ファミリー映画のおすすめランキング10選 | MIHOシネマ

ファミリー映画のおすすめランキング10選

ファミリー映画ということで、親子で鑑賞できる実写映画を紹介したい。子供向けのアニメ映画ではなく、子供は子供、大人は大人の楽しみ方ができるような作品を選んでみた。“まだうちの子には難しいかも”なんて思わずに、親子でどんどん挑戦してみて欲しい。

ファミリー映画のおすすめランキング10選

第1位 E.T.


郊外の住宅街で、母親と兄と妹と暮らしている10歳のエリオットは、地球に取り残されてしまった宇宙人のE.T.と出会い、彼を守って故郷の星へ帰してあげようと奔走する。

1982年公開のスティーヴン・スピルバーグ監督による大ヒット映画。SF映画だが、主軸はE.T.とエリオット少年の友情物語になっており、ヒューマンドラマとしての完成度も高い。エリオットの両親は別居中で、父親っ子だったエリオットは、母親に複雑な感情を抱いている。しっかり者の兄と素直な妹に挟まれ、エリオットは家庭内で少し浮いた存在だ。その孤独感が、見知らぬ地球でひとりぼっちになってしまったE.T.の孤独感と重なり、2人が強い絆で結ばれていくという設定がとてもいい。

E.T.のキャラクターも非常にユニークで、親しみを感じずにはいられない。子供たちが、“私もE.T.に会いたい!”と自然に思ってしまうような、キュートな魅力に溢れている。クライマックスで、エリオットとE.T.が自転車ごと空を飛ぶ幻想的なシーンは、ジョン・ウィリアムズの音楽の素晴らしさもあって、何度観ても胸が高ぶる。コミカルなシーンも随所に散りばめられており、子供と一緒に楽しむには、最高に良質なSF映画ではないだろうか。

詳細 E.T.

第2位 ボビー・フィッシャーを探して


公園のストリート・チェスを見て、チェスを始めた7歳のジョシュは、天才的な才能を発揮して、周囲の大人たちを熱くさせていく。

最近は天才中学生プロ棋士・藤井聡太四段の活躍もあり、日本は将棋ブームに沸いている。子供向けの将棋教室も大人気のようで、“もしかしたらうちの子も…”と思っている親御さんは多いだろう。

子供に才能があるというのは、親として文句なしに嬉しいことだ。できればその才能を伸ばしてあげたいと思うのが親心であり、ほとんどの子供はそんな親の期待に応えようと頑張る。

この物語の主人公ジョシュも、父親のフレッドもまさにそんな親子で、息子にチェスの才能があると知ったフレッドは、最高のコーチをつけて、その才能を伸ばしてやろうとする。しかしジョシュは、人の気持ちが分かる心優しい少年で、その性格の良さがジョシュの足を引っ張ることになる。ジョシュはチェスが大好きだが、ライバルを憎んでまで勝負に勝ちたいとは思っていない。次第に追い詰められていくジョシュは、負けることに恐怖を感じ、チェスを楽しめなくなってしまう。

これは実話を基にした物語なので、ジョシュがぶつかる壁や親の葛藤がとても現実的。親の気持ちと子供の気持ちの両方が丁寧に描かれているので、どちらの目線で見ても共感できる部分は多い。親としては、“自分のエゴを子供に押し付けてはいないだろうか”と冷静に考え直す、いいきっかけになる。

詳細 ボビー・フィッシャーを探して

第3位 ネバーエンディング・ストーリー


最近母親を亡くし、学校にも馴染めないでいるいじめられっ子のバスチアンは、怪しい書店から「ネバーエンディング・ストーリー」という不思議な本を持ち帰る。それは、ファンタージェンと呼ばれる国を救う勇士アトレーユの物語で、本を読み進めていくうちに、バスチアンは自分がこの物語に深く関わっていることに気づいていく。

ファンタージェンには、多くの不思議な生き物が生きている。どのキャラクターも造形に愛嬌があるし、性格もどこか人間臭い。生きた化石のモーラは若者アレルギーでくしゃみばかりしているし、白竜のファルコンは健康オタクっぽい小人の老婦人になぜかビタミン注射を打たれている。他にも子供の感受性と好奇心をくすぐる多くのキャラクターが登場するので、そこは理屈抜きで楽しい。

