映画『フローズン・リバー』あらすじネタバレ結末と感想

フローズン・リバーの概要:家族との生活を守るために密入国ビジネスに手を染める女性を描いた2010年公開のアメリカ映画。サンダンス映画祭では審査員大賞ドラマ部門を受賞し、その他多くの賞でメリッサ・レオが主演女優賞を受賞した。

フローズン・リバー あらすじネタバレ

フローズン・リバー
映画『フローズン・リバー』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

フローズン・リバー あらすじ【起・承】

ニューヨーク州北部の町。

2人の息子を持ち、新居の購入を控えるレイ(メリッサ・レオ)は、夫に新居用の資金を持ち逃げされて途方に暮れていた。

1ドルショップで働いて息子たちに最低限の生活を送らせることができているレイだったが、レンタル家電の料金が払えなくなり、まともな食事を与えることもできなくなり、限界が近づいていた。

そんな中、夫が乗り捨てた車を見つけたレイは、その車を勝手に使用しているモホーク族の女性ライラを問いただし、車を返すように要求する。

ライラは面倒な手続きを踏まずに車を高額で買い取ることをレイに提案する。彼女は国境での密入国ビジネスに加担しており、ボタンでトランクを開けることができる車を探していたと話す。車を売ることを決めたレイはライラを乗せて指示通りの場所へと向かう。だが、車を買い取るというのは嘘で、ライラは密入国の運び屋として協力するよう持ちかける。

レンタル家電の料金未納によってテレビの回収期日が近づき、息子が楽しみにしているクリスマスも近づいていた。レイは家族の生活を守るため、そして、新居購入の夢を果たすために、ライラの話に乗ることを決意する。

そして、2人は協力して密入国の運び屋をするようになる。

フローズン・リバー あらすじ【転・結】

運び屋の仕事で大金を手にしたレイはレンタル家電の料金を払って回収を止め、生活も徐々に豊かになっていった。そして、新居購入の夢を膨らませていく。

だが、ライラと車に乗っているところを、ライラが密入国に関与していることに気付き始めていた地元の警察に見られてしまう。幸い、レイが関与していることには気付いていなかったため、彼女は忠告されるだけで終わる。

その後も運び屋の仕事をこなして金を稼いでいくレイとライラ。実はライラにも1歳の息子がいるのだが、育てる能力がないという理由で亡き夫の母親に取り上げられ、十分に育てられることを証明できる稼ぎを必要としていた。

ある日、いつものように密入国者を迎えに行ったレイとライラだったが、密入国者がパキスタン人の夫婦だと知ったレイは不安に感じる。そして、自爆用の爆弾が入っていることを懸念して彼らのバッグを道中で捨ててしまう。

目的地に着いたレイがバッグを捨てたことを告げた途端、泣き崩れるパキスタン人の妻。なんとバッグにはまだ幼い赤ん坊が入っていたのだった。急いで引き返してバッグを見つけたレイとライラは、息があることを確認して母親に赤ん坊を返す。だが、自分も子どもを持つ身として罪悪感を感じたライラは運び屋を辞めることを決める。

あと一回分の稼ぎで新居を購入できるレイはライラを説得し、最後の仕事に向かう。密入国者を車のトランクに入れて目的地に向かうレイとライラ。だが、彼女たちをマークしていた警察に追われ、凍った川の上を通って警察が捜査権を失う自治区へと逃げる。

自治区の人間にかくまってもらうレイとライラだったが、「レイかライラのどちらかを差し出せ」と圧力をかける警察から隠れきることはできなかった。自分が出頭することを伝え、レイを逃がすライラ。

森を抜けて逃げようとするレイだったが、途中で引き返してライラのもとへと戻る。レイは、白人である自分の方が罪が軽くなると話し、自分が出所するまで息子たちの面倒を見るようライラに託す。

レイの代わりに新居を購入したライラは、彼女の帰りを待ちながら、自分の息子、そしてレイの息子たちと暮らすのであった。

フローズン・リバー 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2008年
  • 上映時間:97分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス
  • 監督:コートニー・ハント
  • キャスト:メリッサ・レオ、ミスティ・アッパム、チャーリー・マクダーモット、マーク・ブーン・ジュニア etc

フローズン・リバー 批評・レビュー

映画『フローズン・リバー』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

日常生活に寄り添うように

本作では多くのシーンで、カメラが登場人物に寄り添うような形で撮影されている。登場人物の視点からではなく、あくまで近くで見ているような視点で物語を描いている。

メリッサ・レオ演じるレイは夫に資産を持ち逃げされ、一人で家族の生計を立てなければならなくなる。顔はやつれ皺が目立ち、肌の赤みが寒さを感じさせ悲壮感に満ち溢れている。そんな彼女の日常生活を、まるで密着取材のカメラのようにリアリティのある映像で映し出す。

メイクをしている途中でふと涙を流すレイを鏡越しに見せるのが、これまた何とも言いがたくて切なくなってくる。

「貧困」と一言で片付けられがちな人々の生活を細かく丁寧に描いた本作は、下手に端折って派手さばかりを追求した作品に飽きた人にはたまらないかもしれない。

日常と並行する緊張感

日常生活を映し出しながらも、緊張感をしっかりと保ち続けているのも本作が高い評価を得る理由に挙げられるだろう。

車のトランクに密入国者を乗せている道中、警察が追ってくるのではと終始ヒヤヒヤさせられる。それはレイの息子たちのことを知っているからこそ。彼女が捕まれば息子たちの生活はどうなるのか?そんな心配をしてしまう。

パキスタン人のバッグに赤ん坊が入っていたという出来事も、物語にさらに緊迫感を与えると同時に、急いで取りに戻ったレイとライラの姿を見て、本能的な母性のようなものを感じさせられる。

メッセージを含ませつつ、日常の中にある緊張や葛藤を描く。これは一見すると誰にでもできそうだが、そう簡単にはできない芸当ではないだろうか。

フローズン・リバー 感想まとめ

こういった単館系の映画は、出演者や監督があまり名を知られていないため、誰がどういった行動を起こすのか、どういった方向に物語が進むのかが分からないという楽しみ方がある。

それに加え物語には持続的な緊張感があるため、さらにドキドキが増す。

中でも、メリッサ・レオが良かった。悲壮感漂う田舎町の母親を、時に荒々しく、時に繊細に表現している。『ザ・ファイター』でもそうだったのだが、彼女に母親役をやらせたら間違いないのでは、と感じてしまう。

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