映画『リリィ、はちみつ色の秘密』あらすじネタバレ結末と感想

リリィ、はちみつ色の秘密の概要:『リリィ、はちみつ色の秘密』(原題: The Secret Life of Bees)は、スー・モンク・キッドのベストセラー小説『リリィ、はちみつ色の夏』の映画化作。主演は天才子役として有名なダコタ・ファニング。

リリィ、はちみつ色の秘密 あらすじネタバレ

リリィ、はちみつ色の秘密
映画『リリィ、はちみつ色の秘密』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

リリィ、はちみつ色の秘密 あらすじ【起・承】

リリィが4歳の頃。
長い間家を空けていた母親が帰宅し、浮気を疑う父と口論になっていた。リリィは母が落とした銃を拾って母を助けようと思ったが、誤って引き金を引き母を殺してしまう。

1964年。リリィは母を殺した罪の意識と、母にも父にも愛された記憶のない孤独を抱えていた。その頃から、寝ているときミツバチが部屋を飛び回る幻覚を見るようになっていた。
母の記憶をほとんど持たないリリィは、誕生日に「母のことを話してくれ」と父に頼むが、ほとんど何も教えてはくれなかった。

リリィの家のメイドであるロザリンが選挙権を取りに行くため、リリィと二人で出かけるが、外で白人の嫌がらせにあって怪我をする。ロザリンを助けようとしない父に「腰抜け」と怒りをぶつけ、母がいればと言ったリリィに父が言ったのは、「あの日リリィを迎えに来たのではなく、荷物を取りに来ただけ」という残酷な言葉だった。本当に母は自分を愛してはいなかったのか。ついにリリィは決心し、ロザリンを連れて父の元から去った。
行先はティブロン。母がいたことがあるかもしれない街だ。
街に着くと、黒人の聖母子像のラベルが貼られたはちみつを見つける。二人はそれを作っている人が住むピンク色の家を訪ね、家出してきたことを黙って「叔母の家に行く途中だが旅費を稼がないといけない」と嘘をついてその家に留まる。
その家には、養蜂場を営むオーガストと、音楽教師のジューン、家の家事を切り盛りするメイの黒人三姉妹が住んでいた。リリィははちみつ小屋に住み込み、養蜂場の仕事を手伝いはじめる。

リリィ、はちみつ色の秘密 あらすじ【転・結】

オーガストはリリィにミツバチの世話をまかせ、優しくしてくれる。ジューンは恋人がいるが、何故かプロポーズを受けようとしない。メイは昔双子の妹エイプリルを亡くして以来、悲しみを抱え、繊細な心の持ち主。
リリィは、養蜂場の手伝いをしている黒人青年ザックと親しくなる。大統領と同じ名を持つザックは、将来弁護士になるという夢を語る。リリィも作家になるのが夢だと打ち明ける。

ザックはリリィにノートをプレゼントし、映画に誘った。二人は人種別の入り口から別々に映画館の中に入り、隣に座って一緒に映画を楽しんでいたのだが、白人たちがやってきて乱暴にザックを連れ去っていった。ザックはどこに連れていかれたのかわからず、みんなが心配して帰りを待つ。
人一倍感じやすく、ザックを可愛がっていたメイはこのことを知り大きなショックを受ける。悲しいことがあると庭に作った壁に行くのが習慣で、その日もメイは壁に向かう。だが、かなり時間が経っても帰ってこない。4人は心配になって外に探しに行くが、メイは自殺していた。「この世の重荷を降ろす」とメモを残していた。

ザックは無事見つかって帰って来るが、リリィはザックの事もメイの事も全ては自分が来たから招いた悪い事なのだと思い、出ていくことを決める。
しかし、そんなリリィにオーガストは彼女の母デボラの話を聞かせる。
オーガストは、デボラの子守だった。デボラと連絡を取り合っていたオーガストは、デボラの結婚から家を出るまですべてを知っていた。リリィの父を愛したが、その熱はすぐに冷め、リリィが生まれてもその気持ちは変わらなかった。やつれ切ったデボラは暫くオーガストの元に身を寄せるが、暫くすると「リリィに会いたい」と言って家に一度帰ったらしい。それがあのリリィがデボラを殺してしまった日だった。
この話を聞いても、まだ母の本当の気持ちがわからない。「荷物を取りに来た」と言った父の言葉がのしかかる。
リリィの父は、リリィの部屋の地図を手掛かりに居場所を突き止めた。連れ戻そうとするが、リリィはここにいたいと話す。
一人帰って行く父を引き留め、「本当にママは荷物を取りに来たのか」と聞くと、「本当はお前を引き取りに戻った」と話す。リリィは愛されていたのだ。

リリィ、はちみつ色の秘密 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2008年
  • 上映時間:110分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:ジーナ・プリンス=バイスウッド
  • キャスト:クイーン・ラティファ、ダコタ・ファニング、ジェニファー・ハドソン、アリシア・キーズ etc

リリィ、はちみつ色の秘密 批評・レビュー

映画『リリィ、はちみつ色の秘密』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

ダコタ・ファニングの演技力

アイ・アム・サム』で天才的な演技力を見せたまだ7歳と幼かったダコタ・ファニングももう十代半ば。リリィの役も14歳と、ほぼ同じ年頃で、もう小さな子供ではないけれど大人にもなり切れない微妙な年頃である。母を殺してしまったという罪悪感と、愛に飢えているという繊細な演技が要求される少女を完璧に演じていると思った。

それぞれの心の傷

まず、主人公リリィは両親に愛されていないと思い込み、さらに4歳の頃母を殺してしまった重い罪を抱えてこれまで生きてきた。14歳だから自分の事でいっぱいいっぱいなんだろうが、父も傷ついているなんてことは考えもしない。
他に傷を持っているのは、黒人たち。メイドのロザリンはもちろん、登場する黒人たちは白人にいじめられ、殴られ、反撃することもできない。今でも白人の黒人に対する差別意識はあり、表面上「差別は良くない」と思っていたとしても潜在意識の中ではいまだ根強い差別意識がある時代。
当時はなおさらである。そんな人々の中で暮らすうちに、リリィも変化していく。
特にメイの心の傷を知り、彼女の死を経て、辛くて苦しいのは自分だけじゃないんだと気づいたのではないかと思った。
そしてオーガストから昔の両親の話を聞いて、ここではじめて自分の家族にも愛があったことを知る。一時とはいえ母は父を愛したし、父も母を心から愛していた。そして「自分は愛されていない」と頑なに思っていたリリィも愛されていた。
これを知って、ようやく父も傷ついていたということに気付いたのではないだろうか。

リリィ、はちみつ色の秘密 感想まとめ

愛に飢えていた少女が心を開き、幸せになっていく心温まる作品だった。
主人公リリィは旅に出て温かい人達に迎えられ、母が本当は自分を愛していたと知ることができて救われたけど、一番救いが必要なのは父親なんじゃないかと思った。母にそっくりな娘と生きてきて、愛しているけど顔を見ればどう接していいかもわからず、「母親と同じように自分を捨てて出ていった」と傷つく。妻と娘を重ね合わせて呪縛から抜け出せないのもどうかと思うが、結局この父親だけ救われず終わったのは気になった。最後はリリィとも少しは心を通わせたように思うので、これからちょっとずつよくなっていけばいいなと思った。

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