しかし物語のテーマは深い。ファンタージェンはバスチアンの豊かな想像力でできている。つまりバスチアンは、ファンタージェンの創造主なのだ。しかし最近のバスチアンは、母の死やいじめといった過酷な現実にぶち当たり、空想世界で遊ぶ楽しさや願いは叶うという希望を失いつつある。このバスチアンの虚無感が、「無」と呼ばれる得体の知れない巨大な敵を作り出し、ファンタージェンを破壊していく。

ファンタージェンは、多くの人が気づかないまま失ってしまった夢と希望でできている。それがわかると、なんとも切ない気持ちにさせられる。だからこそ、再生の道を提示してくれるラストに勇気を貰える。

詳細 ネバーエンディング・ストーリー

第4位 グーニーズ


屋根裏部屋で海賊のボス“片目のウィリー”が遺した宝の地図を見つけたマイキーは、借金返済に苦しむ両親を助けるため、“グーニーズ”と呼ばれる仲良し4人組で、ウィリーの宝を探す冒険に出る。しかし凶悪なギャングの親子“フラッテリー一家”も、宝を横取りしようとマイキーたちの後を追ってくる。

“グーニーズ”とは“まぬけな奴ら”といった意味合いの彼らを馬鹿にした言葉で、グーニーズのマイキー、マウス、チャンク、データは、いわゆる落ちこぼれの冴えない4人組。マイキーは喘息持ちの虚弱体質、マウスは口ばかり達者なお調子者、チャンクは虚言癖のあるおデブな食いしん坊、データは役に立たない発明品を作り続ける中国系移民で、みんな家庭も裕福ではない。

それぞれに問題を抱える彼らにとって、ウィリーの宝を探す冒険は、起死回生の一発逆転を狙う大博打なのだ。特に、借金のため地元の資産家に土地家屋を没収されかけているマイキーの家は、お金がなければこの町を離れるしかない。そのためマイキーは、大真面目で宝を探す。他の3人も“それなら俺たちも付き合うか”といった気のいい連中で、優等生にはないユルさが彼らの魅力だ。

彼らを追いかけるフラッテリー一家の悪党キャラも、この冒険物語には欠かせない。極悪にして最強のママには3人の息子がいる。中でも末っ子のスロースは、心優しい悲しき怪物といった風体の男で、おデブのチャンクと密かに友情を育む。この2人のやりとりが微笑ましく、とにかく笑える。

子供たちが活躍する冒険物語の最高峰は、この作品ではないかと思う。これほどワクワクドキドキして、笑って泣ける冒険物語は、そう簡単には見つからない。まさにウィリーの宝のように貴重な作品だ。

詳細 グーニーズ

第5位 チャーリーとチョコレート工場


ウィリー・ウォンカの巨大なお菓子工場のすぐそばに住む少年チャーリーは、ウォンカが5枚のチョコレートにしのばせた金のチケットを引き当て、憧れの工場を見学することに。しかし、ウォンカはかなり奇妙な人物で、チャーリー以外の子供たちは、大変なことになってしまう。果たしてウォンカの狙いとは?

ロアルト・ダールの児童文学「チョコレート工場の秘密」をティム・バートン監督が実写化した夢のある作品で、いたるところにティム・バートンのユーモアセンスと毒気が散りばめられている。

ジョニー・デップが演じたウォンカと、フレディ・ハイモアが演じたチャーリーもいいが、脇役たちの活躍も見逃せない。チャーリーが同居している4人の祖父母やチャーリーと工場見学をする4組の親子は、それぞれにいい味を出している。個人的には、ひたすら勝ちにこだわるバイオレットの母親が、アメリカのセレブ女性を象徴するような野心的な毒々しさに満ち溢れていて、妙に笑えた。

この映画には、原作にはない設定も多く、特に印象的なのはウィリー・ウォンカと歯科医の父親の親子関係だ。なぜウォンカが広大なお菓子工場の経営者になったのか。そして家庭を持たず孤独に生きているのか。そういうウォンカの謎は幼少期のトラウマにあるのだということを、後半の回想シーンでかなり丁寧に見せてくれる。この新設定は、原作ファンにとっても面白かったのではないだろうか。

