『イングリッシュ・ペイシェント』あらすじとネタバレ映画批評・評価

イングリッシュ・ペイシェントの概要:「イングリッシュ・ペイシェント」(原題:The English Patient)は、1996年のアメリカ映画。監督は「最高の恋人」のアンソニー・ミンゲラ。主演は「シンドラーのリスト」のレイフ・ファインズ。共演に「フォー・ウェディング」のクリスティン・スコット・トーマス。「ポンヌフの恋人」のジュリエット・ビノシュ。「プラトーン」のウィレム・デフォーなど。1996年の第69回アカデミー賞で8部門に輝いた。

イングリッシュ・ペイシェント

イングリッシュ・ペイシェント あらすじ

映画『イングリッシュ・ペイシェント』のあらすじを紹介します。

1944年のイタリア。砂漠の飛行機事故で全身に火傷を負い、生死をさまよう男が野戦病院に運び込まれた。戦争で恋人も親友も失い絶望の淵にあった看護婦のハナ(ジュリエット・ビノシュ)は移動する部隊を離れ、爆撃で廃墟と化した修道院に患者を運び込み、献身的な看護を続けていた。男は断片的に甦る記憶をハナに伝える。彼の名はアルマシー(レイフ・ファインズ)と言い、ハンガリー貴族の家柄に生まれた冒険家だった。英国地理学協会に所属し、サハラ砂漠で地図作りに携わっていた。協会のスポンサーとして夫ジェフリー(コリン・ファース)と共に参加していたキャサリン(クリスティン・スコット=トーマス)は、夫がカイロに戻った後も砂漠に残った。アルマシーはたちまち彼女に心奪われる。猛烈な砂嵐に見舞われた一夜、二人きりで過ごしたジープの中で互いの心を知った彼らは、カイロに戻ってアルマシーの宿舎で結ばれる。人目を忍び密会を重ねる日々に、キャサリンは愛される喜びと、夫に対する罪悪感の狭間で揺れる。
世界で戦争の機運が高まり、彼女はアルマシーと別れて帰国しようとするが、彼には彼女のいない人生は考えられなかった。二人の関係はやがてジェフリーに知れ、彼は嫉妬に狂った復讐の決意を胸に、小型機でキャサリンを伴いアルマシーの元へ向かった。

そしてハナの前にカナダ人のカラヴァッジョ(ウィレム・デフォー)が現れ納屋に居候する。戦前のカイロで英国情報部に出入りしていた彼は、スパイ容疑でドイツ軍将校に親指を切り取られ、その原因がアルマシーと思い込み、報復を果たそうと行方を探していた。さらに爆弾処理専門のインド人キップが修道院の中庭にテントを張って住み始め、ハナとキップの間に愛が芽生える。一方、カラヴァッジョが敵意を剥き出しにし、アルマシーの親友マドックスは彼がスパイだと知り拳銃自殺したという言葉に、アルマシーの記憶が一気に甦る。あの日キャサリンもろとも自殺を目論んだジェフリーは、地上のアルマシーに向かって飛行機を突進させるが失敗。ジェフリーは絶命し、アルマシーは瀕死の重傷を負ったキャサリンを洞窟に運び「必ず戻ってくる」と約束し、砂漠を三日三晩歩き続けるが、ようやく辿り着いた町で彼はスパイ容疑を掛けられる。護送列車から脱走したアルマシーは愛する人の命を救いたい一心で、地図をドイツ軍に売り渡し、飛行機でキャサリンの許へ急いだ。だが時既に遅く彼女は息絶えていた。アルマシーは彼女の亡骸を乗せ、飛行機で彼女の故国イギリスを目指して砂漠を飛び立つ。やがて、彼の機は撃墜され、英国人の患者として収容された。ハナの話を聞き終えたカラヴァッジョの胸からは、報復の決意は消えていた。

スコーピオン・キング 評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:1996年
  • 上映時間:92分
  • ジャンル:ラブストーリー、サスペンス
  • 監督:アンソニー・ミンゲラ
  • キャスト:レイフ・ファインズ、ジュリエット・ビノシュ、クリスティン・スコット・トーマス、ウィレム・デフォー etc

スコーピオン・キング 批評 ※ネタバレ

映画『スコーピオン・キング』について、2つ批評します。※ネタバレあり

美しい風景のなかで育まれた悲しい恋の物語

悲恋の物語を第二次大戦の混乱を絡め巧みに描かれている。脚本がよく練られており、3時間近いストーリーの中で様々な要素が盛り込まれている。本作は、戦時中という特殊な状況の中、強い絆で結ばれていると思えたのだが、戦争が終わってみると儚くも消え去ってしまうという現実が物哀しい。描かれた人間関係は最後に全てが壊れてしまう。アルマシーとキャサリンの激しい愛が物語の骨格で、ハナとキップの穏やかな恋愛がサイドストーリーとして対照的に描かれる。サハラ砂漠とイタリアの田舎の風景もよく描写されており、二つの恋愛は各々の背景で展開され、砂漠でのシーンはこの映画を強烈に印象付けている。簡潔に言えば戦争を介在した運命的な出逢いによって、不倫をしてしまう主人公の悲哀を描いているのだが、こういった作品はその背景にある風景が美しいほど、それに馴染むように物語も美化されるというものだ。非日常という世界の中で紡ぎ出されるおとぎ話のような恋の物語である。

原作のタイトルに何故か惹かれる

戦時下の愛の悲劇という大きな時代の流れに翻弄されるという話ではなく、戦争は小道具のような存在に過ぎず、必ずしも描かれている愛のあり様と戦争は直接的な関わりを持っていない。苦悩というにはほど遠い恋愛のナルシズムを描いた感はあるのだが、多くの恋愛映画で描かれてきたお約束のような風景描写は見事である。サハラ砂漠やイタリアの田園風景を描く必然性は戦争という史実の中で活かされている。原作の小説『イギリス人の患者』という表現の方がぴったりくる気がしてならない。文章で読んだ方がいいのかもしれない。

まとめ

カメラワークや設定も充分に配慮されて、とにかく画面が美しい。そしてどうぞ恋愛映画を撮ってくださいと言わんばかりの風景である。ドラマ性をじっくりと分析すると痛々しいところも多いので割愛させていただくが、壮大なスケールで送る恋愛映画というところで心を動かされる人と、動かされない人に別れるだろう。淡々と紡がれるロマンティックなラブストーリーである。サプライズはない。

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