フィルム・ノアール映画のおすすめランキング10選 | MIHOシネマ

フィルム・ノアール映画のおすすめランキング10選

フイルム・ノアールというのは非常に定義の難しいジャンルなのだが、当サイトではマフィア映画、ギャング映画、犯罪映画と呼ばれる作品も、フイルム・ノアールとしてジャンル分けしている。このジャンルは、見ごたえのある作品が多いので、目の肥えた映画ファンにも人気が高い。

フィルム・ノアール映画のおすすめランキング10選

第1位 ゴッドファーザー


ニューヨークを拠点に活動するイタリア系マフィアのドン・ビトー・コルレオーネが、麻薬ビジネスへの誘いを断ったことでマフィア同士の抗争が勃発。ドンの後継者になるはずだった長男のソニーが殺され、マフィアを嫌っていた三男のマイケルが、ドンの座を引き継ぐことになる。

1972年に公開されたこの作品は、マフィア映画の最高峰として今でも根強い人気があり、後世の映画界に多大な影響を与え続けている。原作者のマリオ・プーゾとフランシス・フォード・コッポラ監督が脚本を共同執筆するという形で、このシリーズはパート3まで作られた。マフィアの世界だけでなく、親子、夫婦、兄弟といった家族の人間模様も丹念に描き、何度見ても飽きのこない秀悦なドラマを作り上げている。映像や音楽や美術など、映像作品としても優れており、さらにキャスティングと演出も素晴らしい。褒めすぎだと思われるだろうが、事実なので仕方がない。

主人公のドンを演じるのは、脂の乗り切った時期のマーロン・ブランド。撮影当時、マーロンはまだ47歳なのだが、ドンを演じている彼は、どこから見ても50代後半の初老の男だ。これは、特徴的なしゃがれ声や立ち振る舞いなど、マーロン自身の演技による部分と、毎回2時間近くかけて行われた特殊メイクの合わせ技で成立している。さらに、物語の中で10年近く時間が経過するので、前半部分と後半部分のドンは、頰のたるみやシワの数が明らかに違う。しかもその老け方がとても自然なのだ。そういう細かい点を注意深く見ていくと、より一層この作品のすごさがわかるだろう。他にも書きたいことは山ほどあるのだが、キリがないのでパート2に続く。

詳細 ゴッドファーザー

第2位 ゴッドファーザー パート2


父親のビトーからドンの座を引き継ぎ、敵対するマフィアのボスを皆殺しにするという非情な手段で、その勢力を拡大していったマイケルは、ネバダに拠点を移していた。マイケルの次なる敵はマイアミのロスと呼ばれる超大物。ロスの招待でキューバを訪れたマイケルは、そこで実の兄フレドの裏切りを知る。

前作の大ヒットを受け、このパート2の撮影は、1973年の10月に開始された。前回は予算を出し渋り、あれこれ口うるさいことを言っていたパラマウントの重役たちも、今回はコッポラ監督の言いなりである。コッポラ監督は、莫大な予算を惜しみなく使い、前作よりもさらにスケールの大きな作品を完成させている。このパート2が、これまた前作を凌ぐ出来栄えで、こちらの方を高く評価する声も多い。個人的には、前作があっての本作なので、その2作品に甲乙をつけるのはナンセンスだと思っている。

本作は、冷酷なマフィアのドンとしてのし上がっていく現在のマイケルと、父親のビトーがマフィアのドンになるまでの過去の物語が交錯して進んでいく。どちらの物語も、映画1本分の価値は十分にある内容で、勿体無いほどの贅沢さだ。しかし、これを1本の映画にしたことで、本作は観客の予想をはるかに超える見事なパート2に仕上がったと言える。

前作に引き続きマイケルを演じたアル・パチーノもいいのだが、若き日のビトーを演じたロバート・デ・ニーロの存在感が半端ではない。観客の頭の中には、前作でマーロン・ブランドが演じたビトーの姿が焼き付いている。デ・ニーロの演じる25歳のビトーが、その姿とかけ離れていたのでは興ざめするし、かといって単なる模倣でも退屈だ。しかもデ・ニーロのセリフは、ほとんどがシチリア語という難しさ。彼は実際にシチリア島に滞在して地元の人と触れ合い、自然にシチリア人の言葉が出てくる状態になるまでひたすら練習を重ねた。そういう並外れた努力をして、デ・ニーロは25歳のビトーを完璧なものにした。オスカー獲得は当然の結果と言えるだろう。

