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映画『ゴッドファーザー パート3』あらすじネタバレ結末と感想

映画『ゴッドファーザー パート3』の概要:歴史的な名作「ゴッドファーザー」「ゴッドファーザー パート2」の完結編。ファミリーのドンとして君臨したマイケル・コルレオーネの贖罪と世代交代が実在の人物と事件を絡めた壮大な物語として描かれる。

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映画『ゴッドファーザー パート3』 作品情報

ゴッドファーザー パート3

  • 製作年:1990年
  • 上映時間:162分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、フィルムノワール
  • 監督:フランシス・フォード・コッポラ
  • キャスト:アル・パチーノ、ダイアン・キートン、アンディ・ガルシア、タリア・シャイア etc

映画『ゴッドファーザー パート3』 評価

  • 点数:95点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

映画『ゴッドファーザー パート3』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『ゴッドファーザー パート3』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『ゴッドファーザー パート3』 あらすじ【起・承】

1979年 ニューヨーク。60代となったマイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)はネバダから再びニューヨークへ帰っていた。ケイ(ダイアン・キートン)と離婚し、息子のアンソニー(フランク・ダンブロシオ)と娘のメアリー(ソフィア・コッポラ)とも離れて暮らす日々は孤独だった。マフィアのコルレオーネ・ファミリーのドンであるマイケルは、慈善事業に力を注ぎ組織を合法化させようとしていた。

マイケルの設立した「ビトー・コルレオーネ財団」はバチカンにも多額の寄付をしており、その功績が認められマイケルは叙勲される。その式典にはケイ、アンソニー、メアリーも出席し、その後のパーティーでマイケルはケイと8年ぶりに話をする。アンソニーは大学を辞めオペラ歌手になると言い、マイケルは後継者を失う。ケイも未だにマフィアとしてのマイケルな冷酷な一面を許していなかった。ただメアリーだけは父を素直に愛していた。

パーティーにはマイケルの亡き兄ソニーの息子ビンセント(アンディ・ガルシア)も顔を出していた。ビンセントは父親譲りの激しい気性で、ファミリーのニューヨークのシマを引き継いだジョーイ・ザザと対立していた。ザザはマイケルの妹コニー(タリア・シャイア)の名付け親でもあるドン・アルベルトの息がかかったマフィアであったが、マイケルから見ると相手にするのも馬鹿らしい小物だった。コニーの後押しもあり、マイケルはビンセントを自分の側に置いてみることにする。

バチカンのギルティ司教は横領したバチカン銀行の損失をマイケルに穴埋めして欲しいと頼む。6億ドルを出せば国際的な大企業インモビリアーレ社を手中に収めることができると言われ要求をのむが、それはギルティとイタリアの政治家ドン・ルケージ、大手銀行頭取のカインジックが仕組んだ罠だった。マイケルは株主として認めてもらえず、ファミリーを合法的な組織にする計画は暗礁に乗り上げる。

マイケルの動きに他のファミリーから不満が出ているとアルベルトから聞かされたマイケルは友好関係にあるファミリーの幹部を集めた会議を開く。しかしこれもアルベルトとザザの罠で、会議が開かれたペントハウスは上空から襲撃され多くの幹部が命を落とす。マイケルはなんとか脱出を果たしたが、その晩糖尿病の発作により倒れる。そして糖尿病以上にマイケルを苦しめていたのは実の兄フレドを殺害したことへの悔恨の念だった。

ビンセントとコニーはマイケルに相談もせず、復讐のためザザとその部下を暗殺する。この勝手な行動にマイケルは激怒する。さらにメアリーとビンセントが急接近していることもマイケルは危惧しており、ビンセントに娘には近づかないよう警告する。

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映画『ゴッドファーザー パート3』 結末・ラスト(ネタバレ)

