無的に反論する。しかしドラゴンの言葉に心を動かされ始めていたボーエンは、最後のドラゴンとなった彼に”ドレイコ”と名付ける。やがて彼らはアイノンを父の仇と狙うカーラ(ディナ・メイヤー)という娘と出会う。アイノンは彼女を引き渡すようボーエンに迫るが彼は拒否する。ドレイコは戦いで怪我を負ったボーエンの命を救い、アーサー王が眠る聖地アヴァロンで、アイノンとの運命の絆を告白し、心臓を半分与えたために魂をも失ったと語った。その言葉で騎士道精神を呼び起こされたボーエンは、民衆を救おうとアイノンに戦いを挑むことを決意する。カーラや僧侶のギルバート(ピート・ポスルスウェイト)の力を借りて、決起したボーエンたちはアイノンに勝利するが、彼の死は心臓を半分共有しているドレイコの死でもあった。死を迎えようとしているドレイコは、「星座になって皆を見守っている」と言い残し、ボーエンたちに平和を託し絶命した。

ドラゴンハート 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:1996年
  • 上映時間:92分
  • ジャンル:ファンタジー
  • 監督:ロブ・コーエン
  • キャスト:デニス・クエイド、デヴィッド・シューリス、ピート・ポスルスウェイト、ディナ・メイヤー etc

ドラゴンハート 批評 ※ネタバレ

映画『ドラゴンハート』について、2つ感想批評です。※ネタバレあり

ファミリー向けファンタジーの良作

描かれている人間の業の深さと対比的に、悪の化身というイメージであるドラゴンの紳士的な表現が印象深い。ドラゴンに命を救ってもらいながら、王子の素行が悪くなったのがドラゴンのせいだと、逆恨みしてドラゴンたちを倒してゆくボーエンが悲しく映ってしまう。ドラゴンというものは口から火を噴き、恐竜のような爪と牙を持ち、さらには大きな翼で空を飛ぶという最強のイメージなのであるが、心優しいばかりに悲劇的な存在として描かれるというところはファンタジックな王道のシナリオである。しかしながらその聖人君子のようなドラゴンの声を吹き替えている、ショーンコネリーが意外にも印象深く、声の存在がこれほどまでに効果的であるというのも改めて実感させられた次第である。ドラゴンであるドレイコの描写もファンタジーらしい人間的表現が巧みに描かれ、話の展開も複雑でなくアクションなどメリハリの効いたシーンがテンポ良く進み、途中で退屈するような箇所も観られない。大人から子供まで楽しめるファミリー向けの映画として、エンターテイメント性に重点を置かれた佳作である。

主役を引き立たせる渋めのキャスティング

ドラゴンのCGが1996年の作品とは思えない程素晴らしく、空を飛ぶ雄大さや、ドレイコの表情なども豊かに描き出すキャラクターデザインは、充分に考慮された作りである。フライン王とアイノン王子の暴君らしさも板に付いており、勧善懲悪ものの悪役としての救いようの無さがドレイコと実に対極的である。脇役の僧侶役であるP・ポスルスウェイトや、女王役のジューン・クリスティなどのキャスティングも嵌り役で渋い演技を見せている。

ドラゴンハート 感想まとめ

子供向けという設定でもなく、それでいてリアル過ぎないおとぎ話的ファンタジーに好感が持てる。ボーエンがドラゴンと組んで詐欺をする設定など、ユニークなシチュエーションも見所である。ショーン・コネリーの声の存在感でドレイコが非常に魅力的なキャラクターとなっており、それが本作の最大の売りどころとして成功している要因だろう。寓話的な物語もそれなりの深みを持ち、画面の美しさや、使用されている音楽もストーリーを盛り上げる大きな要因として活かされている、ドラゴンという怪獣に人間的なキャラクターを特徴付け、道徳的な啓蒙を嫌みなく描いた作品として、小中学生などに是非鑑賞していただきたい映画である。

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