映画『英国式庭園殺人事件』あらすじネタバレ結末と感想

英国式庭園殺人事件の概要:ピーター・グリナウェイ監督の長編デビュー作。出演はアンソニー・ヒギンズ、ジャネット・サズマン、アン=ルイーズ・ランバート。庭園殺人を描いたサスペンス。1982年製作イギリス映画。

英国式庭園殺人事件 あらすじネタバレ

英国式庭園殺人事件
映画『英国式庭園殺人事件』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

英国式庭園殺人事件 あらすじ【起・承】

1694年、イギリス。画家のネヴィル(アンソニー・ヒギンズ)は、貴族のハーバート夫人(ジャネット・サズマン)に呼ばれて夜会に行った。

夜会には、ハーバート夫人の娘サラ(ジャネット・サズマン)、サラの夫タルマン(ヒュー・フレイザー)、そして執事のノイズ(ニール・カニンガム)がいた。

ネヴィルに、主人のハーバート氏が旅行の間、12枚の絵を描いて欲しいという。
その条件として、

1、絵画1枚につき、8ポンドを支払うこと。
2、毎日の食事と部屋を支給すること。
3、夫人と関係をもってもよい。

とハーバート夫人側から提案してきたのだ。
こうして、画家ネヴィルは館に滞在しながら描くことになった。
ところが、2日目を迎えた時から、庭にいるとおかしな事ばかりが起きてしまう。

紳士用のシャツやマントが木の枝に引っかかっていたり、前日にはなかったハシゴが置かれていたりするのだ。誰か庭にいるのかもしれない。

画家ネヴィルの12枚の絵がついに完成した。
ところが、旅行に出かけたはずのハーバート氏の遺体が庭の池で発見された。

英国式庭園殺人事件 あらすじ【転・結】

ハーバート氏は一体、誰に殺されたのか?ハーバート一家を含め、誰もが怪しい。
画家ネヴィルの絵が、不倫の証拠ではないかと疑われて、娘サラの夫が12枚全てを買い取ることになってしまう。

そのお金で、亡き夫ハーバート氏の記念碑を建てるらしい。ハーバート氏の遺産を巡って、骨肉の争いが始まっていた。

そんな中、画家ネヴェルは再び、ハーバート夫人から呼ばれた。
もう1枚、絵を描いて欲しいと言われ、渋々描くことを決めた彼は、馬の像を中心にした絵を描くのだった。

ある晩、絵が完成した頃、5人のマスクを付けた貴族の男たちがネヴェルの前に現れた。
絵を見せていたが、どうも様子がおかしい。その中の1人が合図をすると、ネヴェルはいきなり後ろから殴られ気を失ってしまった。

その後、更に殴られて殺されてしまう。庭の池に捨てられたネヴェルの死体。
その様子を、緑色の顔をした裸の男が眺めていた。ネヴェルを助けることもなく、
パパイヤのような果実をむさぼり食らうのだった。

最後に、画家ネヴェルの絵は、証拠隠滅のため燃やされた。

英国式庭園殺人事件 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:1982年
  • 上映時間:108分
  • ジャンル:サスペンス、コメディ
  • 監督:ピーター・グリーナウェイ
  • キャスト:アンソニー・ヒギンズ、ジャネット・サズマン、アン・ルイーズ・ランバート、デイヴ・ヒル etc

英国式庭園殺人事件 批評・レビュー

映画『英国式庭園殺人事件』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

ピーター・グリナウェイに騙されろ!絵に描かれた殺人?

ピーター・グリナウェイ監督の世界って、不思議の国のアリスみたいだ。
白と黒の対比や、映像というキャンパスに構図や色、役者を乗せているような感じ。

この映画のチラシを観ると、アガサクリスティーの「オリエント急行殺人事件」を模したようなミステリーであると書かれています。それでは、犯人は探偵役などを除いた全員?になるのだろうか。しかし、本作には探偵役など存在しない。

絵画のような映像をじっくり観ても、犯人らしき姿は映ってないのだ。途中から、眠くなりもう、犯人探しさえ、どうでも良くなるのだ。

「英国式庭園殺人事件」というミステリー風な題名に惹かれて観たが、これはミステリーなどではなくて、ピーター・グリナウェイ監督のデビュー作なので実験作品なのではないか。彼にとって、どう見えるかが重要なのだ。殺人らしく、という感じ。

あえていうならば、画家のネヴィルが描いていた絵にその証拠が描かれているのかもしれない。しかし、誰が殺したのかは永遠の謎だ。

死と肉欲が常にテーマ!ピーター・グリナウェイ作品の憂鬱

イギリス流のアート作品は、シモネタや皮肉が挨拶がわりだと聞いたことがあります。
俳優でも、涼しい顔をしながら毒舌家が多いらしい。そんなわけで、ピーター・グリナウェイ作品は、皆さまにおすすめできないものばかりです。

特に「コックと泥棒、その妻と愛人」(89)なんて、シモネタしかないといっていいほど観るのが辛い。フランス映画のような、オシャレな題名に騙されないようにして下さい。

そんなカルト映画ばかりの印象がありますが、美術好きには見逃せない作品もあります。
それは、マーティン・フリーマン主演の「レンブラントの夜警」(07)。

画家レンブラントが描いた、「夜警」をベースに絵の謎を掘り下げてゆくという、グリナウェイ監督にしか撮れない作品です!
画家になるのが夢だったという監督なので、当然、学芸員の資格も持っているそうです。

長編デビュー作の「英国式庭園殺人事件」から、一貫して描いているのは汚い・卑猥なものをどう魅せるか。
西洋と東洋の文化の違いも大きくあるので、受け入れられるかどうかに委ねられています。

英国式庭園殺人事件 感想まとめ

イギリスの貴族の暮らし、というと、「ダウントン・アビー」のような優雅な暮らしを想像してしまいますが、この作品では男性は皆、バッハのような風貌・様相をしています。

着ている服も黒か白。誰が誰なのか分からなくしているのが、もうピーター・グリナウェイの魔法にかかっている証拠かも。

だから、誰が殺したかなんて分からなくてもいい。それよりも、庭園内を裸でウロウロしている人の方が気になります。

シェイクスピア劇に道化師が出てきますが、そのような存在なのでしょうか?
台詞もない謎の存在です。
もしかしたら、人の心の中に住む悪魔を見せているのか?

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