マイケルたちはアンソニーのデビューコンサートを見るためシチリアへ移動する。マイケルはビンセントにアルベルトに近づいて一連の出来事の黒幕を探るよう指示する。ビンセントの働きでアルベルトはルケージと手を組みマイケルを消そうとしていることがわかる。アルベルトはモスカ親子という凄腕の殺し屋にマイケル暗殺を依頼する。

マイケルはイタリアの事情に詳しいトマシーノに信用できる人物としてランベルト卿を紹介してもらう。マイケルはランベルト卿にギルティ司教の不正を訴え、さらにフレド殺害を懺悔する。

マイケルは後から来たケイと2人でシチリアをドライブする。夫婦だった時には持てなかった静かな時間を過ごし、ケイの気持ちも和らぐ。しかし同じ日、トマシーノがモスカ親子によって殺害され、ケイはマイケルが裏の世界から抜け切れていないことを知る。

バチカンでは法王パウロ6世が逝去しランベルト卿が新しい法王となる。同じ頃、カインジックが多額の現金と重要書類を持って失踪する。ランベルト卿が即位したことでバチカン銀行との不正な癒着が発覚することを恐れたのだ。ギルティ司教たちはこの事態に焦る。
マイケルは彼らの動きを察し、メアリーを諦めることを条件にビンセントへドンの座を譲る。マイケル自身はもう罪を犯さないと誓っていた。

アンソニーのコンサート当日。会場にはモスカ親子が潜り込んでいた。ビンセントは用心棒たちを配備し警戒を強める。メアリーは彼から一方的に別れを告げられたことに納得がいかず悲しみにくれていた。

VIP席にいるマイケルの命をモスカ親子が狙う中、コニーはアルベルトに毒入りのお菓子を贈り、それを食べる彼の様子を伺っていた。カインジック、ギルティ司教、ルケージのところへもファミリーからの暗殺者が送り込まれ、それぞれ始末されていく。アルベルトの毒殺も成功する。しかしランベルト卿もギルティ司教たちによって毒殺されていた。

舞台裏での攻防により、用心棒たちは殺されるがマイケルの命は守られ、アンソニーのコンサートは大盛況で幕を閉じる。しかしモスカ親子は最後のチャンスを狙っていた。観客たちが出てくる大階段で、マイケル暗殺のために放たれた銃弾はビンセントとのことをマイケルに訴えていたメアリーの胸を撃ち抜く。その場に崩れ落ちるメアリーを抱きしめ、マイケルは慟哭の中で正気を失っていく。

時は過ぎ、シチリアの古い屋敷の庭に一人ぼっちで座る白髪のマイケルは、誰にも看取られることなく息絶える。

映画『ゴッドファーザー パート3』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ゴッドファーザー パート3』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

長い物語の終わりに…

前作が製作されてから16年の時を経て製作されたこの壮大なファミリーの物語の最終章である本作。主に描かれるのは過去に犯した罪の重さに苦しみ続けるマイケルの姿と、どこまで行っても抜けられない裏社会とのつながり、成長したマイケルの子供たちと後継者の問題である。

「ゴッドファーザー」「ゴッドファーザー パート2」を見てきたファンにとっての最大の見所は、晩年のマイケルが抱えている悔恨の念だ。1作目で父のビトー・コルレオーネからドンの座を引き継いだマイケルは、ゴッドファーザーとして非情な手段を使いファミリーを巨大化させていく。2作目では自分を裏切った実の兄・フレドまで暗殺し、そんなマイケルの冷酷さを恐れたケイは彼のもとを去っていく。その時、アンソニーとメアリーはまだ幼い子供だった。その過去を見てきた観客にとって、この最終章で描かれているマイケルの苦しみは全て理解できる。

晩年、人間味を取り戻し切ないまでに家族を求めるマイケルの孤独は、自分の罪が招いた結果とはいえやはり悲しい。マイケルは冷酷なドンであった時も常に家族を愛していた。しかしマイケルには2つの家族があった。ケイと築いた家庭とマフィアのファミリーだ。マイケルはそのバランスをうまく取ることができなかったのだと今になればわかる。