この2作は、できれば連続で見て欲しい。そうすると、パート2のラストシーンがいかに切ないか…。ゴッドファーザーが壮大な大河ドラマだと言われる意味がわかるはずだ。

詳細 ゴッドファーザー パート2

第3位 シティ・オブ・ゴッド


ブラジルのリオデジャネイロにあるスラム街。暴力と貧困がはびこる弱肉強食の世界に生まれた子供たちは、当たり前のように銃を持ち、ギャングのボスを夢見て引き金を引く。

サンパウロ出身のフェルナンド・メイレレス監督が2002年に発表したこの映画は、世界中に衝撃を与えた。メイレレス監督は、2016年開催のリオデジャネイロオリンピックで、開会式の演出も務めており、その名をご存知の方も多いだろう。

犯罪映画は数多く見ており、少々の暴力描写なら軽く流せる程度の耐性はついているつもりだが、本作を見た時はかなりのショックを受けた。何しろ、年端もいかない子供が小さな手に銃を持たされ、自分と似たような背格好の子供を殺すよう強要されているのだから。しかも映画の終わりに「事実に基づいた物語」というテロップが出る。重たい鈍器で頭をガツンと殴られたような衝撃を受ける。

内容はかなり強烈だが、メイレレス監督の演出がうまいので、悪趣味な暴力映画といった印象は受けない。むしろ、軽快なテンポとポップな映像が心地よく、映画そのものはとても面白い。エンターテイメント性を意識しつつ、社会派映画としての役割も果たしている本作は、重たいだけの社会派映画よりも価値が高い。

詳細 シティ・オブ・ゴッド

第4位 チャイナタウン


主人公は私立探偵のギテス。ある夫人から水源電力局施設部長をしている夫の浮気調査を依頼され、彼のことを調べるうちに、ダム建設をめぐる陰謀に気づいていく。しかもギテスに浮気調査を依頼した夫人は偽物で、自分が本物の妻だと名乗るイヴリンという女性が現れる。謎が深まる中、調査対象者だった男の水死体が上がる。

1974年に公開されたロマン・ポランスキー監督作品。『マルタの鷹』(41)『深夜の告白』(44)『第三の男』(49)といった古典的なフイルム・ノアールの雰囲気を持つ私立探偵映画で、物語は思いがけない方向へ進んでいく。脚本を手がけたロバート・タウンは、『俺たちに明日はない』(67)や『ミッション:インポッシブル』(96)などの脚本も執筆している大御所だが、本作が彼の代表作と言っていいだろう。

主人公の私立探偵を演じているのはジャック・ニコルソン。この私立探偵がなかなかの曲者で、いかがわしい雰囲気をプンプンと漂わせている。この食えないキャラクターにジャック・ニコルソンのキャスティングがぴったりで、何が起こるかわからないというドキドキ感をうまく煽ってくれる。イヴリンを演じたフェイ・ダナウェイも、善玉か悪玉か最後までわからないミステリアスなヒロインをうまく演じている。ずっと抑えた演技で本心を見せない女を演じていたフェイ・ダナウェイが、クライマックスで感情を高ぶらせるシーンは強く印象に残る。さらに、彼女は1937年当時のレトロ調の衣装がよく似合っていて美しい。

「衝撃のラスト」という謳い文句はよく耳にするが、実際に衝撃を受けるような作品は少ない。しかしこの作品のラストは間違いなく衝撃的。ネタバレサイトを覗くのは鑑賞後にして、まずは白紙の状態でこの珠玉のミステリーを楽しんでほしい。

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第5位 グッドフェローズ


1943年にブルックリンで生まれたヘンリー・ヒルは、少年時代からマフィアに憧れ、ご近所のボスのポーリーに目をかけてもらう。使い走りから組織の一員に昇格したヘンリーは、ジミーとトミーという危険な2人組に気に入られ、彼らと悪事を重ねていく。しかし、麻薬に手を出したことでポーリーの怒りを買い、ヘンリーは徐々に追いつめられていく。

