映画『フロント・ページ(1974)』あらすじとネタバレ感想

フロント・ページ(1974)の概要:「フロント・ページ」(原題:The Front Page)は、1974年のアメリカ映画。監督は「失われた週末」、「サンセット大通り」、「アパートの鍵貸します」などで四度のオスカーに輝いた名匠ビリー・ワイルダー 。主演は「お熱いのがお好き」、「セイヴ・ザ・タイガー」などのオスカー俳優ジャック・レモン。共演には「シャレード」、「恋人よ帰れ!わが胸に」などのオスカー俳優ウォルター・マッソー。デビュー二作目の本作から女優として脚光を浴びるようになった、後のオスカー女優スーザン・サランドンなど。

フロント・ページ あらすじ

フロント・ページ
映画『フロント・ページ(1974)』のあらすじを紹介します。

1920年後半のシカゴの刑事裁判所にある新聞記者クラブ。記者たちは汚い部屋にたむろし、ポーカーをしながら原稿を書いていた。その階下から見下ろす裁判所の庭では、警官殺しの犯人で死刑を宣告されたアール・ウィリアムズの絞首台が準備されていた。シカゴ・エグザミナー紙の編集長ウォルター(ウォルター・マッソー)は、記者ヒルディ(ジャック・レモン)をその取材に向かわせるため檄を飛ばすが、ヒルディはその日限りで辞職し、恋人のペギー(スーザン・サランドン)と結婚してシカゴを離れると言う。ウォルターはクラブで仕事を終えたペギーの許を訪ね、保護観察官を名乗りヒルディが公然猥褻の罪で保護監察下にあると嘘を伝えるが、そこへヒルディから電話がありウォルターの企みはまんまと見破られる。ウォルターはやむなく新米のケップラーを担当させたが、彼が記者クラブのメンバーにヒルディの退社を伝えているところへ、モリー(キャロル・バーネット)が乱入し、彼女の事を死刑囚ウィリアムズの情婦と書いた記事にクレームを付けた。モリーが追い出されたところへヒルディが入ってきて、記者クラブの送別会が始まる。一方その裏で、保安官のオフィスでは死刑が迫ったウィリアムズの心理分析目的で、精神医が殺人現場を検証するためウィリアムズに保安官の銃を渡す。やがて記者クラブまで銃声が響き、サイレンが鳴り響く中で記者たちはウィリアムズの脱走を確認すると、一斉にデスクへ連絡を入れ部屋を飛び出し、精神医は重傷を負って担架で担ぎ出されていった。そして記者クラブに一人残されたヒルディにウォルターからの連絡と、ペギーの連絡が交互に入り彼はパニックに陥る。そこへ犯人のウィリアムズがガラスを破って窓から転がり込み、気を失い倒れてしまう。ヒルディが大急ぎでウォルターに連絡すると今度はモリーが駆け込んでくる。そこへ再び記者たちが戻り、ヒルディはウィリアムズを他紙の記者が使っている机の蓋に隠す。記者たちは二人が何か隠していると疑うも、モリーの機転で何とかその場を凌いだが、新米のケップラーの融通の無さでヒルディとウォルターがウィリアムズを隠している事が発覚し、公務執行妨害で二人は逮捕されてしまう。しかしウィリアムズに死刑執行猶予令状が出ていることを偶然知った二人は、市長に取り入って何とか釈放され、ヒルディはパトカーの護衛付きでペギーの待つ駅に駆けつける。ウォルターは自分の腕時計をヒルディへの餞別として贈った後、駅からインディアナ州の警察署長宛に腕時計が盗まれたという旨の電報を送り、ヒルディの行く手を阻む企みに一人ほくそ笑んでいた。

フロント・ページ 評価

  • 点数:95点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:1974年
  • 上映時間:105分
  • ジャンル:コメディ
  • 監督:ビリー・ワイルダー
  • キャスト:ジャック・レモン、ウォルター・マッソー、スーザン・サランドン、ヴィンセント・ガーディニア etc

フロント・ページ ネタバレ批評

映画『フロント・ページ(1974)』について、感想批評です。※ネタバレあり

二転三転するドタバタコメディの名作

フロント・ページというのは文字通り新聞の一面を意味するのだが、それを象徴する冒頭のシーンで、新聞紙面が出来上がるまでの活版印刷の工程描写が懐かしい。新聞の一面トップというのは当然ながら他紙を出し抜こうと、各紙の記者が躍起になって追いかけているネタでもあり、死刑が迫っている人物に張り付くように、刑事裁判所にはこのような記者クラブが設けられていたのだろう。当然ながら缶詰になって張り付いているので交代要員がいない場合にはそこで数日も寝泊まりするようになり、事件が動かない限りは大したネタもないので記者同士の馴れ合いの現場となっていたのだろうが、そういったマスコミの現場が事件に巻き込まれるというユニークな設定が本作の売りである。タヌキのようなウォルター・マッソーとお調子者のジャック・レモンは度々コンビを組んでいるが、本作の上司と部下という設定でぶつかる二人の掛け合いで実に笑わせてくれる、ビリー・ワイルダー渾身のコメディである。

オスカー俳優二人の、テンポの良さとセリフのやりとりが絶妙

ウォルター・マッソーとジャック・レモンは何とも饒舌な俳優であり、その二人が共演するトークの掛け合いはシナリオがあるのだろうかと疑いたくなるような迫真の演技である。ウォルター・マッソーの毒舌振りも凄まじいが、何故か憎めないそのキャラクターに踊らされるジャック・レモンの生真面目さがどうにも自虐的で、この二人でなければ演出できない独特の空気感が作品の持ち味である。口喧嘩というバトルにおいて、ここまでの激しい戦いを見せてくれるコメディはそうお目にかかれない。

フロント・ページ 感想まとめ

ウォルター・マッソー、ジャック・レモンと来れば「おかしな二人」を挙げる人もいるだろうが、本作はビリー・ワイルダーの持ち前である人情劇も相俟ってひねりが利いている。1974年の監督が晩年に撮った作品とは思えないようなエネルギー感は、この主役二人に触発されたものかも知れない。両者共に役者として脂がのりきっている時代でもあり、本作前後の役者としての充実振りは出演作品のタイトルを見ても一目瞭然である。そしてラストシーンのどんでん返しが何とも心憎い演出であり、最後までタヌキを演じきったウォルター・マッソーの面目躍如といったエンディングに、満足感いっぱいのエンターテインメント作品である。

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