コッポラ監督はマイケルから最愛の娘を奪うという結末を用意した。確かにこれ以上ドラマチックな結末はない。マイケル自身が殺された方が見ている側も楽だっただろう。メアリーが殺された時のアル・パチーノ演じるマイケルの慟哭ぶりはとても演技とは思えない迫力と絶望に満ち溢れている。こちらの息が止まりそうな迫真の演技だ。

そして真っ白な印象を残すラストシーン。一人ぼっちで椅子から崩れ落ちるマイケルの姿を見た時、私たちはこのファミリーの長い物語が終わったことを知る。観客はそれぞれにこのファミリーの思い出を回想しながら静かな余韻に浸る。

コッポラ監督とこの作品の原作者であり3作全ての脚本を共同執筆したマリオ・プーゾはこれ以外には考えられないと思わせる完璧な物語の終わりを見せてくれた。


2作目で感じた、ビトーとマイケルの違い。今作ではその違い故の結末が描かれていて、最後にふさわしい物語になっていたと思います。
マイケルが大事にしていたのは妻や娘たち家族では無く、コルレオーネのファミリーだったのだと感じました。
それはビトーから受け継ぎ、高いところを目指していた当時の彼にとっては正しい選択だったのかもしれませんが、誰にも看取ってもらえない最期を見てしまうと正しかったとは思えません。
一般人とはかけ離れた世界のストーリーですが、家族を愛することはとても大切なことなのだと感じます。(女性 30代)

映画『ゴッドファーザー パート3』 まとめ

前の2作に比べるとこのパート3の評価はそれほど高くない。しかしそれはあくまで歴史に残る名作2作品と比較すればという視点での評価であり、この作品自体が駄作なわけでは決してない。このパート3も十分に見応えのある傑作だ。

ただ、キャスティング面で問題があったことは否めない。何が何でも前の2作でトム・へイゲンを演じたロバート・デュヴァルには出演して欲しかった。彼がいれば物語に何倍も深みが出たはずだ。そしてメアリーを演じたソフィア・コッポラの演技はやはり素人くさく、演技達者な役者の中で完全に浮いている。コッポラ監督の身内の起用(コニー役のタリア・シャイアは実の妹であり音楽を担当するカーマイン・コッポラは実の父親)は今まで成功していたが、メアリーという大役を素人同然の娘に演じさせたことは、はっきり失敗だったと言える。

前の2作の完成度には及ばなかったとはいえ、この最終章があるのとないのでは大違いだ。個人的にはマイケルがドンの顔から父親の顔を取り戻し、それがゆえに苦しむというこの最終章のドラマ部分は非常にうまくできていると思うし、映画としての価値も高いと思っている。このパート3があってファミリーの物語は完結しており、製作されたことには大きな意義がある。長期休暇などを利用してぶっ通しで3作見ると(大変な時間を要するけれど)この作品があって良かったという意味がきっとわかる。

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みんなの感想・レビュー

  1. 影山 美穂 より:

    ご指摘ありがとうございます。
    該当の部分、修正しました。

  2. 匿名 より:

    最後の方のあらすじで、アンソニーとビンセントを間違えています。
    アンソニーの事をマイケルにうったえていたの部分が正しくはビンセントとの事を訴えていた、です。

  3. あつし より:

    なにが駄目だって、ギャングの抗争にヘリコプターでマシンガンはないだろ。

  4. asahi より:

    part3を今回初めてゆっくりと観ました。
    若かりし日のアルパチーノが大好きで男の色気に圧倒されましたが、年老いた彼もまた素敵でした。どうしても裏社会から抜け出せない事実をケイにはっきりと突きつけられる場面ではこちらも悲しくなりました。妻と子供、孫にも暖かく見守られていた父親とは対称的で切なくなりました。

