映画『殺しのドレス』あらすじとネタバレ感想

殺しのドレスの概要:「ミッション:インポシブル」(96)のブライアン・デ・パルマ監督のサイコ・サスペンス。ヒッチコック的手法を用い、後にデ・パルマ・タッチという独特な技巧を確立。マイケル・ケイン主演、1980年アメリカ映画。

殺しのドレス あらすじ

殺しのドレス
映画『殺しのドレス』のあらすじを紹介します。

アメリカ、ニューヨーク。主婦ケイト・ミラー(アンジー・ディキンソン)は、夫婦生活に不満を感じ、精神科医ロバート・エリオット(マイケル・ケイン)に相談していた。”私って魅力あるかしら?”と医師ロバートまで誘惑してしまう始末。その後、美術館で義母を待つが、来ない。
美術館で出会った男に惹かれ、その場限りの関係を持ってしまう。しかし、情事の後、アパートのエレベーターの中で女装した男にカミソリで刺殺されてしまう。偶然、エレベーター付近で殺人を目撃したのが、娼婦のリズ・ブレーク(ナンシー・アレン)。
リズは証拠のカミソリを持ったまま、警察へ行き事情を話すが、反対に犯人にされそうになってしまう。警察では遺体の身元確認の為、ケイトの息子ピーター(キース・ゴートン)が呼ばれます。ピーターは、コンピューターに詳しい科学少年。母を殺した犯人を捕まえるため、独自の捜査をはじめます。

リズは、マリーノ刑事(デニス・フランツ)から、もう一人の目撃者を連れてこいと言われるが、できない。しかし、犯人は目撃者であるリズを殺すために狙っていた。リズは女装の男につき狙われ、地下鉄へと逃げます。
同じ電車に乗り合わせていたピーターの機転で間一髪、あぶないところを助けられます。それをきっかけにリズとピーターは2人で協力して犯人捜しをすることに。ケイトが通っていた精神科の顧客が怪しいと考えた2人は患者の名簿を探るが、その時、医師ロバートの秘密を知ってしまう。

医師ロバートの秘密。それは、医師という顔の他にロビーという女装癖を持った男の二重人格だった!のちに彼は、”ロビーが殺した”と告白します。リズは事件解決後も、シャワー・ルームを出たところで変質者に殺される悪夢を見てうなされてしまう。

殺しのドレス 評価

  • 点数:60点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:1980年
  • 上映時間:105分
  • ジャンル:サスペンス
  • 監督:ブライアン・デ・パルマ
  • キャスト:マイケル・ケイン、ナンシー・アレン、アンジー・ディキンソン、キース・ゴードン etc

殺しのドレス ネタバレ批評

映画『殺しのドレス』について、感想批評です。※ネタバレあり

「サイコ」×ブライアン・デ・パルマの異色サスペンス

ヒッチコックの映像手法を随所に取り入れ、映画「サイコ」の有名なシャワー・ルームでの殺人を伏線として用いている点に注目して下さい。冒頭の主婦ケイトがシャワー・ルームで襲われるシーン(とても官能的)と、ラストで娼婦リズがシャワー・ルームを出たところで首を切られるシーン(これは夢)です。

これから殺人が起こるであろう予感、もしかしたら私も襲われてしまうかもしれないという恐怖が想像できて見事です。また探偵役が面白い。被害者ケイト・ミラーの息子ピーターと、殺人現場を偶然目撃してしまった娼婦リズとのコンビ。若い推理が冴えます。官能的なシーンと異色のコンビによる推理劇が2大見どころです。

そして、忘れてはならないのが、女装癖を持った男が犯人だということ!ヒッチコックの名作「サイコ」でも、サイコ・キラーは女装癖のある男でしたね。「サイコ」の持つ魔力が本作でも発揮されており、「サイコ」ファンにもたまらない作品になっています。

マイケル・ケインの名演技で魅せる、2重人格者の恐怖。

今ではすっかり、サイコ・キラーの犯罪が珍しくなくなっていますが、改めて映画で観るとやはり恐ろしいと思います。犯人の周到さ、周囲が気付かないうちに忍び寄る影など、ホラー映画と同等かそれ以上のスリルがあります。本作の犯人役を演じる、マイケル・ケインの演技も上手く、途中まで本当にだまされてしまいます。

精神科医エリオットのオフィスに残る留守電には、エリオットの顧客を名乗るボビーから、”先生のカミソリを借りたよ。先生は僕を治してくれない・・”というメッセージが。殺人告白?ともとれる内容かつトラップでした。こうして、エリオット医師は1人2役を演じていたのです。冷静で患者思いの医師から、女装癖のある残忍なサイコ・キラーへの変化。

執拗に娼婦リズを殺そうとするシーンも必見です。ちっとも怪しい雰囲気がなく、サイコ・キラーになった時の存在感が不気味。マイケル・ケインの代表作は、「ハンナとその姉妹」(86)や「リトルヴォイス」(98)、「サイダーハウス・ルール」(99)などで、いずれもゴールデングローブ賞助演賞やアカデミー助演男優賞を受賞しています。知的で狡猾な男を演らせたら、彼が1番だと思います。ぜひ、ご期待下さい。

殺しのドレス 感想まとめ

アルフレッド・ヒッチコック監督作品に影響を受けた映画作家は多く、ブライアン・デ・パルマの他に「シックス・センス」を撮ったM・ナイト・シャマランなどがいます。

何故これほどヒッチコックの映像手法が繰り返し使われるのか?その魅力は本作にも現れており、”シンプルで合理的かつ恐怖を心理的描写できる点”にあると思います。精神科医で女装癖の殺人鬼を演じる、マイケル・ケインの名演技に最後までだまされてしまう。

えっ、本当に彼が犯人なの?と感じる瞬間が1番心地よいのです。また被害者の息子ピーターと殺人現場を目撃してしまった娼婦リズの探偵コンビも必見です。2人がいたからこそ、後味の悪い映画にならなくて済んだのかも。生き生きとした人物造形やストーリー展開が魅力の作品です。ただヒッチコックの映像手法を意識しているとはいえ、最後の娼婦リズが見る悪夢(シャワー・ルームを出たところで刺される)は余分だったかもしれません。そのシーンがなくても十分、怖い映画です。

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