マーティン・スコセッシ監督の1990年公開の作品で、生々しいマフィアの実像を描いて話題となった。というのも、主人公のヘンリー・ヒルは実在の人物で、この映画の原作は彼の実体験を基に書かれた小説『ワイズガイ』(ニコラス・ピレッジ著)だからだ。先に紹介した『ゴッドファーザー』とは全く違う雰囲気のマフィア映画で、はっきり言ってこちらの方がいろいろと恐ろしい。

ゴッドファーザー』は組織の頂点に立つドンが主人公なのだが、こちらはトップにはなれないワイズガイたちの物語。ジョー・ペシの演じるジミーは純血のイタリア系なので、正式なマフィアになる資格がある。しかし、レイ・リオレッタの演じるヘンリーとロバート・デ・ニーロの演じるトミーはアイルランド系なので、血を重んじるイタリア系マフィアの幹部にはなれない。そのため、自分の力で金を稼ぎ、弱肉強食の裏社会を生き抜いていくしかない。彼らに必要なものは金だ。それを得るために必要なのは悪知恵と暴力。そして冷酷さ。義理人情などといった生ぬるいヒューマニズムは、彼らの中に微塵もない。彼らは常にやるかやられるかの世界で生きている。仲間同士で和気藹々と酒を飲んでいても、独特の緊張感がある。また、ジョー・ペシやデ・ニーロの殺気がすごい。笑っていても怖いし、怖い顔をしても怖い。下手なホラー映画よりドキドキする。

本作は、スコセッシ監督の演出も秀悦で、ヘンリーの語りで物語が進行していく構成は、『ショーシャンクの空に』(94)でフランク・ダラボン監督も参考にしたと語っている。刺激的なマフィア映画をお探しの方には、この作品をおすすめしたい。

詳細 グッドフェローズ

第6位 ゴッドファーザー パート3


父親のビトーからドンの座を継承し、冷酷な手段でファミリーを巨大化させてきたマイケルは、富や権力と引き換えに、多くのものを失っていた。この物語は、60代を迎えたマイケルが、自分が犯してきた罪の重さに苦悩し、もう一度家族の愛を取り戻したいともがく姿を描いている。

74年に公開された『ゴッドファーザー パート2』から16年。1990年、ファン待望の『ゴッドファーザー パート3』が公開された。1作目から登場している主要メンバーは、アル・パチーノが演じるマイケル、タリア・シャイアの演じるコニー、ダイアン・キートンの演じるケイ、アル・マティーノが演じる歌手のジョニーと他数名の脇役のみ。1作目で長男のソニーが殺され、2作目で次男のフレドもあまりに悲しい最期を迎え、ずっとファミリーの相談役を務めてきたロバート・デュヴァルの演じるトムまでいつの間にか死んでおり(コッポラ監督はトム役でロバート・デュヴァルの出演を望んでいたが、ギャラの交渉で決裂した)ファミリーを見守ってきたファンとしてはとても寂しい。しかしその分、本作では主人公マイケルの贖罪の物語をじっくりと堪能できる。2作目までは、まだまだ若かったアル・パチーノも貫禄のある大御所俳優となり、ゴッドファーザーぶりが板についている。

このパート3で注目して欲しいのは「なぜマイケルはここまで孤独な晩年を迎えることになったのか」という点だ。父親のビトーもマフィアのドンだったが、彼は死ぬまで家族に囲まれ、そして愛されていた。ビトーは孫のアンソニーとトマト畑で遊んでいる最中に最期の時を迎える。とても幸せな死に方だ。一方マイケルは、シチリアの廃墟のような場所で、独りぼっちで死んでいく。彼の周りには、愛する妻も子供もおらず、やせ細った1匹の犬がウロウロしているだけだ。これが絶大な権力を誇ったマイケル・コルレオーネの最期なのだ。パート3だけを見た人にはわかりにくいが、1作目からこのファミリーの歴史を見てきた人には、このラストシーンの意味するところがとてもよくわかる。それだけに悲しい。そして、コッポラ監督のこの脚本と演出は、やはり正しい。様々な意見はあるが、コルレーネ・ファミリーの物語は、このパート3があってこそ完結している。