  5. 浜 千鳥 より:

    1979年4月から1983年6月まで、竣工して間もない、9・11で破壊されたワールドセンターのツインタワーの南へ2ブロック離れたビルで仕事をした。アトランクシティ(ニュージャージ)の事件、ジャン・ポール4世暗殺後、ローマー法王に選ばれたジャン・ポール2世がニューヨークで迎えたのも記憶去れる。ブロンクスにあるゴッドファーザー邸も見学した。私にとって、アル・パチーノの演技も含めて、Ⅲ作品が身近に感じる。

  6. ベル玉 より:

    他のパート1と2は見ましたが、なぜかこの3を見ていませんでした。私はアルパチノの大ファンですが、この3部目に一番いい味が出てますね。。今回はTVで見たのですが、確かにソフィア・コッポラが浮いていましたね。最初出ていた人たちが出ていないのに説明もないのでちょっと気になりましたが、とにかくパチノ様の演技が良すぎてあとどうでもよくなりましたけど。。最後のシーンではハラハラさせられました。うまくまとまってますね。評価が低かったのは、全体的に暗くて娯楽的要素から離れたせいでしょうか?でもアル・パチノ、本当によかったです。

  7. 匿名 より:

    子供の頃、若かりし頃みて好きでした。中年の今見直してみると、如何に深い映画なのか改めて分かりました。
    人間や家族に対しても描かれているし、政治、宗教、優良企業それらは穢れなきように見せ、合法に振る舞いながら、人殺しのマフィアより汚いと政治的なメッセージも。

    Ⅲメアリーの人選は残念ですね。下手ですし、綺麗でもない。
    ブリジットフォンダの役割もよくわからなかった。
    パートⅡまでは、皆、演技がうまいので、引きずり込まれ映画を見てる感覚にならない
    ほどだった。
    Ⅲはソフィアコッポラとアンソニー役(名前忘れた)の演技が軽くて入り込めなかった。
    また気の短いアンソニーを直ぐに重鎮のようにそばに置いた部分、ブリジットフォンダの役回りがよくわからなかった。

    ケイの演技いいですね。アル・パチーノは言うまでもない素晴らしい。
    いい映画でした。名作ですね。

  8. NAKANOSIMA より:

    二十年越しの壮大な家族と裏社会の織りなす大河ドラマが完結するということで、大いなる期待を胸に劇場へ足を運んだ。その時は、パート1の重厚な物語の展開の衝撃があまりにも大きく、また身ひとつでアメリカへ渡航し一代で名を成したビトの強さを描いたパート2が東北の田舎から都会へやって来た我が父の姿とオーバーラップし深く心に刻み込まれたのと異なり、前二作を総括するような内容に少し拍子抜けしたのを思い出す。しかし、繰り返し見直してみると、プロットや台詞、舞台など現作品と前作品とを同時に観ているような錯覚に陥るのは、コッポラ監督の手腕であろう。「犬神家の一族」のようにpartIをリメイクしてもらい観ることを叶わぬ夢として持ち続けていたい。

  9. NAKANOSIMA より:

    二十年越しの大作の完結編として大きな期待を胸に劇場へ足を運んだ。過去の作品をオーバラップさせるようなシチュエーションとセリフ一つひとつが二重三重に意味深に降りかかってくる。この大河ドラマは、シチリアで始まりシチリアで終わる。町を身ひとつで逃げ出したか弱い少年が成長後、家族の絆を守るために残酷で非常な裏社会のに厭わず手を染めてしてきたが、その息子は理性的でニヒルであり過ぎたために、守るべき最愛の娘を失ってしまう。彼の最期を看取るのはビトのような家族(孫)でなく仔犬であった。そして組織を引き継いでいくのは、皮肉にもソニーの血を引くビンセントである。シリーズは完結となったが、犬神家の一族のようにpartIのリメイクを観れたらいいなと思う