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映画『25年目の弦楽四重奏』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『25年目の弦楽四重奏』の概要:休暇後、久しぶりにフーガ弦楽四重奏団のメンバーが集まり練習を行っていた。しかし、チェロのピーターが手の不調を訴える。病院で診察してもらうと、パーキンソン病の初期という診断結果が出た。ピーターは引退を決意する。

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映画『25年目の弦楽四重奏』の作品情報

25年目の弦楽四重奏

製作年:2012年
上映時間:106分
ジャンル:ヒューマンドラマ、音楽
監督:ヤーロン・ジルバーマン
キャスト:フィリップ・シーモア・ホフマン、キャサリン・キーナー、クリストファー・ウォーケン、マーク・イヴァニール etc

映画『25年目の弦楽四重奏』の登場人物(キャスト)

ロバート・ゲルバート(フィリップ・シーモア・ホフマン)
フーガ弦楽四重奏団のメンバー。第2バイオリン担当。ダニエルのやり方が気に食わず、ピーターの病気を機に今までの鬱憤が爆発する。
ジュリエット・ゲルバート(キャサリン・キーナー)
フーガ弦楽四重奏団のメンバー。ビオラ担当。ロバートの妻。ロバートと結婚する前、ダニエルと付き合っていた。
ピーター・ミッチェル(クリストファー・ウォーケン)
フーガ弦楽四重奏団のメンバー。チェロ担当。音楽学校の講師で、ダニエル達は教え子だった。フーガの前にジュリエットの母と四重奏団を組んでいた。
ダニエル・ラーナー(マーク・イヴァニール)
フーガ弦楽四重奏団のメンバー。第1バイオリン担当。保守的で、緻密に練られた計画に基づき演奏を行う。
アレクサンドラ・ゲルバート(イモージェン・プーツ)
ロバートの娘。ダニエルにバイオリンの指導をしてもらう。
ピラール(リラズ・シャルヒ)
ロバートのジョギング仲間。
ニナ・リー
ピーターの後任を務めるチェリスト。
ギデオン・ローゼン(ウォーレス・ショーン)
ピーターの友人。ニナ・リーが所属する三重奏団のメンバー。

映画『25年目の弦楽四重奏』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『25年目の弦楽四重奏』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『25年目の弦楽四重奏』のあらすじ【起】

フーガ弦楽四重奏団のメンバーが集まって25周年を祝った。メンバーは第1バイオリンのダニエル、第2バイオリンのロバート、ビオラのジュリエット、そして、チェロのピーターの4人である。ロバートは楽譜を暗譜して自由に演奏することを提案するが、厳格で保守的なダニエルはそれを却下する。ピリッとした空気の中、4人は休暇後の久しぶりの演奏を行う。だが、ピーターの演奏がうまく合わなかった。

ピーターは手の不調を訴えて病院を訪れる。そこで、パーキンソン病の初期だと診断される。ピーターは激しく動揺した。

ダニエルはロバートとジュリエットの娘であるアレクサンドラに指導を行った。しかし、1小節も弾かないうちから、それではダメだと注意した。アレクサンドラにはベートーベンに対しての理解が足りないと感じ、伝記を渡した。

ロバートはジョギング仲間のピラールに声を掛けた。その時、ピラールから今度行われるショーに招待される。ロバートは代わりにお勧めの音楽を教えた。そして、フーガ弦楽四重奏団の愚痴を零した。いつも第2バイオリンであることに不満を抱いていたのだ。皆の旋律を束ねる重要な役割なのだが、やはり第1バイオリンを弾きたいと感じていた。

フーガのメンバーが集まっている場で、ピーターは病気のことを打ち明ける。そして、これから先の計画として、ニナ・リーに後任を任せたいと思っていることを話した。薬で進行を遅らせることはできるが、もし演奏できたとしても、今季の最初の演奏会でピーターは去るつもりだった。ジュリエット達は突然のことに動揺して頭を抱えた。

ピーター以外の3人が呆然としながら歩いていると、ロバートが今後第2に演奏して弾きたくないと申し出た。曲ごとに第1と第2を決めたかったのだ、だが、こんな時にそんな話をするロバートにジュリエットとダニエルは失望する。