詳細 ゴッドファーザー パート3

第7位 スカーフェイス


カストロ政権下のキューバからアメリカへ渡った貧しい移民のトニー・モンタナは、世界中のものを手に入れたいという野望を持ち、麻薬王としてのし上がっていく。

ブライアン・デ・パルマ監督とアル・パチーノがタッグを組み、1932年公開の『暗黒街の顔役』をリメイクした作品。『暗黒街の顔役』の方は、実在のギャング、アル・カポネをモデルにした物語。それを、キューバ人を主人公にした現代の話にしたのが、この『スカーフェイス』だ。そもそも、トニー・モンタナを演じたアル・パチーノが、『暗黒街の顔役』で主人公を演じたポール・ムニのすごい演技に感動し、リメイク版を作りたいとプロデューサーのマーティン・ブレグマンに話したのが始まりらしい。

この作品を一言で表現するなら「ギラギラ」。トニー・モンタナという金も権力もない無名の男が、強烈な野心と度胸の良さで頭角を表していく。トニーは野生動物のような鋭い嗅覚を持っており、相手が敵か味方か、どれくらいの人物なのかを正確に嗅ぎ分けていく。そして狙った獲物は必ず手に入れる。例えそれがボスの女であっても遠慮はしない。そこらへんが、イタリア系マフィアとトニーのようなギャングとの大きな違いだ。イタリア系マフィアの場合、ボスの女を寝とったりしたら、血の掟によって必ず制裁を受ける。トニーは自分のボスを殺し、ボスの情婦のエルヴィラを妻にしているが、その点では何のお咎めもない。

映画のラストシーンで、何発も銃弾を浴びながら「俺がトニー・モンタナだ!」と叫んでマシンガンを撃ちまくるアル・パチーノは、まさに猛り狂った野生のライオンそのもの。この破滅的な主人公は、若者たちのカリスマ的存在として根強い人気がある。2006年公開のイタリア映画『ゴモラ』でも、トニー・モンタナに憧れる不良少年のマルコが、アル・パチーノの真似をして悦に入っているシーンがある。余談になるが、マルコの普段の喋り方は25歳のビトーを演じたデ・ニーロそっくりで、本人の役作りなのか監督の演出なのかはよくわからないが、映画から影響を受けすぎている不良少年として印象に残っている。『ゴモラ』もなかなかの犯罪映画なので、興味のある方は見てほしい。

詳細 スカーフェイス

第8位 カリートの道


かつて麻薬王だったカリートは、30年の実刑判決を受けて刑務所にいたが、友人の弁護士クラインフェルドの尽力により、5年でシャバに出てくる。金さえ貯まれば、カリートはこの世界から足を洗い、恋人のゲイルを連れて南国のバハマで静かに暮らしたいと思っていた。しかし、クラインフェルドが持ち込んだ厄介ごとのせいで、カリートの計画が狂っていく。

スカーフェイス』でタッグを組んだブライアン・デ・パルマ監督とアル・パチーノが、10年ぶりに再びタッグを組んだギャング映画。カリートも麻薬王だったわけだが、トニー・モンタナよりはずっと落ち着きのある人物として描かれている。アル・パチーノ自身が歳をとったこともあり、カリートはとても渋い。物語の方もラブストーリーの要素が強く、全体にロマンティックだ。『スカーフェイス』が若者受けするギャング映画なら、こちらは大人向け。映画全体に情緒があり、人物描写も丁寧だ。

本作でいい味を出しているのが、クラインフェルド役のショーン・ペン。クラインフェルドはインテリの弁護士なのだが、仕事を通してギャングと関わっていくうちに、犯罪に手を染め、麻薬を常用するようになっていく。カリートは義理堅い男なので、自分を救ってくれたクラインフェルドを見捨てることができず、危険な仕事を引き受けてしまう。このクラインフェルドという男が、カリートの1番の障害となる。「お前さえバカなことをしなければ、カリートは幸せになれたのに…」と、観客に憎まれる悪役を、ショーン・ペンは見事に演じきっている。そのため、クラインフェルドへの苛立ちは倍増し、カリートへの感情移入が一層深くなる。主人公を引き立たせる素晴らしい悪役ぶりだ。ちなみにこの作品は、キュンキュンするポイントが多いので、女性にもおすすめ。

