映画『ヒア アフター』あらすじネタバレ結末と感想

ヒア アフターの概要:2010年のアメリカ映画。主演にマッド・ディモン、監督はクリント・イーストウッドというコンビが贈る感動作品。霊能力を持つ主人公が様々な苦悩を乗り越え、自分の存在意義を見いだしていく群像劇である。

ヒア アフター あらすじネタバレ

ヒア アフター
映画『ヒア アフター』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

ヒア アフター あらすじ【起・承】

マリーの物語

フランス人のジャーナリスト・マリーは恋人のディレクターと、東南アジアのリゾートへ遊びに来ている。
一人土産を買うため街に出たマリーは、突然襲ってくる津波に巻き込まれた。
もうだめかと思ったが地元に男性達に助けられ、何とか一命を取りとめる。
死ぬかもしれない水中で、彼女は臨死体験をしていた。

救出された後フランスに帰国したマリーは、早速TVの仕事に復帰。
しかし以前のように仕事が出来ない。
悲劇の後遺症であると考えた恋人のディレクターは番組を休むよう促し、以前から興味があった執筆活動を薦めた。

双子の兄弟の物語

ロンドンに住む双子の兄弟。
彼らの母親は飲酒、そしてヘロイン中毒だった。
そのため福祉施設のスタッフが定期的に様子を見に来ている。

あい変わらず薬を止められず家に帰って来ない母親の誕生日プレゼントのため、双子は写真館で自分たちの写真を撮影し母に贈る。
そんな子供達に喜び、今度こそやり直すと誓う母。
双子の一人にヘロイン中毒を治す薬を薬局に買いに行くように頼む。
喜んだ子供は急ぎ足で買いに行くが、帰り道交通事故で亡くなってしまった。
一人残された子供は悲しみ、心を塞ぐように。
その後母は更生施設へ、子供は児童施設へ向かった。

霊能者ジョージの物語

小さい頃の病気のせいで霊能力を身につけたジョージは、その力で本を執筆したりTVに出演したりと金を稼いできた。
それを薦めたのが兄である。
しかし死の世界を覗くことに疲れたジョージは一切の活動をやめ、工場に勤めながら静かに暮らしている。
しかし兄はそんな弟の能力を勿体ないと感じ、人助けをしろと言い続ける。

手に触れると相手の過去の経験や死人との関係性が見え、交信も出来てしまうジョージはその能力のせいで恋愛もまともに出来ず苦しんでいた。

ヒア アフター あらすじ【転・結】

マリーは本を執筆することになった。
編集者との約束はジャーナリズムを主にした政治的なもの。
しかし自分の臨死体験に興味を持った彼女は、医学的にそのような研究をしている博士の元を訪れ自分の体験を話す。
このことで執筆の内容を「ヒアアフター」と言うタイトルで死の体験を書きたいと言う。
編集者は大反対であったが興味のある会社が出てきた。
彼女は結局そのテーマで執筆し、本を完成させる。

双子の兄弟の片割れのマーカスは、死んだ兄弟がいつも被っていた野球帽を被り思い出から抜け出すことが出来なかった。
そんな時マーカスの里親が決まる。
中々馴染むことが出来ないマーカスだったが、里親と出かけた時たまたまマリーの出版記念が行われている会場に来ていたジョージと出会う。
そして頼み込み、亡くなった兄弟と交信してもらう。
ジョージは「兄弟はもう君を助けてやることは出来ない。帽子を脱いで頑張るように言っている」と告げた。

マーカスはこの後母親に会いに施設に行くのだった。

ジョージは一人旅に出た。
そうして自分の役割に気がつく。
彼は臨死体験をしたマリーの本に興味を持ち、出版記念のイベントに出向く。
そこで握手をしてもらったジョージだったが、いつもと違い彼女の手に触れても彼女のことは見えなかった。
何かを直感したジョージは彼女に手紙を書き、会ってくれないかと尋ねる。

待ち合わせのカフェにマリーがやってくる。
待っていたジョージは彼女の姿を見ると、彼女との幸せな未来が見えたような気がした。

ヒア アフター 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2010年
  • 上映時間:129分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:クリント・イーストウッド
  • キャスト:マット・デイモン、セシル・ドゥ・フランス、フランキー・マクラレン、ジョージ・マクラレン etc

ヒア アフター 批評・レビュー

映画『ヒア アフター』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

霊界の不自然の無さが凄い

本作品を一言で説明すると、丹波哲郎もびっくりの大霊界の物語である。
前知識なしで観ると驚く人もいるだろう。
しかしクリント・イーストウッドの実力を改めて思い知らされることになる。
霊界の映像や物語が全くわざとらしくなく、下手なファンタジー感を出していない。
ものすごく真面目に霊能力者の物語が軸になっていて、少しも胡散臭さを感じさせないのだ。

普通ヒューマンドラマという設定でも、霊界を話に入れてしまうとファンタジーに切り替わり、下手すると笑えてしまうような二流の作品に成り下がる。
しかし本作品は最初から最後まで一貫してヒューマンを保っている。
少しも霊界に違和感が無いのだ。
これは非常に優れた撮影技術が無いと難しいだろう。

津波のシーンのリアルさ

クリント・イーストウッド監督は、自身が水難事故から生還した経験を持つ。
そのため水に対する描写が非常にリアルである。

最初の物語でフランス人のマリーが津波を経験する。
このシーンがぞくっとするほどリアルだ。
特に流されていく水中の撮影技術は素晴らしく、水難事故を経験した監督だからこそ演出出来たものだと思う。

ラストシーンの謎

最後のシーンでジョージがマリーとカフェで待ち合わせをしている。
会った瞬間にジョージはマリーとキスをしている妄想をしているのだが、ここが謎。
あくまでジョージの妄想で願望なのか、それとも未来が見えたのか。

しかしジョージは死者と交信が出来るだけで、予知は出来ないはず。
だとするとこのシーンの意味は何なのか?
観る手側に任された解釈が最後の最後で気持ちの悪いエンディングであった。

ヒア アフター 感想まとめ

クリント・イーストウッド監督の映画は面白い。
制作者に回ってからそれは発揮された。
晩年のものは経験値や年齢が武器となり、非常に奥が深いリアルな作品となっている者が多い。
彼だからこそ説得力がある作りに仕上げているのだ。

本作品の見所は、霊界と人間界の交信を軸にしたそれぞれの苦悩を表現していること。
話がリアルにならなくなりがちな作品を、見事ヒューマンのジャンルで通して終わらせたところはさすがである。
重厚な映画に仕上がっている。

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