『復活の日』あらすじとネタバレ映画批評・評価

復活の日の概要:「復活の日」は1980年の日本映画。小松左京原作のSF小説を角川春樹事務所とTBSが映画化。監督は深作欣二。主演は草刈正雄。ヒロイン役に「ロミオとジュリエット」のオリビア・ハッセー。グレン・フォード、ジョージ・ケネディ、ロバート・ヴォーンなどのハリウッドスターも出演し話題を呼んだ。音楽プロデューサーは、ジャズトランペッター、マイルス・デイビスのプロデューサーでもあったテオ・マセロ。

復活の日

復活の日 あらすじ

映画『復活の日』のあらすじを紹介します。

198×年、東ドイツ陸軍にある細菌ラボからウイルスM-88が盗まれた。その細菌はマイナス10℃から増殖が起こり、0℃を越えて猛烈な毒性を発揮する恐怖の細菌兵器である。M-88を奪ったスパイは小型飛行機でアルプス越えを試みるも、吹雪の中で山腹へ激突炎上した。雪解けと共に細菌が空中に飛散し世界中で事件が頻発。ソ連、中国での家畜や野鳥の変死に始まり、イタリアでの幼児に起こった原因不明の熱発などで「イタリア風邪」と名付けられた。初夏を迎えた南極昭和基地にも全世界に猛威を振るうイタリア風邪のニュースが届く。越冬隊員の吉住周三(草刈正雄)は東京に残してきた恋人の身を案じていた。

その頃、東京では次々に死んでゆく人々で溢れ、混乱を極めていた。ホワイトハウスでは連日閣議が開かれ、ある上院議員がイタリア風邪の原因は、ある米軍将校が大統領にさえ内密に開発した細菌兵器M-88であることを突き止めるが、その最近は何者かによって東ドイツに渡ったと知る。

やがてワシントンにも蔓延したウイルスでホワイトハウス内も崩壊し、アメリカ大統領は南極基地へ、メンバー協力の下で生きる努力を続ける旨のメッセージを残し息絶える。そして乱心した将軍は核ミサイルの安全装置を解除し、装置の前に腰掛けて死を待った。

やがて南極に残る11国の数百人を残し人類は死滅に至る。数人の女性を含む人々の生活が始まり、人類を絶やさない為のルールに基づいた葛藤が始まる。

そこへ地震学者の吉住が地穀調査でアメリカ東部の直下型地震を予知し、ホワイトハウス地下にあるソ連のミサイル攻撃の自動報復システムが、地震の衝撃波で作動すると報告する。米軍ミサイルの発射と同時にソ連軍の報復システムが作動し、その照準の一つに米軍南極基地が定められている。地震が起きる前にミサイルの報復システムを解除しなければ人類は死に絶えてしまう。ホワイトハウスに通じた米軍の少佐は自らの行動を悟り、そして吉住も少佐の助手として志願する。

復活の日 評価

  • 点数:95点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:1980年
  • 上映時間:156分
  • ジャンル:SF、サスペンス、ヒューマンドラマ
  • 監督:深作欣二
  • キャスト:草刈正雄、夏八木勲、多岐川裕美、永島敏行、丘みつ子 etc…

復活の日 批評 ※ネタバレ

映画『復活の日』について、2つ批評します。※ネタバレあり

パンデミックと核問題に派生するあり得ないような設定

1980年に突入し、ノストラダムスや別の終末論などが多く社会で採り上げられるようになった時代、この原作が映画化されたのは頷ける情勢だったと感じる。高度成長期も終わり、世間に新しいテクノロジーの波が押し寄せようとしていた時期でもあり、平和ボケしていた人々の関心は不安というものに変貌していった時代の背景があった。映画の歴史を見ても70年代に入ってからは、「タワーリング・インフェルノ」、「大地震」、「エアポート」のシリーズなどが興行的にも収益を上げ、夢のある映画以上に災害に対する警鐘を鳴らすものが多かったのではないだろうか。SF映画もそういったテーマに反映されながら、スケールの大きな特撮映画の進化を遂げていった感はある。小松左京原作の映画では「日本沈没」がヒットしたが、「復活の日」はスケールもより大きく、細菌兵器や核と言った世界の軍事問題に言及した部分では革新的な試みだったのではないか。1964年に書かれた小説としては随分と先の時代を反映した作品でもあった。当時の作品的な批評は分かれたものの、私感であるが、映像技術は別にして日本映画では希有な作品であると思っている。南極の昭和基地での緊迫したシーンにも説得力があり、撮影技術のみに依存せず、原作も相俟って緻密に書き込まれたシナリオが見えてくる映画である。

短めのラストシーンが良い

今の時代ならミサイルが世界中を襲うシーンがCGで壮絶に描かれるだろうが、ここではキノコ雲が上がるカットが短く織り込まれ、以降、主人公の吉住が地の果てで巨大な夕日を背に彷徨うシーンが印象的である。そして生き残った仲間たちと出会うラストシーンにつながり、映画のラストシーンらしいエンディングが深作欣二監督の巧さを表現している。危機的状況で起こる人間ドラマに重きを置き、大作と銘打って公開された内容に日本映画なりの味付けが行われて、観終えた印象も悪くない。アメリカ側も日本側でも個性をあまり主張しない配役も効果があったのだろう。

まとめ

日本映画のSF作品としては上位にランクされる。この作品以降実写版でどんなSF映画があったのかと思いながら、リメイクされた「日本沈没」しか思い当たらない。特に日本の場合、世界に誇るアニメ文化というものがあり、そちらの方から目をそらすわけには行かない事情もあると思うのであまり期待はしないが、日本製のSFや時代劇の大作映画は、本当に観られなくなったのだとしみじみ感じるのである。果たしていつの日か、日本のハリウッドとも言えるような環境はできるのだろうか。と、この映画を再び観て、空しい絵空事なんかを考えてみた。

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コメント

  1. うぼで より:

    不思議な映画(作品)です。深作監督の演出と木村さんの撮影の両方が味わえるので贅沢なのですが…。あのラストの海岸でのマリト達への再会の場面吉住が左から右へ駆け歩いたら有名?な大きい太陽の前での影姿とシンクロするのにて思いました。