『風と共に去りぬ』あらすじとネタバレ映画批評・評価

風と共に去りぬの概要:「風と共に去りぬ」(原題:Gone with the Wind)は、1939年のアメリカ映画。アメリカの小説家マーガレット・ミッチェルの同タイトルの原作を映画化した作品。監督は「宝島」「オズの魔法使」のヴィクター・フレミング。主演のスカーレット・オハラ役に、本作でオスカーに輝いたヴィヴィアン・リー。レット・バトラー役にクラーク・ゲーブル。1939年の第12回アカデミー賞で13部門にノミネートされ、8つのオスカーに輝いている。222分

風と共に去りぬ

風と共に去りぬ あらすじ

映画『風と共に去りぬ』のあらすじを紹介します。

1861年のアメリカ合衆国。南北戦争の始まる直前の物語。ジョージア州タラの大地主ジェラルド・オハラ(トーマス・ミッチェル)の長女スカーレット(ヴィヴィアン・リー)は、同じ大地主のウィルクス家で開かれるパーティーに出席する。彼女の幼馴染みであるアシュリー(レスリー・ハワード)と彼の従妹メラニー(オリヴィア・デ・ハヴィランド)の婚約が発表されると聞きスカーレットは心が揺れていた。凛とした気高い美人の彼女は多くの青年から注目されていたが、彼女はアシュリーとの結婚を強く望んでいた。パーティー当日にスカーレットは想いをアシュリーに伝えたが、彼は気立ての優しいメラニーへ心を傾けていた。

スカーレットはパーティ席上で、チャールストン生まれの船長であり、評判の悪いレット・バトラー(クラーク・ゲイブル)に会い、その人を食ったような態度に憎しみを感じながらも、どこかで彼に惹かれている自分を覚えた。

やがて南北戦争が始まった頃、スカーレットは失恋から自暴自棄になり、メラニーの兄チャールズからのプロポーズを受け入れ結婚する。そしてメラニーと結婚したアシュリーもチャールズも出征していった。しかしチャールズは戦争中の病に倒れ亡くなり、スカーレットは喪に服す生活から逃げ出すようにアトランタのメラニーの許を訪ねた。彼女は地元の陸軍病院のバザーで偶然にレットと再会した。そんな中、南北戦争は北軍優勢に進み、スカーレットとメラニーは看護婦として働いたが、アトランタは北軍の侵攻に脅かされつつあり、スカーレットと乳飲み子を持つメラニーは、レットの馬車で故郷へと向かった。

旅の途中、レットは独りで戦線へ向かい、残された二人はようやくジョージアの故郷タラへ到着するが、そこは廃墟となり北軍の爪痕が痛々しく残されていた。

いつしか戦争は南軍の敗北で終わりを迎え、捕虜になっていたアシュリーも戻りメラニーを喜ばせたが、スカーレットは再び彼に愛を告白するも受け入れられなかった。北軍から重税を課されながらも土地を守ろうとするスカーレットは、北軍に捕らえられていたレットの許へ金策に行くが断られてしまう。妹の許嫁であるフランクが事業に成功し、スカーレットは妹を退け半ば強引にフランクと結婚する。事業を自らの手中に収めアシュリーを仲間に引き入れた彼女は、金儲けにしか生きる術を見いだせなくなっていた。

やがてフランクが亡くなり、スカーレットはレットと結婚し娘のボニーを生んだが、アシュリーへの想いは断ち切れず、レットは娘のボニーへのみ愛情を注いだ。結婚生活の不和からレットはボニーを連れロンドンへ行ったが、ボニーが母を慕い再び戻ったものの彼女は落馬して死亡。メラニーも病死してしまった。レットとスカーレットの結婚生活は破綻し、彼はチャールストンへと去っていった。そしてスカーレットは初めてレットを愛していたと気付くが時は既に遅かった。
原点に返るとスカーレットには故郷タラの土地しか残されていなかった。そして彼女は故郷に帰り全てをやり直す決意を固めた。

