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映画『フレンチ・コネクション』あらすじ&ネタバレ感想

『フレンチ・コネクション』(The French Connection)は、ロビン・ムーア原作のノンフィクション小説をモデルにした1971年製作のアメリカ映画。第44回アカデミー賞8部門にノミネート。作品賞、 監督賞、 主演男優賞、 脚色賞、編集賞の5部門を受賞した。主演の刑事「ポパイ」役にジーン・ハックマン。監督は同作と二年後の「エクソシスト」で名を馳せたウィリアム・フリードキン。実在のニューヨーク市警がフランスから密輸された麻薬約40kgを押収した事件をモデルにしており、事件に関わった刑事はアドバイザーとして制作に協力している。スティーブ・マックイーン主演の刑事アクション『ブリット』と同じプロデューサー、フィリップ・ダントーニが製作した。

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映画『フレンチ・コネクション』 作品情報

フレンチ・コネクション

  • 製作年:1971年
  • 上映時間:104分
  • ジャンル:アクション
  • 監督:ウィリアム・フリードキン
  • キャスト:ジーン・ハックマン、ロイ・シャイダー、フェルナンド・レイ etc…

映画『フレンチ・コネクション』 評価

  • 点数:95点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

映画『フレンチ・コネクション』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『フレンチ・コネクション』のあらすじを紹介します。

ニューヨーク市警薬物対策課のドイル部長刑事、あだ名は「ポパイ」。彼は麻薬をはじめとする薬物捜査のオーソリティだが、強引な捜査方法と執念深さで恐れられていた。

麻薬の売人を逮捕した後、ポパイは相棒のラソーと共にクラブへ飲みに出かける。そのクラブにはマフィアのボスたちが妻を同伴に来店しており、別にマフィアの一行と共にテーブルを囲み現金をばらまく若い夫婦が目に付いた。不審に思ったポパイとラソーはその夫婦に狙いを付け探ってみると、表向きはブルックリンで小さな飲食店を営んでいるが、夫の方は強盗事件などで何度か捜査対象になるような、きな臭い匂いがする男だった。そして様々な職業のコスチュームに変装しながら夫婦の監視を続けるポパイに、その男がニューヨークの麻薬ディーラー界に君臨する元締めの舎弟であり、さらにフランスから入ってくるヘロインの大口取引を近々任されるという情報が入ってくる。

そして財務省の捜査官たちと捜査を強化する中、“フレンチ・コネクション”と呼ばれるフランスのマルセイユとニューヨークを結ぶ麻薬ルートから、黒幕”シャルニエ”がニューヨークに入ったことが判明する。そこからポパイのターゲットはシャルニエに集中してゆくが、捜査の手が深まることを恐れたシャルニエは、ポパイの元へ殺し屋を送り込む。

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映画『フレンチ・コネクション』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『フレンチ・コネクション』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

現代のアクション映画に残した大きな影響力

1970年代に入ってからの刑事映画には傑作が多く、有名どころでは、クリント・イーストウッド主演の「ダーティー・ハリー」、スティーブ・マックイーン主演の「ブリット」。そしてアカデミー賞5部門を制覇した本作「フレンチ・コネクション」である。ここでの売り物は何と言っても電車で逃げる組織の殺し屋を、刑事ポパイが自動車で追跡する圧巻のシーン。そして車をグチャグチャにしながらも再び足で犯人を追いかけ、最後に仕留めるシーンも痛快である。さらにこの映画はアクションシーンだけでなく張り込みをするシーンにも緊張感がみなぎっており、ポパイが厳寒の中でピザとコーヒー片手に張り込みを続けるシーンも印象深い。動いているときも静かなときも常にポパイが放つエネルギーがスクリーンの中で躍動しているのだ。そして映画の中で多用された「編集」という作業の重要性を後生に残した功績は大きいだろう。ドキュメンタリータッチでブレまくる画面と逆光でハレーションを起こし登場人物の表情が読み取れないのもお構いなしにシーンを繋いでゆく。そのリアリズムを追求した描写スタイルと、刑事「ポパイ」のワイルドで暴力的かつ執念深いキャラクターは当時の映画として他に類を見ない。1970年以降の世界各国で作られた刑事ドラマに対しても、多大な影響を与えた作品なのではないだろうか。

「鬼軍曹」ジーン・ハックマン

ジーン・ハックマンという役者のイメージはこの映画で定着してしまった感がある。「鬼軍曹」という表現がぴったり当てはまるキャラクターであり、気に入らないことでも言った日には鉄拳制裁が待っているような雰囲気がみなぎっているのだ。この映画の中でも8割方キレているのではないだろうか。どんな役柄でも紳士でクールなイメージが崩れないロイ・シャイダーですら、この作品の中では、ジーン・ハックマンの毒気に当たったかのようにピリピリしているのが画面から読み取れる。「ポパイ」という刑事はこの役者でなければあり得ないというほど嵌っている役柄で、それがストーリーの核となり作品を輝かせている。


最近ドキュメンタリーを観て感銘を受けていたウィリアム・フリードキンの代表作兼アメリカン・ニューシネマの傑作である。見事に嫌な後味を残してくれた。全てのシーンが日常に溶け込む自然さでとてもリアルだった。

主人公と敵の内面描写と映画的アクションに関しても、同じフリードキン作品では『To live and die in L.A.』のほうが断然好きではあるけど、ひたすら犯人を追うことに執念を持つポパイという男の新しい形の正義感というか熱は一番よかった。(女性 20代)

映画『フレンチ・コネクション』 まとめ

ジーン・ハックマンはクリント・イーストウッドやスティーヴ・マックイーンのようなスターのオーラは少ない役者かも知れない。簡潔に言えばスマートさがない「オヤジ」キャラなのである。しかしこの映画の主役がイーストウッドやマックイーンだったら、ここまでの作品には仕上がっていなかっただろう。常にイライラしているというのがこれほど似合う役者が他にいるだろうか。このシナリオにクールなスターは必要ないのである。ウィリアム・フリードキン監督の持つ刑事像は、猛牛のように暴走する熱い正義の滾りだったのではないだろうかと感じるのだ。

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