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映画『25年目の弦楽四重奏』のあらすじ【承】

アレクサンドラはピーターの様子を父に尋ねた。ピーターはアレクサンドラの学校の講師でもあり、気に掛けていたのだ。だが、ロバートはピーターよりもジュリエットを心配していた。話を聞いたジュリエットの方が、激しく落ち込んでしまったのだ。アレクサンドラは父の話に納得し、母に優しくすることを約束する。そして、ダニエルの様子も尋ねた。ダニエルはピーターと新しいチェリストを探していた。アレクサンドラは感情のない人だと貶し、伝記を渡されて追い返されたことを話した。ロバートは的確な助言だとダニエルの肩を持ち、演奏前には当時の様子を想像することを話した。

ジュリエットはダニエルと公園で散歩をしていた。そこで、ピーターは今季の最後まで一緒にやるべきだと話した。最愛の妻を亡くし、病気になって苦しんでいるピーターに手を差し伸べたかったのだ。だが、ダニエルはニナが後任になるならそれでいいと考えていた。ニナはピーターの代わりに演奏したこともあり、人柄と実績に不満がなかった。ダニエルにとっては、ロバートの件の方が問題だった。ジュリエットはピーターが去るなら共に去ると脅して、ダニエルはピーターと、ジュリエットはロバートと話し合うことになる。

ピーターは友人のギデオンに会い、引退することと後釜としてニナを必要としていることを話した。ギデオンはニナと共に三重奏団を組んでいた。ピーターは説得したが、ギデオンはニナを手放すことを嫌がった。

アレクサンドラはダニエルに指導を受けて褒められたので、父から助言をもらったことを話した。そして、ダニエルにもっと柔軟に父と話して欲しいと頼んだ。しかし、ダニエルはそれを鼻で笑い、音楽に集中しろと注意した。一流のバイオリニストになるには、孤独にバイオリンと向き合うしかないのだ。ダニエルは苦しみを軽くする為に四重奏団を作ったが、仕事や煩わしさが増え、演奏の欠点を知られて自尊心が傷つくだけだと話した。

映画『25年目の弦楽四重奏』のあらすじ【転】

ピーター達は全員で集まり、インタビュー映像を見た。ピーターは30歳以上年の離れた生徒であるダニエルから誘われ、ジュリエットを仲間に入れることを決めた。ロバートの参加は、とても奇妙なものだった。ダニエルが声を掛け、ロバートが彼らの“音”を聞いた時に四重奏団に入ることを決めたのだ。ロバートは仲間として1つになる重要性を理解していた。

タクシーで帰宅中、ジュリエットはロバートに考え直してくれと頼んだ。ダニエルが第2を演奏することはありえないからだ。しかし、ロバートは最初の頃のように、弓の動き方一つで意見を言うような関係性を取り戻したいと考えていた。だが、ジュリエットはダニエルと話し合い、ロバートが第1に相応しくないと言っていたことを話してしまう。ロバートは激しく怒り、味方をしてくれないジュリエットに失望した。そして、車を停車させて立ち去ってしまう。

ダニエルはピーターと話し、引退を撤回するように頼んだが、ピーターの意思は固かった。その夜、ダニエルはニナに電話をして、ピーターが病に罹っていることを伝えた。

ロバートはバーでピラールの踊りを眺め、一夜を共にしてしまう。次の日、ジュリエットが訪ねてくるが、様子がおかしいロバートに不信感を抱く。ロバートはピラールの家にバイオリンを忘れたので会いに行くが、そこにジュリエットが現れる。ジュリエットは激しく怒りロバートと言い争った末、家を出て行くように告げた。

ニナが移籍してくることが決まり、ピーターはダニエルに電話をした。そこに、ジュリエットが現れる。ジュリエットは涙を浮かべながら、ピーターがいない四重奏は嫌だと話した。しかし、ピーターはフーガの前に組んでいた四重奏団を引き合いに出し、ビオラ奏者であるジュリエットの母が亡くなった時に、解散したことをずっと後悔していると話した。そして、勇気を出せと励ます。

映画『25年目の弦楽四重奏』の結末・ラスト(ネタバレ)