風と共に去りぬ 評価

  • 点数:100点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:1939年
  • 上映時間:231分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、ラブストーリー
  • 監督:ヴィクター・フレミング
  • キャスト:ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲイブル、レスリー・ハワード、オリヴィア・デ・ハヴィランド etc

風と共に去りぬ 批評 ※ネタバレ

映画『風と共に去りぬ』について、2つ批評します。※ネタバレあり

ハリウッド映画史上、燦然と輝く人間ドラマの金字塔

本作が1939年制作というところに驚かされる。日本で昭和14年と言った方がピンと来る人も多いのではないだろうか。南北戦争が背景にある人間ドラマとして、アメリカの転換期を描いたストーリーであり、ヨーロッパの文化が色濃く残っているところも見逃せない。豪華な生活を送る資産家が戦争のために身を崩し、運命に翻弄されてゆく姿は、美貌と気品を併せ持つヴィヴィアン・リーならではの適役だろう。文化の成熟していない時代の戦争というものには犠牲がつきまとう。本作は戦争をテーマにしたものではなく、戦争に巻き込まれた一般人を捉えたところが物語を壮大に成し得たのであろう。大義名分なく生きている人々が、思想という大義名分に巻き込まれ翻弄されるストーリーが、戦争の恐ろしさを如実に描いている。それは戦争自体の殺戮的な恐怖というのではなく、戦争によってねじ曲げられる人間の心の恐ろしさであり、人の心というものがいかに不確かなものであるかという事を露呈される恐怖である。

これが自然の驚異によってもたらされる不幸だとしたら、人は助け合い団結して立ち上がる勇気を持てるだろうが、人為的な戦争というものには憎しみが介在し、いかに優雅な貴婦人だとしても、優しく気高くばかりではいられないだろう。「私は飢えない。決して」と誓う主人公の意志は一体どこへ向けられているのか。果たしてその姿は、本来人が持たねばならない心根なのか。戦争が持つ恐怖はそういったところを問われるものでもある。逆境に立ち向かう力強さと行動力を賞賛するばかりでなく、その人たちの尊い犠牲により今があるという事に敬意を表し、過去の過ちを振り返り、今に活かしてゆくための作品でもあるのではないだろうか。

巧みなセリフ演出も白眉

美貌ゆえに自我の強い主人公が、思いを寄せる男の心を掴む為に手段を選ばない。恋愛ドラマというのは時代が変われど内容に変わりはないものだ。それでも愛する男の為に彼の妻と健気に生き抜いていくが、傲慢とさえ思えるほどの強さの裏に潜む健気さというのがスカーレットの魅力であろうか。どのような局面に立たされても「明日考える」と眼前の事実に立ち向かう強さをもつ主人公。その強さに惹かれるレットが「俺達は似ている」と説得する。主人公の唯一の友が死ぬ間際に、彼の愛情をスカーレットに語ることで、ようやく自分の気持ちに正直になる。だが時既に遅しという無常観が切なく描かれる。美しい映像は言わずもがな、心理描写を巧みに操るセリフの演出にも、この映画の名作と言われる理由が凝縮されて詰まっている。

まとめ

ストーリーの内容もさることながら、時代を反映した画面の色彩感が何とも魅力的だ。冒頭の馴染み深いテーマ曲に併せて映し出されるアメリカ南部の風景が、映画の中へすんなりと引き込んでくれる。最初から「古き良き南部は風と共に去ったのだ」とテロップが流れるところも、ストーリーを想起させる感慨深い演出である。そしてどんな境遇になろうと崩れないクラーク・ゲーブルの英国紳士然としたダンディな佇まい。栄光と失墜が描かれる起伏の激しさの中でも凛とした気高かさは失わない。女性の強さというところは勿論ではあるが、現代で失われつつある男のエゴと哀愁が色濃く漂う作品としても観る価値は高い。

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