チャーリーが不思議なチョコレート工場を冒険するというファンタジックな物語に加えて、子育てや良好な親子関係を築くことの難しさ、さらに人間の幸福についてまでさりげなく言及している点も、ティム・バートン監督らしい。途中の映像や音楽に見られえる名作へのオマージュ的なシーンは、お菓子のおまけのようでちょっと嬉しい。

詳細 チャーリーとチョコレート工場

第6位 バック・トゥ・ザ・フューチャー


1985年。高校生のマーティンは、親友の科学者ドクが発明したタイムマシンに乗り、まだ自分が存在しない1955年の世界へタイムスリップしてしまう。そこには、今の自分と同じ年頃の両親がいて、なんとママは将来の息子であるマーティンに恋をする。マーティンは、両親をカップルにするため奔走し、元の世界へ戻る手段を1955年のドクと模索し始める。

この作品は、脚本が実によくできていて、退屈する暇が全くない。スリリングでコミカルな展開がノンストップで続くので、116分の上映時間はあっという間に過ぎる。ストレートに“面白い!”と思える、娯楽映画のお手本のような作品だ。

1955年にマーティンが出現したことで、1985年の未来に変化が起こるのだが、“過去がこうなったから未来もこうなる”という設定にも破綻がない。両親が結ばれなければ、当然マーティンはこの世に存在しなくなるので、両親をカップルにすることはマーティンの命をかけた大仕事だ。さらにプルトニウムを盗んだことでテロ組織に襲撃されたドクの命も救いたい。1955年のマーティンは、このような難問を解決した上で、1985年に帰還しなければならない。その難問の解決方法がどれもこれもよく練られている。クライマックスの落雷のシークエンスも最後までドキドキさせられる。

何度も山場のある絶叫マシーンのように楽しい作品なので、家族で鑑賞して大いに盛り上がって欲しい。

詳細 バック・トゥ・ザ・フューチャー

第7位 ペーパー・ムーン


母親を事故で亡くした9歳のアディは、葬儀に現れた母親の元恋人モーゼと知り合う。モーゼを実の父親ではないかと疑うアディは、母親の慰謝料を横取りしたモーゼを脅し、嫌がるモーゼをねじ伏せて、彼と旅を続けることにする。しかしモーゼの本性は、ケチな詐欺師だった。

これは1973年公開の作品なのだが、あえて全編モノクロ映像になっている。それがうまい効果を生み、なかなか味のあるバディ物のロードムービーに仕上がっている。

アディはまだ9歳の少女だが、大人顔負けのしっかり者だ。アディは父親の顔を知らずに育ち、事故で死んだ母親も男好きのだらしない女だったため、幼い頃から自分で生きる術を学んできたのだろう。母親に死なれて孤児になっても、メソメソ泣くようなことは一切なく、これからどうやって生きていくべきかを冷静に考えている。その反面、お金のない人に対しては同情的で、モーゼと詐欺を働くときも、相手の懐具合を読んで、巻き上げる金の額を変化させる。詐欺は立派な犯罪だが、アディには“貧乏人から金はとらない”という筋の通った美学があり、義理人情に厚い昔気質の親分のようでかっこいい。

一方、モーゼの方は詐欺師にしてはお人好しで、金目当ての女にもすぐに騙される。はっきり言って、うだつの上がらない子分タイプの男で、どうにも頼りない。しかしアディとの相性は抜群で、2人は名コンビなのだ。「じゃりン子チエ」をご存知の方は、チエちゃんとテツの関係を想像してもらうとわかりやすい。

アディはタバコも吸うし生意気だし、常識的に考えると問題の多い少女だが、彼女やチエちゃんのようにどんな逆境も生き抜くたくましさを持てたら、人生は何倍も楽しくなる。教育に悪いなどと無粋なことは言わずに、ひ弱な日本の子供たちにアディのたくましさを学ばせて欲しい。

詳細 ペーパー・ムーン

第8位 スクール・オブ・ロック(2004)


ロックをこよなく愛するバンドマンのデューイは、金に困り、身分を偽って有名私立学校の臨時教師として働き始める。デューイはそこで、口うるさい親と学校にうんざりしながらも、何も行動を起こさない子供たちと出会い、彼らにバンドを組ませて、ロックの自由さと楽しさを伝授していく。

