『フローズン・タイム』あらすじ感想とネタバレ映画批評・評価

フローズン・タイムの概要:「フローズン・タイム」(原題:Cashback)は、2006年のイギリス映画。監督はイングランドの写真家、ショーン・エリス。主演は「ハリー・ポッター」シリーズのオリバー・ウッド役で知られる、ショーン・ビガースタッフ。「戦場のピアニスト」のドロタ役を務めた、エミリア・フォックス。

フローズン・タイム

フローズン・タイム あらすじ

映画『フローズン・タイム』のあらすじを紹介します。

美大に通っているベン(ショーン・ビガースタッフ)は、ガールフレンドのスージーと些細な仲違いにより別れてしまった。自ら別れを告げたにも関わらず未練がましいベンは、幼なじみのショーンに相談するが、モデルと付き合えばスージーが対抗心を燃やすなどと気楽なことを言う。モヤモヤが頭から離れなくなったベンは、よりを戻すためにスージーに連絡をするが、新しい恋人の存在を聞かされショックで不眠症に陥ってしまう。眠れない時間を有効に使おうと24時間営業のスーパーで深夜アルバイトを始めたベンだが、そこは変な人間たちの吹き溜まりだった。スーパーを遊び場のように勘違いしている二人の同僚。ボスであることに異常な執着心を見せる店長。カンフーに取り憑かれているブルース・リーおたく。そして時間恐怖症であるレジ係のシャロン(エミリア・フォックス)。
やがて二週間も不眠症が続くベンの頭は限界を超え、店長の罵声も遠くから聞こえるようになってくる。そして彼の意識に異変が起こり始め、周囲の世界が突然フリーズしてしまう。動いているのは自分だけであり、時間の止まった世界の中で女性たちを裸にし夢中でデッサンを始めるベン。そんな中で、ベンはふとした瞬間に見せるシャロンの表情に目が釘付けになってしまう。時間を自由に操れるようになったベンは、様々な局面で自分に備わった能力を有効に使いながらも、シャロンの表情を一心に描き溜めてゆく。

フローズン・タイム 評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★☆☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★☆☆☆

作品概要

  • 公開日:2006年
  • 上映時間:92分
  • ジャンル:コメディ、ラブストーリー
  • 監督:ショーン・エリス
  • キャスト:ショーン・ビガースタッフ、エミリア・フォックス、ショーン・エヴァンス、ミシェル・ライアン etc

フローズン・タイム 批評 ※ネタバレ

映画『フローズン・タイム』について、2つ感想批評です。※ネタバレあり

若さゆえのエロ妄想がよく描けている

若い時のエロ妄想というのはとどめを知らない。インターネットの進化なども始めにエロありきで発展してきた部分もあり、芸術もある部分では性衝動の触発が創作意欲の源になるという部分を孕んでいる。そして本作の主人公が”時間を止める”という手段に及んだことも、よくある妄想譚として表現される手段なのであるが、時間というものは概念であり実存ではないので、このような事実は科学的にあり得ないのであるが、何故人はこうも時間を自由に操るという夢想を描くのかという心理がよく表現できていると感じる。芸術を表現するという行為は、具象だろうと抽象であろうと夢想的イメージを脳裏に定着できない人には不可能である。主人公のベンが本当に時間を操れたかどうかはさておき、最後に個展を開くまでの芸術的なプロセスに恋愛や仕事という日常がさりげなく取り入れられ、豊かな創造性を育んでいくというシナリオが現代的に捉えられたところに、監督の芸術的な視線が垣間見える作品である。

”芸術の捉え方”という視線を表現した珍しい作品

映画自体は芸術的ではないのだが、芸術の捉え方というものを描いた映画というものは珍しいだろう。一見青春コメディ風な作品ではあるが、監督がカメラマンという事もあり、フレーミングやライティング、カメラアングルへのこだわりは随所に窺える。しかしそれをあくまでも青春ものとして表現しているところは良かったのではないだろうか。生半可な芸術映画を作るくらいなら、こういった視点で映画を作る方がカメラマンらしい。この監督は芸術の表現に関しては理解していると感じられる。しかしそれが過去にフランスやイタリアの巨匠が撮ったような映画を今さら撮ったところで亜流にしかならないというのも理解しているはずである。カメラマンとしてマルチな才能を発揮したという点ではらしい作品であり、それが少し風変わりでユニークな着想の下に表現されている。

フローズン・タイム 感想まとめ

美大生らしい物静かな主人公であるが、画家への情熱や思い入れは中途半端でない。事ある毎にスケッチブックを開き、時間を止めて女性を裸にしながらも、ひたすらスケッチをするという設定が微笑ましい。まぁ、これが一般的な解釈ならそんな行為では留まらないだろうという意見もあるだろうが、そうなってしまうとポルノ映画になってしまうので、それは一般的な映画という部分で上手い具合に収まっている。「欲」と「欲望」の違いとでも言えばいいのだろうか。エロさも含みながらそれがいやらしさに結びついていないところも、イギリス映画らしい部分であると感じたが、逆に言えば毒にも薬にもならないというところが少々残念である。65点くらいかな。

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