映画『偶然にも最悪な少年』あらすじとネタバレ感想

偶然にも最悪な少年の概要:2003年に公開された、グ・スーヨン監督、市原隼人主演の青春映画。原作は、監督のグ・スーヨン自身が書いた小説。在日韓国人の少年が、姉の死体に韓国を見せたいと思いついたことから始まる騒動を描いた。

偶然にも最悪な少年 あらすじ

偶然にも最悪な少年
映画『偶然にも最悪な少年』のあらすじを紹介します。

在日韓国人の金城ヒデノリはいつもヘラヘラしていて、悪さばかりしている毎日。
ある日、離婚した母親に引き取られていた姉ナナコが自殺をしたと連絡が入る。
偶然知り合ったチーマーのタロー、精神面に問題を抱える由美を巻き込んで、死んだ姉に一度でいいから韓国を見せたいからと、病院から遺体を盗み出す。

タローの車で、韓国の釜山と下関の間を行き来するフェリーを目指し、ひとまず博多へと向かう。
由美から借りたパジャマ姿だったナナコに、チマチョゴリを着せたいと言う由美を説き伏せてブランド服を買おうとするヒデノリ。
しかし東京にお金を忘れたために服を万引き。
由美とタローの所持金もほとんど無く、彼らはカツアゲを企む。
ヒデノリの後先を考えない行動によってお金を手に入れ、港へと向かうのだが、やはり遺体は無理。
そして姉ナナコの遺体には限界が近づいていた。

ヒデノリの古い友人のツテで、下関から出ている密航船の情報を仕入れることに成功するが、200万円が必要だという。
そこで彼が思いついた作戦は、強盗に入って200万円を手に入れる事だった。

なんとか200万円を手に入れたヒデノリは、下関でタローと由美、そして限界に達したナナコの遺体と再会する。
ヒデノリの友人、原田とガールフレンドも合流し、密航を行っている男性にナナコの遺体を任せる事に成功。
無謀な行動にあきれ返ったタローは、ボロボロになった車で先に東京へ向かうのだった。
しかしそこで予想外の出来事が起こる。

偶然にも最悪な少年 評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★☆☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2003年
  • 上映時間:113分
  • ジャンル:青春
  • 監督:グ・スーヨン
  • キャスト:市原隼人、中島美嘉、矢沢心、池内博之 etc

偶然にも最悪な少年 ネタバレ批評

映画『偶然にも最悪な少年』について、感想批評です。※ネタバレあり

エキセントリックなストーリーと登場人物

自殺した姉の遺体と共に3日間過ごすのだが、応急処置に保冷剤を服の中に入れただけなので当然、遺体は腐敗していく。
それを「鼻水」と言ったり「おもらし」といった直接的な言葉を使うことによって、本来ならば目を背けたくなるような、腐敗していく過程がコメディのように描かれている。

暗い雰囲気になるような金城の母方の祖母の暗い過去の話なども、市原隼人が演じる金城ヒデノリの”いじめられてもずっとヘラヘラ笑っている”というキャラクターによって、暗く重い話ではなく”他人事の話”として成立してしまっている。
日本人と在日朝鮮人の両方からイジメを受けてもヘラヘラと笑い、ためらいもなく「自分は韓国人」という台詞にも現れている。
しかし、真面目な顔ひとつせずに終始笑顔のヒデノリは、感情移入しにくい主人公でもある。
彼とは正反対に、ほとんど笑ったり感情を表に出そうとしない中島美嘉演じる由美というキャラクターも理解しがたい。

オープニングで刺されて倒れている池内博之演じるタローが、ラストで”誰に指されたか”までは判明するが、原田がタローを刺した理由が不鮮明で納得いかないものになっている。
偶然知り合ったタロー、ヒデノリ、由美の3人だが、由美の兄がヒデノリの学校の教師であるなど、見終わってからなるほど、と思わせる設定も多いストーリーだ。
しかし、エンディングへの伏線のためとはいえ、ナナコの自殺までが長く、そこから旅に出るのにも時間がかかりすぎている。

脇役に大物俳優、女優を起用しすぎた作品

メインキャストの他に、若手実力派俳優や、風吹ジュン、余貴美子、ともさかりえ、永瀬正敏、津川雅彦、大滝秀治をはじめとした豪華なキャスト陣が脇役として登場している。
直接絡むシーンは無いものの、柄本明、柄本祐親子の共演作品にもなっている。
だが、有名どころを多く出したことによって、個性のある役者の演技が薄くなってしまっている。

BGMを多く使い、シリアスなシーンではクラシック音楽を、テンポ良く進む場面ではロックやラップなどを使って、音楽で雰囲気を出している。
また、歌手として活動している中島美嘉が歌を口ずさむシーンもあり、そういった場面は上手い演出となっている。

偶然にも最悪な少年 感想まとめ

テンポがいい作品であり、BGMに当時の流行の音楽を多く使ったり、大物ベテラン俳優だけでなく若手実力派とされた役者を多く起用した映画。
後に有名になった松山ケンイチ、小出恵介なども出演している。
2002年に放送されていたTVドラマ「私立探偵濱マイク」で兄妹役を演じた、永瀬正敏と中島美嘉の共演作品でもあり、柄本明、柄本祐親子の共演作品でもある。

大人でまとめ役のはずのタローすらどこかおかしい部分があり、登場人物はほとんどエキセントリックな性格をしていて、主人公のヒデノリは手のつけようのない変わり者だが、どこか憎めないキャラクター。
若手女優だった蒼井優が、羽が飛び散る部屋の中でケチャップとマヨネーズを撒き散らすという、本編からはズレたシーンもあるのだが、エキセントリックすぎて何度見ても笑ってしまう。
何度も繰り返される、中島美嘉のとび蹴りのシーンも爽快だ。

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