大人も子供もスカッとしたいときにおすすめなのがこちらの作品。ロック好きはもちろんだが、特にロックに興味のない人でも、ジャック・ブラックの弾けっぷりを見ているだけで、自然と笑みがこぼれるはずだ。ロックなんて聴いたこともないような子供でも、ジャック・ブラックの熱すぎるパフォーマンスから、メラメラと燃えるロック魂を感じることだろう。というより、“こんなにバカな大人がいるのか!”と衝撃を受けること間違いなしで、大人になるのも悪くないと思ってくれるのではないだろうか。

規則でがんじがらめにされた優等生たちが、ロックを通して自己表現することの喜びや開放感を味わい、自分に自信をつけていく姿は、見ていてとても気持ちがいい。確かにジャック・ブラックは、教師としては破天荒すぎるかもしれないが、子供時代にこんな大人と出会えたら幸運だ。そんな出会いがあるかないかで、人生の密度が変わってくる。現実世界でジャック・ブラックのような大人と出会えなくても、この映画を観れば、いつでも彼に会える。それが映画の素晴らしさでもある。

詳細 スクール・オブ・ロック(2004)

第9位 ヘアスプレー(2007)


ぽっちゃり女子高生のトレイシーの夢は、大好きなテレビ番組「コーニー・コリンズ・ショー」に出演すること。ある偶然からコーニーに気に入られ、番組出演を果たしたトレイシーは、ヘアスプレーで固めた個性的な髪型が話題となり、一躍人気者となる。ところが、思わぬことが起こって、トレイシーは警察に追われる身となってしまう。

物語の舞台は1962年のメリーランド州ボルチモアで、この当時はまだ相当強烈な黒人差別が続いていた。そのため、この作品も一見陽気で明るいミュージカル映画なのだが、作品の大きなテーマは人種差別の愚かさを訴えること。天真爛漫なトレイシーが警察に追われる身となるのも、黒人の友人たちとともに、人種差別撤廃を訴えるデモ行進に参加したことが原因だ。このデモ行進でクイーン・ラティファが祈りを込めて歌うシーンは圧巻で、ズシンと胸にくる。

トレイシーを演じたぽっちゃりさんのニッキー・ブロンスキーもキュートな歌声とダンスを披露してくれる。しかし何と言っても強烈なインパクトを残すのが、超肥満体のトレイシーのママを熱演したジョン・トラボルタの存在感。特殊メイクによって巨大な中年女性に変貌したトラボルタが、オネエ感丸出しの低音で喋るのもおかしいし、巨体を揺らして歌ったり踊ったりする姿も迫力満点。おそらく前知識なく見て、“この女優は誰!?誰なの!?”とびっくりした方が絶対に楽しい。と言いつつ、ネタバレしているわけだが。

ポップな歌やダンスを楽しみつつ、子供に人種差別という現実をやんわりと教えてあげるのもいい。

詳細 ヘアスプレー(2007)

第10位 イルカと少年


学校に馴染めず、孤独な日々を送る少年ソーヤーは、ある日砂浜で傷ついた子イルカと遭遇する。ソーヤーは尾びれを失ったウィンターとの交流を通して多くの人と繋がり、勇気を出して行動することの大切さを学んでいく。

これは実話に基づいた物語で、尾びれを失ったウィンター役を演じているイルカは、なんとウィンター本人である。怪我を負って、海の病院に保護されたウィンターは、感染症の恐れがあるため尾びれを切除する。その後、尾びれなしでも泳げるようになるのだが、その泳法はウィンターの命を奪う恐れがあり、ウィンター用の人工尾びれの試作が始まる。内気な少年だったソーヤーは、ウィンターや資金不足で閉鎖されようとしている海の病院を救うために奔走するうち、人間的に大きく成長していく。その過程がとても丁寧に描かれており、ある少年の成長物語として見応えのある作品となっている。

あとは、とにかくウィンター君が素晴らしい!イルカは賢いので、人間の言葉を理解しているとか、人間同様の喜怒哀楽があるなどという話はよく耳にするが、どうやらそれは事実らしい。ウィンター君は、ストーリー展開もセリフの内容も全て把握し、完璧な演技を見せてくれる。単に泳ぐとか芸をするとか、そんな低レベルの話ではない。彼は喜怒哀楽を表情の変化のみで表現するという、ロバート・デ・ニーロも顔負けの名優なのだ。ウィンター君のすごさを見るだけでも、一見の価値あり。

詳細 イルカと少年