詳細 カリートの道

第9位 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ


物語の舞台は禁酒法時代のニューヨーク。ユダヤ系移民の貧しい少年だったヌードルスは、親友のマックスや仲間たちと酒の密売を手伝い、いっぱしのギャングに成長していく。しかし、稼ぎが大きくなるにつれ、ヌードルスとマックスは、考え方の違いから対立するようになる。その後、ヌードルス以外の仲間は警察に追われて命を失い、裏切り者となってしまったヌードルスは、ニューヨークを離れる。それから35年後、ヌードルスは謎の人物によって、ニューヨークに呼び戻される。

マカロニ・ウェスタンの巨匠として知られるセルジオ・レオーネ監督の作品で、完全版の上映時間は229分もある超大作。

主人公のヌードルスが少年から大人へ成長していく過去の物語と、それから35年の時を経た現在の物語が描かれているのだが、単純に時代を追った構成ではないので、最初はかなりわかりにくい部分がある。そこを乗り越えてしまえば、それぞれの時代の雰囲気は丁寧に作り込まれているし、キャストの演技もいいので、途中で飽きたりするようなことはない。そして後半へ進むに従って、物語そのものもどんどん面白くなっていく。「誰がヌードルスを呼び出したのか?」という謎を残すことで、観客の注意を惹きつけることに成功している。ただ、鑑賞後はどっと疲れるかもしれない。

それにしてもデ・ニーロは、いろんな悪党を演じているなと感心する。本作では主人公のヌードルスを演じているし、先に紹介した2作品にも登場している。『アンタッチャブル』(87)ではアル・カポネ。『カジノ』(95)ではベガスのカジノを仕切るエース。最近では『マラヴィータ』(13)で、証人保護プログラムを適用された元マフィアを演じていた。そういえばデ・ニーロ本人が監督・製作を務めた『ブロンクス物語 / 愛につつまれた街』(93)というマフィア映画もある。こちらもなかなか哀愁漂う面白いマフィア映画だった。

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第10位 フェイク


FBI潜入捜査官のジョーは、ドニー・ブラスコと名乗ってマフィア組織に潜り込む。ドニーを気に入り、弟分として迎えてくれたのは、うだつの上がらない中年マフィアのレフティだった。ドニーはマフィアの仕事をしながら、潜入捜査官として彼らの動きをFBIに報告する。しかしドニーはレフティと長い時間を過ごすうち、この仕事に迷いを感じ始める。

1997年に公開されたこの作品は、ジョー・ピストーネの実録手記を原作とした実話に基づく物語。監督はイギリス出身のマイク・ニューウェルが務めている。

本作は、ドニーの正体がバレてしまったらどうしようという緊張感がずっと続く。正体がわかれば、ドニーが始末されることは間違いない。また、レフティの上にいるボスが短気な男で、いろいろとハラハラさせられるのだ。

そしてこの作品の見どころは、ドニーを演じたジョニー・デップとレフティを演じたアル・パチーノのコンビにある。ジョニー・デップのキャリアは相当なものだが、ファンタジー以外で記憶に残る役というのは意外に少ない。個人的な好みはあるにせよ「キワモノの役の方が性に合っている俳優」という印象は否めない。しかしこのドニー役はなかなか良かった。それは、相方となるアル・パチーノとの相性が良かったからではないかと思う。まだまだ若造のジョニー・デップとすでに50代後半のアル・パチーノが、ドニーとレフティという役柄そのものの雰囲気と重なり、互いをうまく引き立てている。そして、マフィアとしては人の良すぎる小物のレフティを、アル・パチーノが驚くほどうまく演じている。アル・パチーノの存在が、この作品に泥臭い魅力を与え、ヒューマンドラマとしての部分に深みを持たせている。2枚目もいいけれど、泥臭くてカッコ悪いアル・パチーノもいい。

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