ダニエルはアレクサンドラを誘い、ドライブに出掛けた。車内ではフーガについての話になり、ダニエルはロバートの演奏の腕を認めており偉大だと褒めた。アレクサンドラは母とダニエルが付き合っていたことを知っており揶揄するが、ダニエルは昔の話だと相手にしなかった。

ロバートとジュリエットはバイオリンの落札会場で再会する。そこで、ロバートはジュリエットに対してずっと抱いていた不信感を話した。ジュリエットは妊娠が判明したから結婚を選んだだけで、本当はしたくなかったのではないかと感じていたのだ。ジュリエットは何も答えなかった。

ダニエル達は弓に使う毛を見るために厩舎を訪れる。そこでは、世界中から毛を輸入していた。アレクサンドラはダニエルに、なぜソロにならなかったのか問い掛けた。ダニエルは仲間を大切にしており、意味のある演奏をするには四重奏団が一番だと話した。アレクサンドラは突然ダニエルにキスをした。ダニエルは戸惑い、その場を離れた。

帰宅後、ダニエルはアレクサンドラの家を訪ね、2人は一線を越えた。だがその時、ジュリエットが訪ねてくる。ダニエルは窓から逃げ出したが、ジュリエットは停車しているのがダニエルの車だと気付いた。アレクサンドラに会い、ベッドで何をしていたのか詰問する。ジュリエットは愛し合っていると平然と言い放った。2人は激しく言い争って喧嘩してしまう。

薬が効いて良好な日、ピーターは皆を誘ってリハーサルを行う。だが、メンバーの不穏な空気を感じて何があったのか問い掛けた。ダニエルはアレクサンドラと恋人関係であることを告げた。ロバートがダニエルを殴りつけたため、ピーターは皆に帰るように指示した。そして、ダニエルにアレクサンドラと別れるように伝えたが、ダニエルはそれを嫌がった。

アレクサンドラは母のインタビュー映像を見ていた。そこで、ピーター夫妻の深い愛情の元で音楽を学び、フーガの結成、ロバートとの出会い、娘の誕生も幸せな出来事だと語られていた。そして、アレクサンドラが家族の中で一番才能があると嬉しそうに話した。そこに、ダニエルが帰ってきて、両親が落札できなかったバイオリンをプレゼントされる。弓はダニエルのお手製だった。だが、アレクサンドラはダニエルに別れを告げる。それは、両親の為ではなく、ダニエル達が大切にしているフーガの為に選んだ別れだった。ダニエルは嫌がるが、アレクサンドラの意志は固かった。

フーガ弦楽四重奏団が観客達の拍手に迎えられ、舞台へと上がった。演奏が進む中、ピーターの手が止まってしまう。笑顔でチェロを置くと、観客に辞めることを伝えた。そして、ニナを迎えると舞台を後にした。観客達は拍手でそれを見送り、仲間達も涙を堪えながら見送った。ダニエルはそっと楽譜を閉じた。ロバート達もそれに倣って楽譜を閉じると、暗譜で演奏が始まった。その演奏をアレクサンドラとピーターは観客席で眺めた。

映画『25年目の弦楽四重奏』の感想・評価・レビュー

4人の役者が音楽家を演じているのだが、彼らが本当の音楽家に見えてくるのがすごい。特に劇中の音楽団としてのアーティスト写真の出来があまりにそれっぽく、役者ってすごいなぁ、の一言だ。
そしてやっぱりフィリップ・シーモア・ホフマン。彼の演じる、音楽家であり夫であり父であり1人の男である役の色々な表情は見ていて惚れ惚れする。
音楽家の4人は様々な問題を抱えたまま舞台に上がり演奏を続ける。その感覚はどこか自分の日常にも重なり自然と共感を覚え、心地良い余韻が残る。(男性 40代)


本作は、メンバーであるチェロリストの引退宣言から始まるカルテットの人間関係を描いたヒューマンドラマ作品。
音楽は詳しくないけれど、ベートーヴェンの曲や演奏家たちの奏でる音楽には引き込まれた。
物語の軸となるカルテット4人のもつれていく人間模様も、大人になれきれないところにそれぞれの人間性を感じ、それでもどうにか乗り越えて生きていかないといけないところには共感した。
そのように、それぞれが色々な事情を抱えて舞台に上がる姿に勇気を貰えた。(女性 20代)

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