映画『ファニーゲーム』あらすじ&ネタバレ考察・ストーリー解説

今は亡きウルリッヒ・ミュール、スザンヌ・ロタール夫妻の競演作「ファニーゲーム」。監督はミヒャエル・ハネケ。休暇で訪れた別荘で謎の青年にかかわった事から恐怖に巻き込まれていく家族を描いた作品。

ファニーゲーム

あらすじ

映画『ファニーゲーム』のあらすじを紹介します。

休暇を過ごすため、別荘を訪れたゲオルク、アンナ夫婦と一人息子。
隣の別荘に滞在している家族の様子が少し変で、親戚だと名乗る白い手袋をつけた2人の青年がいた。

しばらくすると、隣の奥さんから頼まれたのだが卵を分けてくれないか、と青年が一人訪れる。
丁寧な口調と物腰に気を許したアンナは、快く卵を渡すが青年はそれを落とし、再び卵を渡すことになる。
やがて、青年がもう一人やってきて、ゲオルクのゴルフセットを褒めて試し打ちをさせてくれと言い、犬に驚いて卵を落としてしまったから、また分けてくれと言ってくる。

彼らの態度に我慢ができなくなり2人を追い出そうとして、ゲオルクは青年を殴ってしまう。
すると、青年たちの態度は一変し、ゴルフセットでゲオルクの足を殴って身動きを取れなくすると、家族を監禁する。

そして、12時までにどちらが生き残っているか、賭けをしようと言い出す。
隙を見て逃げ出した息子だったが、隣の別荘で冷たくなっている一家を発見し、落ちていた銃を持っているところを見つかり、連れ戻される。
12時になる頃に息子は射殺されてしまうが、アンナとゲオルクは生き延びていた。
アンナは外に助けを呼びに行くが、まだ周辺にいた2人組に捕まり、その後ゲオルクは殺されてしまう。

朝になり、アンナを連れてヨットに乗った2人は、アンナを湖に突き落として、別の別荘に向かう。
「アンナに頼まれたのですが、卵を分けてもらえませんか?」

評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★☆☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2001年10月20日
  • 上映時間:103分
  • ジャンル:サスペンス、ホラー
  • 監督:ミヒャエル・ハネケ
  • キャスト:スザンヌ・ロタール、ウルリッヒ・ミューエ、フランク・ギーリング、アルノ・フリッシュ、ステファン・クラプチンスキー etc…

ネタバレ考察・ストーリー解説

映画『ファニーゲーム』について、2つ考察・解説します。※ネタバレあり

白い手袋の2人組は何者なのか

夫ゲオルクを殺害する道具を、ナイフにするか銃にするかとアンナに聞いた後で、片方の青年が隙を付かれてアンナに撃たれるシーンがあります。
その直後、もう一人の青年がリモコンを手にすると、時間が戻り、アンナに撃たれる前に移動します。
これは、本当は一人の青年の命をここで終わりにして、違うラストに向かって進む可能性もあった、ということを思わせます。
しかし、現実はそこまで優しくないという意味で、わざわざ見せてから物語の軌道修正をしたとは考えられないでしょうか。

時折、巻き戻した方の青年が、視聴している人に向かって台詞を言うように思えるシーンがあったりします。
この謎は、ラストのヨットの上での青年2人の会話につながりがありました。
常に一貫性のない2人の会話ですが、「今見ている映画はフィクション。フィクションは現実と同じくらい現実的だ。」という内容の会話をしています。
つまり、フィクションだと言い切った上で、現実にこういったことが起こる可能性も示しているのです。
そして、彼らと同じような人物が実際にいてもおかしくない、という恐ろしい可能性まで示しているのです。

だからこそ、一貫性のない会話、ペーターと名乗ったりトムと名乗ったり名前すらもはっきりしない、医学部に通っていると言った後に別の学部を口に出し、謎だらけの人物になる。
こういった発言によって人物像がぶれるのは、彼らが身元が割れるのを隠したいためでも、ただの嘘吐きでもなく、ましてや病気などでもない。
たくさんの可能性を示すことで、どんなにいい人そうに見える人物でも、危険な場合もある、と思わせたいのだと考えられます。。

映さないシーンがある理由

残酷なシーンはあえて映さない映画です。
わざわざカメラの枠の外に出てから、泣き声が聞こえたりします。
しかし、見えないからこそ深く考えてしまいゾッとするのではないでしょうか。

ラストで、アンナに紹介させた家庭に同じ「卵をわけてほしい」という言葉を使って入っていきます。
そして、青年のカメラ目線で映画は終わります。
「この後はもう想像がつくだろう」という意味を含んでいて、最後まで見えないこその恐怖感を完璧なものにしていると考えられます。

まとめ

「ファニーゲーム」、楽しいゲームと感じるのは、きっと白い手袋の2人組の青年だけで、見ていても全く楽しくない映画です。
不快感と恐怖でいっぱいになる映画です。

ストーリーも大きな動きがあるのではなく、どことなく単調さが際立っています。
しかし、どこにでもありそうな家族の会話や動きの中に、白い手袋を決して外さないという奇妙な青年が、ごく自然に入ってくることで異質な感覚が生まれます。
それでも当たり前のように居座るので、単調に進むストーリーには変わりがありません。
その中で視聴側に向かってアクションを起こす演出は斬新で、映画の中にいるような気持ち悪さを感じます。

ミヒャエル・ハネケ監督が再び「ファニーゲームU.S.A」という題名でアメリカリメイク版を作りましたが、日本では年齢規制のある作品になっています。

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